「お金がない、いっそ親と一緒に…」となる前に。介護費用を劇的に減らす公的支援と最終手段

お金がない時の介護費用を減らす公的支援と最終手段先々週、前橋市の河川敷で、82歳のお母さんを殺害したとして55歳の娘が逮捕されました。

高齢者施設からお母さんを連れ出し、「母親を殺して自分も死のうと思った」と供述しているそうです。

このような悲しい「介護心中」事件は、いま、日本で年間30〜40件も起きています。

原因は、単なる「介護の疲れ」だけではありません。

「この先、一体どうなってしまうんだろう」という将来への絶望。 そして、じわじわと首を絞める、経済的な困窮。

いくつもの困難が重なり、誰にも相談できないまま社会的に孤立した末に、限界を迎えてしまうのです。

明日は、我が身かもしれない

いま、画面の前で、張り詰めた糸が切れそうなまま立ち尽くしているあなたへ。

どうか、一人で抱え込まないでください。 あなたは、決して孤独ではありません。

お金がなくて限界を迎えたときに、あなたとお母さん、お父さんの命を守るための「具体的な解決ルート」を、分かりやすく丁寧にお伝えします。

落ち着いて、できるところから一緒に見ていきましょう。

1. もしも、あなた(介護者)の収入が途絶えてしまったら

親の介護のために仕事を辞めざるを得なかったり、ご自身の体調不良で収入がなくなったりした場合は、まず「あなた自身の生活」を立て直す公的制度を頼りましょう。

失業保険(雇用保険)の申請

【相談先:ハローワーク】 会社を辞めて離職票が手元に届いたら、すぐに手続きを行いましょう。受給を少しでも早めることが大切です。

家賃を国が補助してくれる「住居確保給付金」

【相談先:自治体の自立相談支援機関】 失業によって家賃の支払いが難しくなったとき、一定期間、自治体が代わりに家賃を支給してくれる心強い制度です。引っ越し費用の補助などもあるので、まずは役所に確認してみてください。

生活費を借りられる「総合支援資金」

【相談先:市区町村の社会福祉協議会】 生活が立て直せるまでの間、無利子、またはとても低い利子で生活費を借り入れることができる制度です。

2. デイサービスやヘルパーの費用が払えないとき

「これ以上払えないから、サービスを止めなきゃ…」 そう決めてしまう前に、まずは動いてみてください。

まずはケアマネジャーや事業所にすぐ相談

サービスの利用を止めてしまうと、あなたの負担が爆発してしまいます。支払いが厳しいことを伝えれば、支払期日を少し待ってくれたり、より負担の少ないケアプランへの変更を一緒に考えてくれます。

ケアマネさんや事業所に相談した上で、「支払いの負担を大幅に減らせる公的な制度」が使えないか、役所の高齢者福祉課などで確認してみましょう。

利用者負担の軽減制度(社会福祉法人等によるもの)

住民税が非課税の世帯など、経済的に困っている方を対象に、デイサービスや訪問介護の自己負担(1割分)や、食費・居住費を安くしてくれる制度です。

高額介護サービス費

1ヶ月に支払った介護サービスの自己負担額が、あなたの収入に応じた「上限額」を超えた場合、申請することで超えた分が後から払い戻されます。

介護保険料の減免

失業などで収入が著しく減ってしまった場合、毎月納める介護保険料そのものを安くしてもらえる場合があります。

3. 預けている「施設」の費用が払えないとき

施設の費用は大きな金額ですから、払えなくなるとパニックになりますよね。 でも、絶対にやってはいけないのは「何も言わずに放置すること」です。

すぐに施設の相談員さんに事情を話す

支払いが遅れそうだと分かった時点で、施設のケアマネジャーや生活相談員さんに正直に事情を話してください。 「失業して仕事を探している最中であること」を伝え、一時的な支払期限の延長や、分割払いができないかを交渉しましょう。

誠意を持って事情を共有すれば、施設側も強制退去を急ぐことなく、あなたの味方になって公的手段の利用方法などアドバイスをくれることが多いです。

親の年金や資産をもう一度、再確認する

これまで「あなたが持ち出しで負担していた分」が払えなくなった場合、親御さん自身の財産だけで賄えないか、もう一度チェックしてみましょう。

親の口座:

年金の正確な受給額や、過去の預貯金で数ヶ月〜数年分を補填できないか確認します。

実家の売却・処分:

もし親御さん名義の持ち家が空き家になっているなら、売却したり、家に住んだまま現金化する「リースバック」という方法で施設費用を作ることも検討できます。

4. 費用を劇的に抑える「世帯分離」の検討

もし、あなたと親御さんが住民票の上で「同じ世帯」になっているなら、「世帯分離」をして、親御さんを単独の世帯に分けることで、介護費用を劇的に下げられる可能性があります。

親御さんが単独世帯になり、「住民税非課税」として認められると、国から以下の減免が受けられます。

高額介護サービス費:

毎月の自己負担の上限額がガクンと下がります。

特定入所者介護サービス費(負担限度額認定):

施設での「食費」や「お部屋代(滞在費)」の基準そのものが引き下げられます。

※ただし、民間の有料老人ホームなどの場合、この制度が一部対象外になることもあります。事前に市区町村の「介護保険課」へ、我が家の場合はどうなるか確認してみましょう。

5. 最終的な解決策:「公的施設への転居」と「生活保護」

どうしても今の民間ホームの費用(月額15万〜25万円前後)が払い続けられないときの、命を守るための最終ルートです。

特別養護老人ホーム(特養)への転居を申し込む

公的な施設である「特養」は、入居一時金が不要で、月額費用も民間より大幅に安い(10万円前後)のが特徴です。親御さんが住民税非課税世帯であれば、先ほどの減免制度を使ってもっと安くなります。原則として「要介護3以上」の方が対象です。

親御さん自身の「生活保護」を申請する

親御さんの年金や貯金が底をつき、子供であるあなたも失業などで仕送りができない場合、親御さん単独で生活保護を申請することが可能です。 「親を生活保護にするなんて…」と罪悪感を抱く必要は一切ありません。命を守るための正当な権利です。

受給が認められれば、「介護扶助」や「医療扶助」によって、介護費用や医療費の自己負担は実質0円になります。 ※今の施設が生活保護に対応していない場合は、保護が使える別の施設へ転居することになります。

まとめ:支払いに困ったら、この2歩を。

1.絶対に放置せず、「ケアマネジャー」「事業所の窓口」「施設の生活相談員」へ状況を話し、分割などの交渉をする。

2.お住まいの地域の「地域包括支援センター」や「福祉事務所(生活保護・生活困窮者相談窓口)」へ出向いて相談する。

公的な相談員さんは、特養への転居手続きや、生活保護のシミュレーションなど、あなたと一緒に具体的な解決策をプロの目線で探してくれます。

介護だけでも本当に苦しいのに、そこにお金のプロブレムまで絡んでくると、目の前が真っ暗になってしまうお気持ち、痛いほどよく分かります。

でも、どうか絶望して手を離してしまう前に、役所や社会福祉協議会、ケアマネジャーを頼ってください。

あなたは、決して独りではありません。 あなたとお母さん・お父さんの命を守る手立ては、必ずあります。

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