第2弾!高齢の親をクマ被害から守るには?伐採し損ねた果樹と電気柵・スプレーの安全対策まとめ
秋の実りが、人を襲うきっかけになっています。
住宅地の庭や畑に現れるクマは、もはや珍しくありません。
伐採し損ねた果樹や放置された柿の実が、命を脅かす「誘い餌」になることもあります。
以下では、高齢の親をクマ被害から守るために、今日からできる現実的な対策をまとめました。
1.伐採し損ねた果樹へのクマ対策
群馬県沼田市でクマの襲われた男性は、こうおっしゃっています。
「ちょうどうちのそこにカキの木があるんですよ。切らなきゃ危ないなって。まさかうちのカキには来ないだろうと」
しかし、その「まさか」が現実になりました。
この方の言葉は、地方の多くのご家庭でも当てはまるかもしれません。
あなたの田舎にも伐採していない柿や栗などの果樹が残っていませんか?すぐに出来る対策を紹介します。
①未収穫の果実をネットで覆う。
②可能なら、早急に実を収穫するか、木を伐採。
③人が近づくだけで作動する人感センサー+大音量アラーム(防犯アラーム)を木の周囲に設置する。電池式で自動動作なので高齢者本人が操作する必要がない。
④1本〜数本の果樹を囲む「簡易的/家庭用」の電気柵を設置する。(自治体の補助制度がある場合も)
2.家庭・小規模用電気柵で行うクマ被害防止
1本〜数本の果樹を囲む「簡易的/家庭用」の電気柵は 実際に市販されており利用可能 です。(100m未満で囲える家庭用セットあり)
クマ避けとして使う場合には押さえておきたいポイントが、あります。
1)使える条件
設置場所に合わせて電源方式を選ぶことが重要です。
庭先の果樹囲い用なら「乾電池・バッテリー」や「ソーラー」が使いやすいとされています(参考:くらしる比較サイト http://bit.ly/4nvifeu)。
また、設置の要点は「正しくアースを取る」「支柱・線の張り方を守る」ことです。
これを怠ると効果が落ちると、『マイナビ農業』(http://bit.ly/431wosv)でも指摘されています。
“クマ出没対策用”として選ぶ場合は、より耐久性・出力が高い機種を選ぶこと。家庭菜園用を応用する場合でも、設置後の点検・メンテナンスを忘れずに。
2)特に注意するポイント
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囲う範囲を最小化:果樹の周囲に支柱を立ててその木だけ囲う。線長100mもあれば十分です。
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支柱の高さ・段数:クマ対策なら2〜3段が目安。まずは「低い段数でも確実に囲う」ことを優先。
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電源方式:手間を減らすならソーラー・バッテリー型。庭先なら乾電池型でも可(家族が定期的に交換)。
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アース設置:地面へのアース棒設置が効果の要。庭の地質(石・コンクリート)によっては接地が難しく、効果低下の原因になります(前掲『マイナビ農業』より)。
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管理・維持:線が草や枝に触れると漏電・効果低下します。落果や枝をこまめに整理することが大切です(参考:園芸ブログ「ACERA遠志」http://bit.ly/4oFfJ6f )。
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安全表示:「電気柵使用中」の札を掲示し、感電リスクやペースメーカー装着者への注意を明示(同園芸ブログ「ACERA遠志」参照)。
3)クマ被害対策の注意点
果樹1本を囲うだけでも、クマ出没地域では出力・高さ・段数・管理体制を農場並みに考える必要があります。
高齢の親が操作や点検をする場合、「支柱設置・電池交換・線チェック・草刈り」は負担になります。
娘さんや近隣で協力してくださる方と役割分担をしましょう。
なお、通電停止や放置状態が続くと「安全だ」と学習するクマも報告されています(ACERA遠志ブログより)。
土地や地形(斜面・石だらけ・粘土質など)によってはアースが効きにくい場合もあるため、現地確認を。
3.クマよけスプレーの正しい使い方と注意点
身を守る道具として「クマよけスプレー」がありますが、高齢のご両親に適しているでしょうか。
まず、誤噴射や風向きへの注意が必要です。
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効果と性質
スプレーはクマの目・鼻を狙って噴射し、数秒でほぼ使い切る即効性のある道具です(参考:環境省 知床国立公園ガイド http://bit.ly/47fMeSR )。 -
高齢者に向く/向かないの目安
手先の力や反応速度がある方には有効ですが、握力や指の動きが弱い方には難しい場合があります。 -
実用的な工夫
市販のトレーニング缶で空噴射の練習を行い、音と操作感に慣れておく(参考:日本クマネットワーク公式動画 http://bit.ly/3JjPYtn )。
腰や胸に固定して「即取り出せる位置」に常備し、バッグの底には入れないようにします(参考:環境省『クマ類出没対応マニュアル』 http://bit.ly/4oJJmU6 )。
また、屋外で使用する際は風向きに注意。自分にかかると健康被害が出ることがあります(秋田県「山野での注意」資料 http://bit.ly/49ugk6p)。 -
購入時のチェック
トリガーが軽く、ピンが抜けやすいモデルを選びましょう。購入前に自治体の防災担当課でアドバイスを受けるのも有効です。
※スプレーは「撃退」よりも、「近づかれない距離を保つための道具」と考えてください。
4.爆竹に頼らないクマよけ方法と安全策
爆竹は強い音で威嚇できますが、着火・投げる手順が必要で火傷や火災の危険があります。
また、住宅密集地では通報が入るケースも報告されています。
自治体マニュアルでは「携行用品」として紹介される場合もありますが、高齢者本人が使用するのは危険です。
高齢者向けの代替案
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電池式の大音量ホイッスル/エアホーン(電動):押すだけで作動し、安全。
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自動発報スピーカー/防犯アラーム:人感センサー付きで自動作動(設置は家族が担当)。
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携帯ブザー/笛:音量(dB表示)を確認して選ぶ。
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近隣連携(見守り):人のいる時間帯に屋外作業を行い、地域で連絡網を整える(参考:秋田県森林技術センター『ツキノワグマの生態と人身被害防止』http://bit.ly/49oy8Qs )。
5.高齢の親を守る「今すぐできるクマ対策」
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自治体の公式サイトで「クマ出没情報」や「スプレー補助」ページを確認(例:「〇〇市 クマ出没情報」で検索。参考:秋田県HP http://bit.ly/49svucq)。
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熊撃退スプレーを1本購入(同居の場合、娘さんが訓練もできる場所に保管)。操作方法は動画で確認(日本クマネットワーク「クマスプレーの使い方」動画 )。
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爆竹は渡さず、電池式エアホーンや携帯ブザーを渡す。
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家族で15分の訓練:スプレーの取り出し方・構え方・避難ルートを確認(環境省『クマ類出没対応マニュアル』参照)。
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近隣(自治会・民生委員)へ見守り依頼:非常時の連絡体制を整備。
まとめ
もはや「山の中の話」ではありません。
クマは、家の玄関先にも現れる時代です。
今動くか、後悔してから動くか――。
その差が、命を分けるかもしれません。
以上









