【要介護のご家族がいる方へ】大雨・水害に備える「防災リフォーム」3つのポイントと使える補助金
8月末から始まった大雨災害・土砂災害は、断続的に続き、1ヵ月に及ぶ勢いです。あなたとご家族のみなさまの体調はいかがですか?
まだ降り続いている今、大雨災害に土砂災害、竜巻まで現れる自然災害のフルコースに備え、自宅リフォームを検討なさっていますか?
今回は、自宅介護に特有なリフォーム・ポイントと補助金・助成金の情報をお届けします。
◆まず確認!ハザードマップで変わる避難方法とリフォーム
ハザードマップの想定浸水深に応じて、在宅避難型か、垂直避難型か、早期脱出型かが判明します。この避難方法に対応するリフォームが、最適な方法です。
●浸水想定0.5m未満(床下浸水レベル・想定区域外)
目指すゴール: 在宅避難に適した徹底的な環境づくり
重点リフォーム: 電気設備(蓄電池・室外機かさ上げ)、エアコン確保、床下断熱・防湿処理。
活用する補助金: 国の「CEV補助金(V2H:電気自動車から家に給電する仕組み)」や「DR蓄電池※補助金」 + 自治体のスマートエネルギー補助金※。
(※DR蓄電池:安い時間帯に充電し、高い時間帯やピーク時に放電できる蓄電池)
(※スマートエネルギー補助金:自宅等に太陽光発電や蓄電池などの省エネ・創エネ設備を導入すると、国や自治体から費用の一部が支給される制度)
●浸水想定0.5m〜3.0m(床上浸水レベル)
目指すゴール: 1階の防水化、または2階への垂直避難※準備
(※垂直避難:2階など上の階へ逃げること)
重点リフォーム: 止水板の設置、電気設備の高所移設、2階への移動設備(階段昇降機等)や2階のケア空間化。
活用する補助金: 市区町村の「止水板設置補助金」 + 自治体独自の「階段昇降機・高齢者住宅改修助成」
●土砂災害警戒区域や浸水深3.0m以上
目指すゴール: 在宅避難を諦め、「超早期避難」を可能にする動線づくり
重点リフォーム: 家の防水よりも、雨天時でもすぐ車へ乗せられる外構・アプローチの改修。
活用する補助金: 介護保険の「住宅改修費支給」(上限20万円)
◆介護家庭だから必要な3つのポイント
災害時、介護家庭では「避難所への移動が困難で、在宅避難になる確率が高い」という前提があります。この条件を満たすリフォームポイントが以下の3つです。
●電気設備(最重要になりやすい)
単なる照明確保ではなく、電動ベッド、吸入器・人工呼吸器などの医療機器、エアコン(熱中症防止)の電源確保が生命線になります。
太陽光+蓄電池やV2H(EV車からの給電)の導入、分電盤やエアコン室外機の高所設置が具体的なポイントになります。
●床下・床上と「垂直避難」の課題
一般の家屋では「2階への垂直避難」が推奨されます。けれど、要介護者が階段を登れないと、1階にとどまらざるを得ません。
そのため、1階の嵩上げ(基礎を高くする)や床上浸水対策が必要です。
あるいは「2階に介護居室を作り、昇降機や簡易トイレ設備を整える」という判断が必要になります。
●外構・外壁と「雨天時の避難動線」
水害の危険が迫った時、車椅子や歩行器で迅速に車へ移動できるよう、屋根付きスロープや水没しても滑りにくい床材、水圧で開かなくならない引き戸への変更などがポイントになります。
◆賢く利用するために補助金・助成金利用の注意点3つ
1.「着工前の事前申請」が絶対条件
介護保険も防災補助金も、工事を着工・購入する前に自治体やケアマネジャーへ申請し、交付決定を受ける必要があります。(事後申請は対象外になるケースがほとんど)
2.介護保険と自治体補助金の「併用」
介護保険の枠(20万円)を超えた工事について、自治体が独自の上乗せ助成を出している地域が多いです。
まずは地域包括支援センターや市区町村の福祉窓口に、相談することを推奨します。
3.水害対策補助金は地域限定・先着順が多い
止水板や蓄電池の補助金は自治体ごとに予算枠があり、年度途中で受付終了になることも多いため早めの確認が必要です。
◆リフォーム内容別・使える補助金まとめ
💡 ① 外構・移動動線のバリアフリー化
●主な工事内容:
- 屋根付きスロープの設置
- 舗装・水没しても滑りにくい床材への変更
- 水圧で開きづらくならない引き戸への交換
●利用できる主な制度:
- 介護保険「住宅改修費支給」
●概要・ポイント:
- 要支援・要介護認定を受けている方が対象です。
- 上限20万円(自己負担1〜3割)まで支給されます。
- 玄関の中だけでなく、屋外のアプローチ工事も支給対象になります。
💡 ② 垂直避難・2階のケア空間化
●主な工事内容:
- 階段昇降機の設置
- 2階へのトイレ増設やバリアフリー化
●利用できる主な制度:
- 自治体の「高齢者住宅改修助成」
- 障害者「日常生活用具給付」
●概要・ポイント:
- ⚠️階段昇降機は、国の介護保険の対象外となります。
- ただし、自治体独自の助成制度(数10万〜100万円超)や障害者給付を利用できる場合がありますので、お住まいの自治体へ確認が必要です。
💡 ③ 床下・床上浸水対策
●主な工事内容:
- 止水板(防水板)の設置
- 1階部分の防水化処理
●利用できる主な制度:
- 自治体の「止水板設置工事補助金」
●概要・ポイント:
- 近年、大雨被害の増加に伴い多くの自治体で創設・拡充されている制度です。
- 工事費の1/2〜4/5程度(上限30万〜150万円程度)が補助される手厚いケースが多くなっています。
💡 ④ 電気設備・停電対策
●主な工事内容:
- 太陽光発電 + 家庭用蓄電池の設置
- V2H充放電設備(電気自動車から自宅へ給電する仕組み)
- 分電盤やエアコン室外機のかさ上げ(高所移設)
●利用できる主な制度:
- 国の「DR蓄電池補助金」「CEV補助金(V2H)」
- 自治体の「省エネ・蓄電池導入補助金」
●概要・ポイント:
- 医療機器(吸入器・人工呼吸器等)やエアコンの電源確保に不可欠な蓄電池・V2H機器の購入・工事費を補助してくれます。
- 国と自治体の補助金を併用できる場合もあります。
💡 ⑤ 断熱・環境維持(在宅避難の快適性)
●主な工事内容:
- 床下断熱改修
- 高効率エアコンの設置
●利用できる主な制度:
- 国の「住宅省エネキャンペーン」
- 自治体の省エネリフォーム補助
●概要・ポイント:
- 住まいの省エネ・断熱性能を高めるリフォームに対する国の大型補助事業などが活用できます。
まとめ
自然災害が大型化・過激化してきた今こそ、ご自宅をより安全な介護ホームにリフォームする必要を感じている方も多いと思います。
大規模な工事をいきなり決める必要はありません。
まずはスマホで自宅のハザードマップを確認すること、そして介護保険を使った改修については担当のケアマネジャーさんに『水害対策も兼ねて相談したい』と一言伝えることから始めてみてください。
🛡️ あわせて読みたい「介護家庭の防災3部作」シリーズ
このブログは、水害に立ち向かう介護家庭のための「防災3部作」完結編(第3弾)です。
ご自宅の状況や復旧のフェーズに合わせて、ぜひ以下のガイドもご活用ください。
【第1弾:浸水直後の対応・消毒】
[床下・床上浸水時の自宅介護ガイド|要介護者を守る復旧手順と消毒の注意点](https://kizuna-iyashi.com/2026/09/11/flooding-home-care-guide/)
👉 被害を受けてすぐの安全確保、衛生管理、要介護者のメンタルケア手順をまとめています。
【第2弾:床下の再発防止工事】
[二度と浸水させない!床板をはがした今できる「床下浸水防止工事」完全ガイド](https://kizuna-iyashi.com/2026/09/11/flooding-prevent-underfloor-plan/)
👉 復旧作業で床板を剥がしたタイミングだからこそできる、本格的な防水・補強工事の解説です。
【第3弾:事前の防災リフォーム・補助金】(この記事)
[【要介護のご家族がいる方へ】大雨・水害に備える「防災リフォーム」3つのポイントと使える補助金](https://kizuna-iyashi.com/2026/09/18/nursing-disaster-prevention-renovation/)
👉 在宅避難を見据えた電源確保や車椅子動線の改修、使える公的補助金について解説しています。
以上

