大都市で被災したら支援は来ない?東京・大阪で『認知症家族と在宅避難』を生き抜く現実的処方箋

大都市の認知症家族在宅避難の処方箋熊本地震のニュースを見ていると、胸が締め付けられる思いがします。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

ニュースでは、民生委員さんや社会福祉協議会の方々が、自宅避難をされているお宅を一軒一軒訪ねる姿が映し出されていました。

でも、ふと思ったのです。

「もしこれが、東京や大阪のような大都市で起きたらどうなるんだろう?」

1. 大都市では「訪問支援」が届かない

南海トラフ巨大地震や首都直下地震が起きた場合、人口が密集する大都市圏で行政や民生委員さんがすべての自宅を回ることは、物理的に不可能です。

行政が把握できるのは、基本的に「指定避難所」に集まった方の人数だけ。

大都市では数万人単位の介護家族が、誰にも気づかれない「見えない避難者(在宅避難者)」になってしまうリスクがあります。

2. それでも認知症介護は「在宅避難」がベスト

「支援が来ないなら、無理をしてでも避難所へ行くべき?」

そう迷うかもしれませんが、認知症のご家族を介護されている方ならお分かりのはずです。

💡 避難所生活が認知症に与えるリスク

  • 大勢の人の目や環境の変化による強いストレス
  • 環境急変による「症状の悪化」や「せん妄」の誘発
  • 周囲への気兼ねによる、介護家族側の精神的限界

大きな揺れを経験し不安いっぱいの認知症のご家族にとって、「住み慣れた我が家で過ごすこと」自体が最大のケアになります。

だからこそ、私たちは「自宅を最強の避難所にする」覚悟と備えが必要なのです。

※もちろん、ご自宅に建物の倒壊、火災の延焼、大雨や津波による浸水のリスクが迫っている場合は、安全確保が最優先です。命を守るためにためらわず避難所や指定緊急避難場所へ移動してください。

3. 「見えない避難者」にならないための4つの行動

大都市で支援から孤立しないために、今日からできる4つの工夫をご紹介します

① 外から一目でわかる「SOSサイン」を決める

行政の訪問を待つのではなく、こちらから状態を発信しましょう

  • 基本のサイン:玄関ドアに「黄色いタオル(無事マーク)」を結ぶ

  • マンションの場合:中廊下等で玄関サインが見えにくいときは、1階の共有スペースを活用

    • 集合ポストに目印シールを貼る

    • エントランスの安否確認ボードを使う

② ケアマネさんと「発信型」の連絡ルールを作る

災害時は電話がつながりません。あらかじめメッセージの約束をしておきましょう

  • 使うツールSMS(ショートメッセージ)または「災害用伝言ダイヤル(171)

  • 送信メッセージ例:「〇〇です。在宅避難中・全員無事」

③ 「超・近隣(お隣・同じフロア)」と協力する

いざという時、最も頼りになるのはすぐ近くの友だちです

  • 「万が一の時は自宅で避難します」と事前に伝えておく

  • 普段から挨拶や一言声を掛け合える関係を作っておく

④ 「オンライン・電話診療」の準備をしておく

エレベーターが止まると通院が難しくなります。次の2ステップで備えましょう

  1. かかりつけ医へ確認

    「災害時に電話やオンラインで処方相談が可能か」を普段の受診時に聞いておく

  2. 民間の医療アプリを事前登録

    SOKUYAKUあかつきオンライン診療所などのアプリをインストールしたり、サイトに登録しておく

   ※スマホの停電対策として大容量モバイルバッテリーも備蓄。

4. 1ヶ月完全自己完結の備蓄リスト

大都市の高層階マンションでは、エレベーター停止に備えて「部屋から一歩も出ない」前提での備蓄が必要です

📦1ヶ月分常備したいケア用品・医薬品

【排泄】

  • 紙おむつ、パッド、おしりふき、おしり洗浄フォーム
  • 簡易トイレ(1〜1.5ヶ月分)

【清潔】

【薬】

  • お薬手帳の最新ページをスマホで撮影しておく
  • 薬手帳のコピー(紙)を防災ポーチに入れておく

【防臭】

【食料・水】

  • カセットコンロ & ガスボンベ
  • 発熱剤付き非常食
  • 飲料水・生活用水(雑用水)

👇 合わせて読みたい(8月21日ブログ)

介護家庭では、おしり洗浄やからだ拭きなど、飲料水以外の「生活用水」が大量に必要になります。

「うちの地域の断水リスクは?」「具体的に何をどれだけ備えればいい?」と思った方は、ぜひ先週のブログもあわせてお読みください。

🔗 水道管の耐震化は待てない?自宅介護家庭こそ知るべき『地盤リスク』と本当に必要な水の備え

⚠️ 高層階ならではの4つの注意点

  1. 下水管の安全確認まで水は流さない

    水が出ても、配管が破損していると階下へ汚水が漏れるトラブルになります。確認が出るまでは必ず非常用トイレを使いましょう

  2. 「電気が復旧=エレベーター復旧」ではない

    点検順番待ちで1ヶ月近く停止する可能性があります。水や食事を階段で運ぶのは不可能なため、室内で火・水を使わず食べられる備えが命綱です

  3. ゴミ捨てに行けない現実

    エレベーターが使えないと使用済みおむつが部屋に溜まります。強力な防臭袋(BOSなど)を必ず準備しておきましょう

  4. 長周期地震動による「家具転倒」と「車椅子の暴走」

    高層階は揺れが大きく、長く続きます。家具の固定はもちろん、「室内でも車椅子のブレーキ(ロック)を忘れない」ことが介護者のケガ防止にもつながります

まとめ:都市型介護防災は「完全自己完結 × 能動的発信」

いつ起きるかわからない巨大地震。
支援が来ない大都市だからこそ、「待つ避難」から「自分から発信する避難」へ意識を切り替えることが大切です。

まずは「お薬手帳の写真を撮る」「玄関周りの避難サインを考える」など、今日できる小さな一歩から始めてみませんか?

📌 最後に:在宅避難を支える「水」の準備を再確認!

在宅避難で一番の命綱となるのが「水」です。特に介護家庭では、おしり洗浄やからだ拭きなど、飲料水以外の「生活用水」が大量に必要になります

「うちの地域の断水リスクは?」「具体的に何をどれだけ備えればいい?」と思った方は、ぜひ先週のブログもあわせてお読みください

🔗 関連記事】自宅介護家庭こそ知るべき『地盤リスク』と本当に必要な水の備え

以上

👉Instagramはこちらから

Follow me!