第2弾|優しいDV男にだまされるな!デジタルDV・経済的支配から女性を守る最新対策
ブログ「優しいDV男にだまされるな」に大きな反響をいただきました。
本当にありがとうございます。
今回はその第2弾として「DV男から女性をさらに守るために加えたい最新のポイント」を、内閣府や警察庁、WHOなどの最新調査をもとにお伝えします。
1.暴力だけじゃない ― DV加害者の「支配ツール」
DVは、殴る・蹴るといった暴力だけではありません。
経済的支配やデジタル監視によって、被害者をコントロールするケースが増えています。
内閣府 男女共同参画局の2023年調査によると、
DV被害者の3人に1人が「経済的支配」や「デジタル監視」を受けていました。
(出典:内閣府「配偶者からの暴力に関する調査」2023)
主な“新型支配”の実例
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給与・通帳・キャッシュカードを取り上げる
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SNSやメールを常時監視する
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スマホの位置情報アプリで居場所を追跡
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家電(スマートスピーカー・監視カメラ)で在宅状況を把握
▶防衛策
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スマホの「共有位置情報」や「家族共有アカウント」を解除
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自分名義の口座を確保し、信頼できる家族に保管を依頼
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デバイスのパスワードを定期的に変更
2.急増する「デジタルDV」への対策
警察庁の2024年版「ストーカー・DV対策白書」では、
「スマホ追跡・盗聴アプリの悪用」が急増していると報告されています。
チェックすべきサイン
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スマホのバッテリーが異常に早く減る
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見覚えのないアプリが入っている
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「設定」>「アプリの権限」に不審なアクセス
▶対応策
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携帯ショップで「ストーカーウェア診断」を依頼
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新しい端末を契約し、古いスマホは電源を切る
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【通報窓口】警察庁 サイバー警察局の相談窓口に相談する https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/index.html
3.支援者が気づける「DV危険サイン」
DV被害者は孤立させられ、依存するようにしむけられるので、周囲の気づきが命を救います。
WHOと日本赤十字社の合同研究(2022)によると、
「近隣・家族による早期の声かけが、避難成功率を2倍に高める」とされています。
危険サインの例
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「携帯を監視されている」と訴える
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急に金銭的に困窮する
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ケガを「転んだ」「ぶつけた」と説明する
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会話中に頻繁に加害者を気にする
▶支援者の関わり方
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「あなたのせいじゃない」「心配してる」と非難せず伝える
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相談先(DV相談ナビ #8008など)をメモでそっと渡す
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「別れなさい」と急かさず、安全な避難計画を一緒に立てる
4.逃げた後も油断しない ― SNSによる「デジタル追跡」
避難後も、DV加害者がSNS経由で接触を試みるケースが急増中です。
特にFacebook、Instagram、LINEなど「つながり経由の再接触」が問題となっています。
▶防御策
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新アカウントを作る場合も、同じ顔写真を使わない
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投稿に「位置情報」や「時間」を入れない
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シェルター関係者もSNS上で被害者と“つながらない”
5.逃げた後の「心」と「現実」の回復を支える支援先
DV被害者の多くは、避難後にPTSDやフラッシュバックを経験します。
心のケアを怠ると、「トラウマ・ボンド(加害者への心理的依存)」が再燃する危険もあります。
さらに、離婚・転居・就労・子育てなど、現実的な課題も多くあります。
行政・法的・心理的なサポートを同時に受けることが大切です。
▶信頼できる支援情報
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NPO法人 女性ネットSaya-Saya
DV被害にあった女性と子どものための支援プログラム 凛(Ring)
生活支援・ステップハウス・同行支援 -
東京ウィメンズプラザ(東京都配偶者暴力相談支援センター)
📞03-5467-1721(毎日9:00~21:00/年末年始を除く) -
内閣府「DV相談+(プラス)」
📞0120-279-889(24時間受付)
💬チャット相談フォーム(12:00〜22:00)
📧プラス相談箱(メール相談・24時間受付)
6.最後に ― 「気づき」が命を救う
DV被害者は、長期間の暴力で「恐怖」と「無力感」を植えつけられ、
加害者への依存と罪悪感を抱えてしまうことがあります。
だからこそ、周囲の一言が支えになります。
「あなたのせいじゃない」「助けを求めていい」
――その一言が、DV被害者の人生を救います。
以上









