特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(Kerstin RiemerによるPixabayからの画像)

今年も確定申告が始まります。所得税等の確定申告の受付は、令和7年2月17日~3月17日までです。介護費用の中にも条件を満たせば、申告することで税金がかかる金額が安くなる費用があります。ややこしいですが、まずはご一読ください。

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!(BebeによるPixabayからの画像)

1.「障害者控除」を受けられる条件と課税額が安くなる金額

身体障害者手帳を持っていなくても、この3つの条件にあてはまれば、

  • 65歳以上
  • 寝たきりの方や認知症の方
  • 障害者控除を認定する条件に当てはまる方

所得税や住民税が「障害者控除」または「特別障害者控除」を適用されて、税金がかかる金額が安くなります。

①「障害者控除」を認定する条件は何ですか?

  1. 要介護認定者であること
  2. 要介護認定の「主治医意見書」で「障害高齢者または認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランク」に一定基準以上の記載がある方

障害者控除の対象となる日常生活自立度判定基準ランクはいくつですか?

認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランク

 ・普通障害(軽度・中度):Ⅲa、Ⅲb

 ・特別障害(重度):Ⅳ、M

Ⅲaとは:日中を中心として、日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする。

Ⅲbとは:夜間を中心として、日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする。

Ⅳとは:日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。

Mとは:著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患がみられ、専門医療を必要とする。

障害高齢者の日常生活自立度判定基準ランク

 ・普通障害(軽度・中度):B1、B2

 ・特別障害(重度):C1,C2

B1とは:介助なしに車いすに移乗し食事も排泄もベッドから離れて行う

B2とは:介助のもと、車いすに移乗し、食事または排泄に関しても、介護者の援助を必要とする

C1とは:ベッドの上で常時臥床しているが、自力で寝返りをうち体位を変える

C2とは:自力で寝返りをうつこともなく、ベッド上で常時臥床している

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(AnjaによるPixabayからの画像)

③「障害者控除」とはどんな制度ですか?

障害者控除」とは、納税者本人または配偶者や扶養している親族(6親等以内の血族・3親等以内の姻族)が、「所得税法上の障害者」である場合に、確定申告すれば課税される所得金額が、安くなる制度のことです。

あなたがお住いの市区町村ではこれに基づいて、上で説明した条件を満たす方を障害者控除の対象者として認定しています。

令和6年分の「障害者控除対象者認定書」が、すでに到着している頃かと思います。この認定書で、確定申告をなさって下さい。

④税金がかからなくなる金額はいくらですか?

障害者控除所得税27万円
特別障害者控除所得税40万円
同居特別障害者控除所得税75万円

*住民税の控除額(住民税がかからない金額)はお近くの税務署にお尋ねください。

※認定書が届かない方は、お住いの市区町村の介護保険課介護認定係にお問い合わせください。

※「主治医意見書」が日常生活自立度判定基準ランクに当てはまらない場合でも、医師の診断書で認定を受けることができる場合があります。詳しくは介護保険課 介護認定係にお問い合わせください。

詳しくは国税庁の「No.1160 障害者控除」をご一読くださいhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(Stefano FerrarioによるPixabayからの画像)

2.介護老人保健施設に支払った費用も条件を満たせば、医療費控除で税金が安くなります

入所して介護保険サービスを受けられる4種類の施設で、提供を受けるサービス費用のうち、看護、医学的管理サービスに相当する部分の代金として支払った金額は、医療費控除の対象となり、税金が安くなります。

対象施設名指定介護老人福祉施設【特別養護老人ホーム】と指定地域密着型介護老人福祉施設

 医療費控除の対象金額施設サービスの対価(介護費、食費および居住費)に係る自己負担額として支払った金額の2分の1に相当する金額

対象施設名介護老人保健施設

 医療費控除の対象金額:施設サービスの対価(介護費、食費および居住費)に係る自己負担額として支払った金額

対象施設名指定介護療養型医療施設【療養型病床群等】

 医療費控除の対象金額:施設サービスの対価(介護費、食費および居住費)に係る自己負担額として支払った金額

対象施設名介護医療院

 医療費控除の対象金額:施設サービスの対価(介護費、食費および居住費)に係る自己負担額として支払った金額

※理美容代やその他施設サービス等において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要な日常生活費は、医療費控除の対象外です。

※特別なサービス費用も医療費控除の対象外です。

対象となる4種類の施設が発行する領収証には、基本的に医療費控除の対象となる金額が記載されています。

高額介護サービス費として払戻しを受けた場合は、国税庁の「No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価」をご参照ください。

《参考資料:介護サービスの対価に係る医療費控除の取扱いについて(食費・居住費) https://www.kaigo.city.edogawa.tokyo.jp/uploads/2021/07/181210_syokujitoriatukai.pdf

詳しくは国税庁の「No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価」をご一読ください https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1125.htm#:~:text=%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E8%80%81%E4%BA%BA%E4%BF%9D%E5%81%A5%E6%96%BD%E8%A8%AD%E3%81%8B%E3%82%89%E6%8F%90%E4%BE%9B%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E3%82%8B%E6%96%BD%E8%A8%AD%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(Kerstin RiemerによるPixabayからの画像)

3.介護保険の在宅サービスの中にも、医療費控除の対象となって、税金が安くなるものがあります

訪問看護や訪問リハビリテーションなど在宅で受けられる医療系サービスのうち、看護、医学的管理に相当する費用として支払った金額は、医療費控除の対象となるので、申告すれば税金が安くなります。

医療費控除の対象となる居宅サービス

 *訪問看護
 *介護予防訪問看護
 *訪問リハビリテーション
 *介護予防訪問リハビリテーション
 *居宅療養管理指導【医師等による管理・指導】
 *介護予防居宅療養管理指導
 *通所リハビリテーション【医療機関でのデイサービス】
 *介護予防通所リハビリテーション
 *短期入所療養介護【ショートステイ】
 *介護予防短期入所療養介護
 *定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用する場合に限る)

 *看護・小規模多機能型居宅介護(上記の居宅サービスを含む組合せにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除く)に限る)

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(Åsa KによるPixabayからの画像)

①の居宅サービス等と併せて利用する場合のみ医療費控除の対象となる居宅サービス等

 *訪問介護【ホームヘルプサービス】(生活援助=調理、洗濯、掃除等の家事の援助は除く)
 *夜間対応型訪問介護
 *訪問入浴介護
 *介護予防訪問入浴介護
 *通所介護【デイサービス】

 *地域密着型通所介護
 *認知症対応型通所介護
 *小規模多機能型居宅介護
 *介護予防認知症対応型通所介護
 *介護予防小規模多機能型居宅介護
 *短期入所生活介護【ショートステイ】
 *介護予防短期入所生活介護
 *定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用しない場合および連携型事業所に限る)
 *看護・小規模多機能型居宅介護(上記①の居宅サービスを含まない組合せにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除く)に限る)

 *地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスを除く)

 *地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスを除く)

通所リハビリテーションや通所介護、短期入所生活介護などのサービスを受けるために施設へ通う時の交通費は、これらの居宅サービス等の自己負担額が医療費控除の対象となった場合で、かつ、通常必要なものに限り医療費控除の対象となります。

高額介護サービス費として払戻しを受けた場合は、その高額介護サービス費を医療費の金額から差し引いて医療費控除の金額の計算をすることとなります。

対象となる居宅サービス事業者等が発行する領収証には、基本的に医療費控除の対象となる金額が記載されています

※上の①に掲げる居宅サービス等(医療系サービス)でも「居宅サービス計画」または「介護予防サービス計画」に基づいて提供された居宅サービスに限ります。

《参考資料:介護保険制度下における居宅サービス等の類型及び医療費控除の取扱い https://www.kaigo.city.edogawa.tokyo.jp/uploads/2025/01/360f90a7ca6de244c52b10249df773e0_1.pdf》

詳しくは国税庁の「No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価」をご一読ください https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1127.htm

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(Robin WolffによるPixabayからの画像)

4.自宅で使用しているオムツ代も、医師が発行する「おむつ使用証明書」があれば医療費控除の対象になり、税金が安くなります

①居宅サービス等でオムツを使用した場合のオムツ代は、医師等が発行する「おむつ使用証明書」と領収書があれば、医療費控除の対象となり、税金が安くなります。

②「おむつ使用証明書」に代えて、市区町村が発行する「介護保険法に基づく要介護認定に係る主治医意見書の内容を確認した書類」または「主治医意見書」の写しがあれば、医療費控除の対象となり、税金が安くなります。

③市区町村によっては、「おむつ使用証明書」の代わりになる確認書を高齢福祉課、あるいは介護保険課で発行できる場合もあります。お住いの市区町村の窓口にお問い合わせください。

けがや病気で約6か月以上も寝たきりで、医師の治療を受けている場合のオムツ代は、医師による治療を受けるため直接必要な費用として、医療費控除の対象となります

お住いの市区町村のホームページから「おむつ使用証明書」の用紙をダウンロードし、医療機関(主治医)にお持ちいただいて、書類の作成についてお尋ねください。

なお文書作成料等については、作成を依頼する医療機関にお問い合わせください。

確定申告には、医師が発行する「おむつ使用証明書」と紙おむつ購入時の「使用者の氏名が書かれてある領収書」(購入者名ではないので注意が必要!)の2つが必要です。 レシートでもこの使用者の氏名が明記されていれば『領収書』として使える場合があるので、税務署にご相談ください。

詳しくは国税庁の「寝たきりの者のおむつ代」をご一読くださいhttps://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/54.htm

《参考資料:令和6年分 確定申告特集 国税庁 医療費控除の申告方法を解説した動画があります! https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(Mariya MuschardによるPixabayからの画像)

5.介護保険で1か月に支払った金額が上限額を超えた場合は、申請すれば介護保険から払い戻されます

公的介護保険では、利用者が1か月に支払う金額の上限(1割~3割)が、所得状況などにより決められています。高額介護サービス費」の支給を申請すれば、上限を超えた金額は介護保険から払い戻されます

1.利用者が1か月に支払う介護サービス上限額(月額)と所得金額

①生活保護を受給している方の上限額 1万5,000円(個人と世帯)

②世帯全員が住民税非課税で、老齢福祉年金を受給している方の上限額  1万5,000円(個人)、2万4,600円(世帯)

③世帯全員が住民税非課税で、課税年金収入額とその他の合計所得金額の合計が80万円以下の方の上限額 1万5,000円(個人)、2万4,600円(世帯)

④世帯全員が住民税非課税で、課税年金収入額とその他の合計所得金額の合計が80万円を超える方の上限額 2万4,600円(世帯と個人) 

⑤住民税課税世帯の方で、課税所得380万円未満の方の上限額  4万4,400円(世帯と個人)  

⑥住民税課税世帯の方で、課税所得が380万円以上690万円未満の65歳以上の方がいる世帯の上限額  9万3,000円(世帯と個人)

⑦住民税課税世帯の方で、課税所得が690万円以上の65歳以上の方がいる世帯の上限額  14万100円(世帯と個人)

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(Mabel Amber, who will one dayによるPixabayからの画像)

※同じ世帯に介護保険サービスを利用する方が複数いる場合は、全員の利用者負担金額を合計した金額が世帯上限額を越えた場合、介護保険から払い戻されます。

※福祉用具購入費や住宅改修費の1割負担分、施設での食事の標準負担額は対象になりません。

※要介護度に応じた利用限度額を超えてサービスを利用した場合には、利用限度額を超えた金額でも対象にはなりません。

※介護保険施設に入所、またはショートステイを利用した場合の居住費(滞在費)、食費、日常生活費は対象になりません。

※生活援助型配食サービス等の自己負担金額なども対象になりません。

2.高額介護サービス費の申請方法と注意点

*該当する方には、あなたがお住いの市区町村から申請書類が送られます。書類が送付される時期は、介護サービスの提供が始まった月の翌々月末頃です。

例えば、1月に利用した介護サービスに関する申請書類は、3月末頃に届きます。

*一度申請をすれば、それ以降は自動振り込みになります。ただし、申請内容が登録されるまでに時間がかかる場合もあります。

高額介護サービス費支給申請には期限があり、介護サービス開始から2年で請求権が消滅します。申請書が届いたら、早めの提出をお勧めします。

3.詳しくは、お住いの市区町村の介護保険課にお問い合わせください

または、国税庁の「5 高額介護(居宅支援)サービス費」をご一読ください  https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/010131/03/05.htm

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(Jill WellingtonによるPixabayからの画像)

税の仕組みは複雑で、用語も独特で分かりにくく、とてもやっかいです。それでも諦めないください。「医療費控除」や「おむつ使用証明書」などの制度は、政府があなたの苦労をいたわって税金を安くしています。賢く使いこなしましょうよ。「高額介護サービス費」なんて、2年で請求権が消えちゃいますから。申請をやり遂げて戻ってきたお金で、あなたがエステや温泉を楽しめるよう祈っています。

以上

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も条件を満たせば、税金の控除を受けられます!

特養の介護費や訪問リハビリの費用、毎日のオムツ代も決められた条件を満たせば、税金が安くなります!(StockSnapによるPixabayからの画像)

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