「人生会議」について尋ねたら・・・衝撃でした!

人生会議について尋ねたら

「人生会議」について尋ねたら、衝撃でした(Foto-RabeによるPixabayからの画像)

「人生会議」をご存じですか?

「人生会議」とは、もしものときのために、その方が望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことで、厚生労働省が推奨しています。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02783.html

この取り組みは、もちろん素晴らしいです。前もって本人の意向を確認しておけば、家族が悩んだり、後悔する度合いが減るでしょう。でも病院は超多忙で、少なくとも父が入院していた病院の担当医には、検査結果の数値について質問することさえ嫌がられました。医療関係者も含めた、前もっての話し合いなんて、実際にできるのかしら?

この「人生会議」について、どのくらい皆さんがご存知で、どう感じていらっしゃるのかを知りたくて、知り合いの女性に聞いてまわっています。先日も、Bさんに「人生会議って、知ってますか?」と尋ねてみました。

人生会議について尋ねたら

「人生会議」について尋ねたら、衝撃でした(paty45200によるPixabayからの画像)

『ああ、もう娘たちにはちゃんとゆうてあるわ。』

このBさんは60代ですが、カーブスのトレーニングを12年も続けて筋肉の維持に努め、いつも薄化粧で、身だしなみにも心配りを感じさせる女性です。

『延命治療は一切いらん。わたしはたぶん病院で死ぬやろうから、そのまま焼き場に直行したらええ。もしも、気休めに骨が欲しかったら、ちょこっと分けてもうて、あとは焼き場で処理して貰うたらよろし。戒名もいらんし、お墓もいらへん。娘にはゆうてるのよ、骨なんてただのカルシュウムだからって。』

『うちの両親も主人の両親も、主人も先に逝ってます。主人のお墓は郷里にあるけど、法事やらなんやらで、その都度ようけお金を使いました。ああいうもんにお金をかけるなら、生きてる間に一緒に美味しいものを食べに行き、楽しい時間を過ごそうって。』

人生会議について尋ねたら

「人生会議」について尋ねたら、衝撃でした(Kerstin RiemerによるPixabayからの画像)

『もしも神さんがいはったら、うちのおかあちゃんをもっと幸せな人生にしてくれはったはずやし、うちのおとうちゃんを、もうちょっとマシなおとうちゃんにしてくれはったはずや。』

『うちのおとうちゃんは、芸妓さんをかこってたさかい、母親ちがいの兄妹もいます。3歳の時からおとうちゃんの口実に使われて、洋服を全部仕立ててもうてました。この子の洋服を誂えてくるさかいって、おとうちゃんは私を連れて外出し、仕立て屋に行った後で、赤くてケバケバしい炬燵布団(こたつぶとん)がかかった家に連れていかはる。』

『赤いケバケバしい炬燵布団がかかったこたつの上には、わたしの大好きなお菓子が山盛りに用意されてて、おとうちゃんは用事があるからここでおとなしゅう待っとき、って残される。テレビもないし、お菓子がのうなったら退屈で、はよう帰りたいし・・・おかあちゃんには言うたらあかんで、と釘をさされるし・・・』

あの頃から、神も仏も信じてへんの。だから、合理的に考えて生きてきたの。

人生会議について尋ねたら

「人生会議」について尋ねたら、衝撃でした(Walter SturnによるPixabayからの画像)

若々しくて、綺麗で、人生の知恵を持っていらっしゃる女性。このようなイメージだったBさんが、思いも寄らない修羅場を潜り抜けていらっしゃったことや、肝が据わっていらっしゃることに驚いてしまいました。

合理的思考ゆえに、いろいろな習慣や風習からためらいや迷いまでスパスパと斬って捨てる、くもりのない潔さに、彼女が潜り抜けたであろう修羅場やドロドロとしたものの凄さを感じました。Bさんの人生の幕の引き方は、彼女でなければ出来ないに違いありません。

浅はかなわたしは気軽に、「人生会議」について尋ねてしまいましたが、「人生会議」とは、その方が望む「死に方」を決めること。「死に方」だからこそ、その方の希望や信条や価値観が反映されるのは当然です。軽率にも、土足で大切な領域に踏み込んでしまったのでは?と反省しています。

Bさんが願う「死に方」は、Bさんの人生模様そのものなのかもしれません。

人生会議について尋ねたら

「人生会議」について尋ねたら、衝撃でした(Jeon Sang-OによるPixabayからの画像)

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