優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(forumkrakowによるPixabayからの画像)

「まさか、あの人が――」
DV事件のニュースを見て、そうつぶやいたことはありませんか。
優しくて人当たりのよい男性が、実は恋人や妻を支配していた。そんな現実が今、に日本中で起きています。
このブログでは、娘さんやお孫さんを守るために知っておきたい、DV男の見抜き方と“逃げる力”を、具体的にお伝えします。

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(manseok KimによるPixabayからの画像)

1.DV加害者(男性)の典型的特徴

DV加害者は「外では優しいのに、家では支配的」という二面性を持つことが多いです。以下は代表的なサインです。

外面と内面の差が大きい

・他人の前では親切でユーモラス。
・しかしパートナーには威圧的、攻撃的。
→ 周囲は「まさかDVなんて」と信じられない。

コントロール欲求が強い

・行動や交友関係、スマホの中身まで監視。
・「君のため」「愛してるから」と干渉を正当化。

嫉妬・独占欲が強い

・異性の友人だけでなく、家族関係にも嫉妬。
・「俺がいないとダメだろ」と依存を煽る。

感情の切り替えが極端

・些細なことで怒鳴る、物を壊す。
・直後に極端に優しくなる(=“ハネムーン期”)。

責任転嫁・被害者意識

・「お前が怒らせた」と暴力を正当化。
・社会や仕事の不満を理由にDVを繰り返す。

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(Annette MeyerによるPixabayからの画像)


2.繰り返されるDVのサイクル

DVは一度きりではなく、「緊張 → 暴力 → 優しさ(ハネムーン)」を繰り返す構造があります。
心理学者レノア・ウォーカーが1979年に提唱した代表的モデルです。

緊張形成期

加害者がイライラし、言葉が荒くなる。
被害者は「怒らせないように」と顔色をうかがう。

爆発期(暴力期)

暴言や暴力が起こる。
被害者は恐怖やショックを受け、抵抗できなくなる。

ハネムーン期(優しさの回復期)

暴力の直後、加害者が優しく謝る。
「本当に悪かった」「もう二度としない」と誓い、花やプレゼントを渡す。
→ 被害者は「変わってくれるかも」と希望を持つ。

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優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(AS PhotographyによるPixabayからの画像)


3.ハネムーン期が危険な理由

ハネムーン期は、愛情ではなく「支配を続けるための道具」です。

加害者は「信頼を取り戻す演技」をし、被害者は混乱します。
暴力の恐怖と優しさのギャップが“心のしばり”(トラウマ・ボンド)を生み、被害者は離れづらくなってしまうのです。

時間が経つと、このハネムーン期は短くなり、暴力の間隔がどんどん縮まります。
「やっぱり愛されている」と思っても、それは支配の一部。
――この時点で距離を取る勇気が、命を守ることにつながります。

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優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(PeggychoucairによるPixabayからの画像)


4.DV加害者に騙されやすい女性の特徴

誰でも騙される可能性がありますが、特に次の傾向が重なるとリスクが高くなります。

自己評価が低い

・「私なんて」「愛されないかも」と思い込む。
・加害者の「お前がいなきゃダメだ」に依存しやすい。

尽くしすぎる性格

・相手をなだめようと必死になり、「私が悪いから」と自己責任化してしまう。

家庭で暴力を見て育った

・怒鳴る・殴るを「愛情の一部」と誤認していることがある。

孤立しやすい

・友人や家族とのつながりが薄い。
・加害者が「俺以外はお前を理解しない」と孤立させる。

恋愛・結婚への焦り

・「この人を逃したら次はない」という不安で判断力が鈍る。

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(GuHyeok JeongによるPixabayからの画像)


5.騙されないためのチェックポイント

交際初期に以下のサインがないか観察してみてください。

束縛や過剰な嫉妬がないか
・「愛してるから」とプライバシーを侵害していないか
友人や家族を遠ざけようとしていないか
暴力や言葉の暴力を一度でも正当化していないか

どれか一つでも当てはまったら、「危険信号」です。
早い段階で距離を取ることが、最も確実な防衛になります。

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優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(Peter DotterweichによるPixabayからの画像)


6.DVから逃げるときの基本

もし「この人はDVかもしれない」と感じたら、まず安全を最優先に行動してください。

安全第一

暴力の恐れがある場合は、警察や専門機関にすぐ相談を。
DV加害者は執着が強く、逃げる時こそ最も危険です。

秘密の計画を立てる

・携帯、財布、保険証、通帳などを別に隠して準備。
・信頼できる人と「合図」や「緊急連絡法」を決めておく。

安全な避難先

公的シェルター:原則2週間、無料。
民間シェルター:1泊1,000〜1,500円、子ども500円前後。
(参考:「民間シェルターを利用するためには?」Spaceship Earth https://spaceshipearth.jp/private-shelter/

実家は心の支えになりますが、住所を知られている場合は危険です。

まずは「DV相談」や「女性相談支援センター」に相談の上、シェルターを確保したり、警察への避難を優先してください。

証拠を残す

暴力や脅迫の記録(写真・音声・メッセージ)は安全な場所に保管。
のちに警察や裁判で重要な証拠になります。

また民間シェルターに入居する時に、DV被害を証明する証拠が必要です。

追跡を防ぐ工夫

・SNSの位置情報をオフ。
・逃げ道を複数用意。
・携帯を一時的に預けるのも有効。

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優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(manseok KimによるPixabayからの画像)


7.相談・支援先(全国共通)

  • DV相談+(ぷらす)0120-279-889(24時間・365日)
     チャット相談https://soudanplus.jp/

  • 全国のDV相談ナビ#8008

  • 女性相談支援センター(全国共通)#8778(はなそう・なやみ)

  • 配偶者暴力相談支援センター一覧(PDF)
     https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/pdf/center.pdf

  • 警察(110)・交番でも一時避難が可能です。

    優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方

    優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(shell_ghostcageによるPixabayからの画像)


8.最後に

DVは「特別な誰かの話」ではなく、どんな家庭にも起こり得る問題です。
優しい言葉の裏にある支配や嫉妬に気づき、早めに距離を取ることが命を守る力になります。

「気づく力」と「つながる勇気」があれば、連鎖を断ち切ることはできます。
あなた自身も、あなたの大切な娘さんやお孫さんも、
「暴力のない愛」を安心して信じられる日々を送れるように――
心からお祈りしています。

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方

優しい顔のDV男にだまされないで ―娘や孫を守るために知っておきたい見抜き方(dae jeung kimによるPixabayからの画像)


参考文献
・立花直樹「日本におけるDV(パートナー間暴力)の現状と防止対策」関西学院大学
 https://kwansei.repo.nii.ac.jp/record/30345/files/4.pdf
・内閣府 男女共同参画局「DVの現状と全体像について」 https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/boryoku/siryo/pdf/dv01cm-k_02.pdf
・法務省「DV対策の今後の在り方」
 https://www.moj.go.jp/content/001347784.pdf

以上

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