🚻【後編】認知症・寝たきりの便漏れ対策と「便失禁の治療ができる病院」一覧
📘 シリーズ「シニアの便トラブル徹底ガイド」
便秘や下痢に加え、便漏れ(便失禁)で悩むシニアが急増中。
この後編では、認知症による便漏れとフレイル・寝たきりによる便漏れの対策、
そして専門病院・ケア用品情報をわかりやすく紹介します。
1️⃣ 認知症による便失禁の症状と対策
介護現場では、認知症の方の約半数に便失禁が見られます。
まずは「どんなタイプの便失禁か」を理解しましょう。
💩 主なタイプ
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認知機能障害性便失禁:
トイレ以外の場所で排便してしまう(場所・行動の判断がつかない) -
溢流性便失禁:
直腸内に便がたまりすぎ、粘液や便汁が自然に漏れ出す
🧩 対策ポイント
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便意サインを観察して誘導
落ち着きがなくなる・不機嫌になるなどが便意のサイン。
食後30分後など、決まった時間にトイレ誘導を習慣化。 -
弄便(ろうべん)を防ぐ
排便後はできるだけ早くオムツを交換。
不快感や「処理したい」という気持ちが行動につながるため、
清潔・快適な環境を保ちましょう。
2️⃣ 軟便・便失禁のオムツ交換のコツ
オムツ交換は「準備・順序・清潔保持」がカギ。
🪄 段取り上手のコツ
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新しいオムツをあらかじめ広げておく
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ウエットティッシュやゴミ袋の口を開けておく
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手袋は重ね付け(途中で外しやすく衛生的)
🎥 わかりやすい解説動画
👀 ご自身に合う動画を見つけ、手順を映像で覚えると安心です。
3️⃣ 介護者の「心のケア」も忘れずに
排泄ケアは最も精神的負担が大きい介護の一つです。
無理を続けると「介護うつ」を発症することも。
⚠️ 介護うつの主な症状
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食欲不振・体重減少
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不眠・浅い眠り
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慢性的な疲労感・頭痛・倦怠感
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焦燥感・不安・神経過敏
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思考力の低下・無気力・自己否定感
💬 早めの相談が大切
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ケアマネジャーに相談(ショートステイ・訪問介護の利用調整)
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専門医療機関での受診
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家族・友人・地域の協力を頼る勇気を。
🫶 「がんばりすぎない介護」が、本人にも家族にも優しい道です。
4️⃣ フレイル・寝たきりの便失禁対策
寝たきりや活動量低下により腸の動き(蠕動運動)が低下し、
「糞便塞栓(ふんべんそくせん)」→「溢流性便失禁」を起こしやすくなります。
💡 主な原因
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運動不足・寝たきり
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腹圧の低下
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水分・食物繊維の不足
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薬の副作用(消化管運動抑制薬など)
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神経疾患(脳梗塞・パーキンソン病など)
🩺 改善・予防策
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定期的な排便誘導(時間を決めて行う)
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坐薬・浣腸による計画的排便
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便の硬さ調整+水分補給
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トイレ環境を整える(ポータブル便器・移動支援)
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運動・マッサージ・体位変換で腸を刺激
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皮膚ケア:陰部・臀部をやさしく清潔に保ち、撥水クリームで保護
5️⃣ 便漏れ対応パッド・オムツの選び方
「尿用」ではなく“軟便対応”を選ぶのがポイントです。
🧴 詳しくは「排泄障がいに合わせたおむつ選び」も参考に。
6️⃣ 便失禁の検査・治療ができる病院を探す
「恥ずかしい」「どこに相談すればいいのかわからない」――
そんなときは、専門病院のリストから探しましょう。
🔗 全国版:便失禁対応病院一覧
👉 おしりの健康.jp 病院検索ページ
地域別に、病院名・診療科・住所・電話番号・URLが掲載されています。
「肛門外科」や「大腸肛門病学会専門医」を目印に選びましょう。
まとめ
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便漏れは恥ずかしいことではなく、治療できる症状。
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認知症や寝たきりの方には原因に応じた介護方法を。
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家族が無理せず続けられるよう、専門医・ケアマネと連携を。
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心も体も少しずつ軽くなるように、一歩ずつ進めていきましょう。
以上










