日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!(Mabel Amber, who will one dayによるPixabayからの画像)

6万人を超える日本人を平均7.7年間追跡したデータを用いて、日中の座っている時間と全ての死亡との関係を解析なさった論文を紹介し、その対策の情報もご紹介します。(https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.120.018293)

この研究はJ-MICC(日本多施設共同コホート)研究のデータを使用し、男性29,022人、女性35,434人の合計64,456人を分析約7.7年間の追跡期間中に、合計2257人の参加者が死亡なさっています。これらのデータを用い、日中に座っている時間と全死亡(全ての死因を含む)の関係を、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)の有無と、余暇時間の運動量に分けて検討し、下記が明らかとなりました。

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!(Maike und Björn BröskampによるPixabayからの画像)

①仕事中の時間および余暇時間を含む全ての日中に座っている時間が長いほど、死亡リスクが高くなる

②高血圧、脂質異常症、2型糖尿病の有無に関わらず、日中に座っている時間が長いと、死亡リスクが高くなる。また、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病の罹患保有数が増えるほど、死亡率が高くなる。

余暇の身体活動量を増やしても、日中の座っている時間の長さが長ければ、死亡リスクを完全に下げることは難しい

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!(MellaViewsによるPixabayからの画像)

では、詳しく見ていきましょう。

A. 参加者全体の場合日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加

B. 脂質異常症を患っている場合:日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは18%増加

C. 高血圧を患っている場合:日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは20%増加

D. 2型糖尿病を患っている場合:日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは27%増加

E.   3種類の生活習慣病を患っている場合:日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは42%増加

F.  生活習慣病を患っていない場合:日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは13%増加

さらに研究グループは、余暇時間の身体活動(METs:身体活動の強度基準)量に応じて、4群に分けて解析。その結果、余暇時間の身体活動が増えても、座位時間による死亡率の減少効果はわずかでした。

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!(ashokorg0によるPixabayからの画像)

以前にご紹介した2014年に英チェスター大学のジョン・バックリー教授(運動科学)らが実際にオフィスで行った実験では、3時間の立ち仕事で1日当たり150kcal余分にエネルギーを消費

その結果、1週間に5日、1日3時間を立ったまま過ごすことで、1週間で平均750kcalのカロリーを余分に消費できることが判明しました。1年間では約3万kcalのカロリーを多く燃焼し、3.6kgの体重を減らすことができる計算になります。1日9時間座ったまま過ごした場合に比べ、糖尿病のリスクが12%、心臓病のリスクが47%、低下することも判明しています。(1日3時間を立ったまま過ごすと、1週間で平均750kcalのカロリーを余分に消費できる!

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!(carlaborellaによるPixabayからの画像)

ちょっと古い記事ですが、スポーツ庁のWeb広報マガジン「DEPORTARE(デポルターレ)」の「日本人の座位時間は世界最長「7」時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・(2019年10月11日 18:00更新)」によれば、『1日に座っている時間が4時間未満の成人と比べ、1日に11時間以上座っている人は死亡リスクが40%も高まるといわれ、(中略)いまや“座りすぎ”も喫煙や飲酒と同じように健康リスクを脅かす問題の一つ』だそうです。

在宅勤務が増え、今では「7時間」座りっぱなし状態を超えているのではないでしょうか?では、その対策は?

死亡リスクの減少や体重の減少、さらにはメンタルヘルスのためにも、「立つ」「動く」ことを意識して取り入れましょう。その詳しい方法は、スポーツ庁のWeb広報マガジン「DEPORTARE(デポルターレ)」をご覧ください。

☆日本人の座位時間は世界最長「7」時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・:https://sports.go.jp/special/value-sports/7.html

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!(Rudy and Peter SkitteriansによるPixabayからの画像)

謝辞:京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学の講師、小山晃英先生ならびに共同研究に関わったすべての研究者のみならず、ボランティアの方々、ご協力なさった全ての皆様に感謝するとともに、この研究の進展を祈念します。

☆京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学:http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/epid/

☆Effect of Underlying Cardiometabolic Diseases on the Association Between Sedentary Time and All‐Cause Mortality in a Large Japanese Population: A Cohort Analysis Based on the J‐MICC Study(Journal of the American Heart Association 2021年6月14日):https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.120.018293

☆1日3時間を立ったまま過ごすと、1週間で平均750kcalのカロリーを余分に消費できる!:https://kizuna-iyashi.com/2020/12/25/homemade-87/

☆スポーツ庁のWeb広報マガジン「DEPORTARE(デポルターレ)」の「日本人の座位時間は世界最長「7」時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・(2019年10月11日 18:00更新)」:https://sports.go.jp/special/value-sports/7.html

以上

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!

日本人6万人以上のデータを解析したところ、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加!(SchwoazeによるPixabayからの画像)

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