冷凍しても美味しい茶わん蒸し&スクランブルエッグと、秋刀魚のやわらか煮&いわし梅煮の作り方
8月29日ブログで紹介した作り置きを冷凍して活用できる献立が、予想以上に好評でした。この暑さなので、冷凍保存が安心です。そこで、使い勝手の良い卵料理と作り置きすると便利な煮魚2種類の作り方と冷凍保存・解凍のポイントをお届けします。また、ご質問いただいた柿ゼリーの作り方も最後に紹介しています。
1.冷凍保存にも向く茶わん蒸しの作り方とポイント
【冷凍にも向く茶碗蒸しの作り方】
1.卵と出汁の割合
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卵:出汁= 1:3〜4
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卵1個(約50g)に対して、出汁150〜200mlが目安。
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出汁を多めにすると柔らかく口当たりが良くなり、シニアの方にも食べやすい。
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冷凍→解凍後も「す」が入りにくく、なめらかに戻りやすい。
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2.作り方のポイント
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卵を軽く溶き、泡立てないように出汁を加えて混ぜる。
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一度、茶こしやザルでこすと、なめらかな仕上がりになります。
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具材は 鶏肉、エビ、ほうれん草、しいたけなどがおすすめ。
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冷凍保存する場合は 銀杏・かまぼこ・長芋・豆腐は食感が変わるので避ける。
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蒸すときは弱火で15分ほど、すが入らないように。
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冷凍保存は 粗熱を取ってから小分けにラップ+密閉容器。
3.冷凍後の食べ方
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冷凍保存:2週間〜3週間
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食べるとき:電子レンジ(解凍モード)で半解凍 → 弱め600Wで1〜2分 → 出汁を少し足して温め直すと、ぷるんと戻る
むせやすい方なら、卵1個:出汁200ml のかなり柔らかめがオススメです。口当たりが良く、嚥下もしやすいと思います。
2.冷凍しても美味しいスクランブルエッグの作り方とポイント
1. 卵液の工夫
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卵だけだと水分が分離しやすい → 牛乳・生クリーム・チーズを加えると冷凍後もなめらか。
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卵2個に対して牛乳 大さじ1〜2 が目安。
2. 加熱の加減
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冷凍する場合は「半熟はNG」
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しっかり固まるまで火を通す(でも炒めすぎてカチカチにしない)。
3. 小分け冷凍
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1食分ずつシリコンカップやラップに包んで冷凍用袋へ。
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冷凍保存は 2〜3週間。
4. スクランブルエッグの解凍のコツ
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レンジ(ラップしたまま)
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600Wで30〜40秒 → 取り出して混ぜる → さらに10〜20秒追加
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加熱途中で一度止め、中身を混ぜるとダマになりにくい。
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自然解凍は不可(水分が分離してスカスカ食感になってしまう)。
5. アレンジして冷凍すれば、食感がアップ
単体のスクランブルエッグよりも、以下のように 具材と合わせて冷凍 すると美味しく解凍できます:
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スクランブルエッグ+ミックスベジタブル → 彩り良く、レンジ解凍でそのまま副菜に。
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スクランブルエッグ+ケチャップ+鶏肉(オムライスの具) → ご飯をあとで足して時短オムライス。
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スクランブルエッグ+ほうれん草+チーズ → 栄養バランスも良く、骨粗のしょう症やリハビリ中のシニアにもおすすめです。
6. 冷凍しても美味しいスクランブルエッグのポイント
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卵液に牛乳やチーズを混ぜれば、冷凍に向きます。
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半熟ではなく火を通してから冷凍します。
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解凍は、必ずレンジの途中で一度止めて、中身を混ぜます。
3.煮汁ごと冷凍すればふっくら美味しい秋刀魚のやわらか煮の作り方とポイント
【秋刀魚のやわらか煮の材料】(2~3人分)
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秋刀魚 … 2尾
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生姜 … 1かけ(薄切り)
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醤油 … 大さじ2
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みりん … 大さじ2
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酒 … 大さじ3
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砂糖 … 大さじ1
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水 … 200ml
【作り方】
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下処理
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秋刀魚は頭と尾を落とし、内臓を取って3~4等分に切る。
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熱湯をかけて臭みを抜き(湯通し)、冷水にとる。
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煮汁を作る
鍋に水・酒・生姜を入れて火にかける。沸いたら秋刀魚を並べ入れる。 -
骨までやわらかく煮る
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圧力鍋使用:15〜20分加圧 → 自然放置で骨まで柔らかくなる。
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普通の鍋:落とし蓋をして、弱火でコトコト2〜3時間。途中で水を足しながら煮る。
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煮汁は多めにして、魚が汁に浸る状態を保つと骨まで柔らかくなる。
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調味料を加えて仕上げ
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柔らかくなったら醤油・みりん・砂糖を加え、さらに30分ほど煮含める。
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骨が完全に柔らかければそのまま食べられる。
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シニアの方用に「完全に骨を取り除きたい」場合は、この時点でほぐしながら骨を抜くと安全。
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【冷凍保存について】
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冷凍可能(おすすめ保存方法)
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粗熱を取る。
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1食分ずつ汁ごと容器 or 冷凍パックに入れる。
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冷凍庫で約 2〜3週間保存可能。
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解凍方法
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冷蔵庫で自然解凍 → 鍋か電子レンジで温め直す。
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レンジ加熱だけだと身が固くなることがあるので、少し水や出汁を足して温め直すとふっくら。
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【冷凍しても美味しい秋刀魚のやわらか煮のポイント】
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圧力鍋を使うと骨までホロホロ、丸ごと食べられる → 栄養(カルシウム)も残る。
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シニアでむせやすい方なら、一度煮てから身をほぐし、骨を丁寧に除いて小分け冷凍が安心です。
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煮汁ごと冷凍するとパサつきを防げます。
4.骨ごと柔らか!いわしの梅煮の作り方とポイント
【材料(2人分)】
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いわし … 小ぶり4尾(頭・内臓を取る)
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水 … 150ml
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酒 … 大さじ2
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醤油 … 大さじ1.5
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砂糖 … 大さじ1
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梅干し … 1個(種を除いてちぎる)
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生姜 … 薄切り2〜3枚
【作り方】
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下処理
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いわしは頭と内臓を取って水洗い。
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大きければ2〜3つに筒切り。
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霜降り(臭みと皮崩れ防止)
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沸騰した湯をサッとかけるか、熱湯に10秒くぐらせて冷水にとる。
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煮汁を作る
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水150ml・酒大さじ2・醤油大さじ1.5・砂糖大さじ1・梅干し1個・生姜薄切りを鍋に入れ、煮立てる。
- 塩分は梅で補えるので、醤油は控えめに。
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いわしを並べて煮る
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皮を上にして並べ、落とし蓋をして弱火でコトコト。
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20分くらい煮たら火を止め、鍋にフタをしたまま30分以上放置して味を染み込ませる。
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再加熱して仕上げ
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再び弱火で10〜15分煮る。
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煮汁がとろりとして、骨を指で押してみて、ホロっと崩れるくらいなら完成。
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冷ましてから煮汁ごと冷凍保存すれば、約3週間はOK。作り置きして冷蔵の場合は、2〜3日まで。
- むせやすい方向けなら、汁気を多めに残して冷凍→解凍時に汁ごと温めると喉ごしも良くなります。
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【骨まで柔らかくするコツ】
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弱火で長めに → 一度に長く煮るより、煮て冷ます→再加熱を繰り返すと骨がより柔らかくなる。
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酸を効かせると骨が柔らかくなりやすいので、梅干しを2個に増やすか、少量の酢を加えてもOK。
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圧力鍋があれば、加圧10分で骨までホロホロ。
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皮がはがれにくくなる工夫
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いわしに 熱湯をサッとかけて霜降りしてから煮る
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最初は 強火でさっと表面を固めてから弱火に落とす
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筒切りに切って煮ても味はしっかり染みますし、食べやすくなります
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【冷凍の手順】
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煮汁ごと粗熱をとる。
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1食分ずつ小分けにする。
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ジップ袋や小さめタッパーに、いわし+煮汁(大さじ2~3くらい)を一緒に入れる。
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空気を抜いて冷凍(約3週間保存可能)。
【解凍・食べ方】
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冷蔵庫で自然解凍 → 食べる直前に電子レンジ or 小鍋で温める。
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汁ごと解凍すると、身がやわらかく保てます。
- 汁気を多めに残して冷凍→解凍時に汁ごと温めると喉ごしも良くなります。
5.硬い柿で作る柿ゼリーの作り方とポイント
先週お届けした献立の「柿ゼリー」の作り方についてご質問を頂きました。ありがとうございます。家に庄内柿ジュースがあったので、疑問を感じませんでした。申し訳ありません。今売られている硬い柿で作る柿ゼリーの作り方をお届けします。
【材料(2人分)】
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硬めの柿 … 1個(150〜180g程度)
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水 … 120ml
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砂糖 … 大さじ1〜2(柿の甘さに応じて)
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レモン汁 … 小さじ1/2(色止め&さっぱり風味)
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粉ゼラチン … 3g
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水(ゼラチンふやかし用) … 大さじ1
【作り方】
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ゼラチンをふやかす
粉ゼラチンを大さじ1の水に振り入れておく。 -
柿を小さめに切る
皮をむいて、薄切りにして小鍋に入れる。 -
柿を軽く煮る
水120mlと砂糖を加え、中火で3〜4分煮て柿をやわらかくする。
→ フォークでつぶせるくらいになればOK。 -
ピューレ状にする
ハンドブレンダーやフォークで潰してペースト状にする。 -
ゼラチンを溶かす
火を止めてから、ふやかしたゼラチンを加えてよく混ぜる。 -
仕上げ
レモン汁を加えて混ぜ、器に流して冷蔵庫で2〜3時間冷やし固める。
【ポイント】
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硬い柿は甘みが少ないので、砂糖はやや多めがおすすめ。
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煮ることで柔らかくなり、ゼリー全体がなめらかに仕上がります。
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甘みが足りなければ、食べる直前に蜂蜜やメープルシロップを少しかけるとおいしいです。
6.熟した柿で作る柿ゼリーの作り方とポイント
柿は水分が多く自然な甘みがあるので、ゼリーにすると優しい味わいになります。11月か12月頃に売られる熟した柿を使うと甘さが強く、とろける食感です。季節は早いですが、こちらも紹介しておきます。
【材料(4人分)】
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熟した柿 … 2個(正味約200g)
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水 … 200ml
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砂糖 … 大さじ2~3(柿の甘さに合わせて調整)
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レモン汁 … 小さじ1(風味と色止めに)
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粉ゼラチン … 5g
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水(ゼラチンふやかし用) … 大さじ2
【作り方】
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ゼラチンをふやかす
粉ゼラチンを大さじ2の水に振り入れ、ふやかしておく。 -
柿をピューレ状にする
柿の皮をむいて種を取り、ミキサーかハンドブレンダーでなめらかにする。 -
砂糖水を作る
小鍋に水200mlと砂糖を入れて温め、砂糖を溶かす。 -
ゼラチンを溶かす
火を止めてから、ふやかしたゼラチンを加え、余熱でよく溶かす。 -
柿と合わせる
溶かしたゼラチン液に柿ピューレとレモン汁を加え、よく混ぜる。 -
冷やし固める
器に流し入れ、冷蔵庫で2~3時間冷やし固める。
【アレンジ】
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柿を角切りにしてゼリー液に加えると、果肉入りで食感が楽しくなります。
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甘さ控えめにして、蜂蜜をかけていただいても◎。
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牛乳や豆乳を加えれば「柿ミルクゼリー」に。
以上です。
暑さ疲れから、体調を崩していらっしゃる方も多いようです。こんな時だからこそ、少しでも多く美味しくお食事を摂っていただければと思います。
「食べるは生きるだから」。
とても優しくていつも頼りになるヘルパーさんの口癖を、あなたに贈ります。
以上












