広島市の女性55.5%が #憂うつな気分 になることが増えたと回答。あなたは?(前編)
広島市では2008(平成20)年に「うつ病・自殺対策推進計画」を策定し、対策を進めています。2020年に始まった新型コロナウイルスによる感染不安、外出自粛、コミュニケーション不足、経済不安などにより市民のメンタルヘルスの悪化を懸念した広島市は、2020(令和2)年11月に市内に居住する15歳以上の市民3,000人を対象に、こころの健康に関する調査を行い、1,611人の有効回答を得ました。
その結果を「広島市こころの健康に関するアンケート調査結果」として発表。この#憂うつな気分 についてと悩み等の相談窓口一覧等をご紹介します。(スマホで読みやすいように内容を取捨選択しています。全文は広島市のホームページでご覧ください)
「広島市こころの健康に関するアンケート調査結果」
個人の年代や生活状況と#憂うつな気分 の状況や意識、さらに、うつ病と自殺(自死)についての意識等について調べ、以下のような数字が出ています。
☆「問 17 新型コロナウイルス感染症の流行により、#憂うつな気分 になることが増えましたか。」《対象:女性:900人》
- やや増えた 44.4%
- 変わらない 36.4%
- かなり増えた 11.1%
性・年齢別にみると、#憂うつな気分 になることが『増えた』と回答した割合は、女性の20 歳代、50 歳代、 60 歳代で60%に達しています。あなたはいかがですか?
☆「問11 あなたは、この6か月の間に「死にたい」と思うほどのストレスや悩みがありましたか。」《対象:女性:900人》
- まったくなかった 67.3%
- あまりなかった 15.3%
- たまにあった 11.2%
- よくあった 2.3%
他の調査でも女性が受けるストレスの方が強いとの結果が出ていますが、13.5%もの女性が「死にたい」ほどのストレスや悩みに苦しんでいます!そのストレスや悩みの種類は下の回答です。
☆「死にたい」と思うほどのストレスや悩みの原因についての設問
問11で「たまにあった」「よくあった」と回答した人へそれは、どのような事柄が原因ですか?(複数回答可)」《女性:122人》
- 自分の身体の病気の悩み 42.6%
- 家族関係の不和 28.7%
- 「職場の人間関係」と「家族の将来悲観」 27.0%
- 生活苦 21.3%
- その他経済・生活問題 18.0%
- その他健康問題 17.2%
- 自分のうつ病等の精神疾患の病気の悩み・影響 16.4%
- 仕事疲れ 15.6%
- 子育ての悩み 14.8%
- 家族の介護・看病疲れ 13.8%
「死にたい」と思うほどのストレスや悩みの原因が新型コロナウイルス感染症に関係する場合は、《対象:48人》
- 「自分の身体の病気の悩み」 41.7%
- 「家族の将来悲観」と「生活苦」 25.0%
- 「家族関係の不和」 22.9%
- 「自分のうつ病等の精神疾患の病気の悩み・影響」と「その他経済・生活問題」 20.8%
病気と人間関係と生活の問題で苦しんでいらっしゃるご様子が浮かび上がります。また、コロナから回復しても後遺症に悩まされるとの報道もあり、困難な季節をわたしたちは生きていると実感します。ご家族や友人に苦しんでいらっしゃる方はいますか?あなたは#憂うつな気分 ですか?
ここから下は、#憂うつな気分 が進行した「うつ病」と自殺についての設問とその回答傾向をご紹介します。
☆「問 20 「うつ病」は自殺(自死)に強く関連していると思いますか。 」《女性:900人》
- そう思う 41.3%
- とてもそう思う 27.7%
- わからない 21.1%
- 思わない 8.7%
性別でみると、関連していると『思う』と回答した割合に男女差はありません。けれど性・年齢別にみると、関連していると『思う』と回答した割合は、女性の 20 歳代と 30歳代で80%を超えていますが、男女ともに 70 歳以上では50%前後です。この意識の違いが、下にとりあげた設問のうつ病への対応の違いとなって現れているように感じます。
☆「問 21 あなたの家族や友人のひとりが次のような状態になった場合を想定してお答えください。
【「この2~3週間、食欲が無く眠れない日々が続き、体重が減ってきたようです。また、ふさぎ込むようになり、仕事に集中できなくなってしまいました。物事に対して興味がわかないようで、話しかけても返事に乏しく、悲観的な事を言っています。」 】その人の状態に最もあてはまるのは次のどれだと思いますか。 」《女性:900人》
- 心の病気 76.9%
- わからない 9.4%
- 無回答 6.4%
- 体の病気 5.7%
「心の病気」と回答した割合は、男女ともに70%台です。が、性・年齢別にみると、「心の病気」と回答した割合は、女性 20 歳代で90%を超えています。
一方、男性の 70 歳以上では50%台と大きな違いが数字に表れています。
☆「付問3 あなたは、その人にどのように対応したらよいと思いますか。 」《男女:1611人、複数回答》
- 精神科や心療内科の専門医へ受診することを勧める 39.0%
- 内科医等のかかりつけ医へ受診することを勧める 17.8%
- 様子を見る 17.6%
- 身近な人への相談を勧める 16.1%
- 本人を励ます 7.9%
- 保健師など公的な機関(区役所、精神保健
福祉センターなど)の窓口への相談を勧める 7.3%
性・年齢別にみると、「精神科や心療内科の専門医へ受診することを勧める」と回答した割合は、女性 30 歳代で50%前半、女性の 40 歳代と 60 歳代で40%後半となっています。が、男性 70 歳以上では30%前半、女性 70 歳以上では20%後半です。
また、女性 15~19 歳の30%以上の方が、「身近な人への相談を勧める」を選んでいます。相談相手の年齢や性別によって、アドバイスが違ってくる様子もうかがえます。
広島市のホームページによれば、日本ではうつ病を15人に1人が経験しており、今では心の「かぜ」といわれるぐらい、誰でもかかる可能性のある病気です。
かぜをひいたら仕事や学校を休むように、重い荷物を背負って山登りをすれば、ときどき休憩をとるように、心にも休養や治療が必要なときがあるそうです。
長くなりましたので、前編はここまでです。次回4月16日アップの「広島市の女性55.5%が#憂うつな気分 になることが増えたと回答。あなたは?(後編)」では、アンケート調査の続きと悩みや「うつ病」等の相談窓口一覧をご紹介します。
《ご参考に》今すぐ相談窓口を知りたいあなたは、こちらのサイトをご覧ください。
☆「こころの耳 - 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(厚生労働省)」https://kokoro.mhlw.go.jp/
- こころの耳 電話相談 https://kokoro.mhlw.go.jp/tel-soudan/
- こころの耳 SNS相談 *サービスの安全性が確認されるまで、当面の間、停止中
- こころの耳 メール相談 https://kokoro.mhlw.go.jp/mail-soudan/
- 全国医療機関検索(精神科や心療内科、神経科のある病院、診療所(クリニック)などを検索できます)https://kokoro.mhlw.go.jp/facility/
☆いのち支える自殺総合対策推進センター https://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php
いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧)がホームページに掲載されています。
☆「1人で悩まない方法がわかる『自傷・自殺のことがわかる本ー自分を傷つけない生き方のレッスン』」2019/12/13 本の紹介ブログ
☆自殺(自死)予防のための行動 ~3つのポイント~
- 気づき - 周りの人の悩みに気づき、耳を傾ける
- つなぎ - 早めに専門家に相談するよう促す
- 見守り - 暖かく寄り添いながら、じっくりと見守る
☆広島市ホームページ「うつ病の知識と対処法」
☆広島市ホームページ「広島市こころの健康に関するアンケート調査結果(令和2年11月実施)」
以上