その「ボケ」は、お酒のせいかも?増え続ける高齢者のアルコール依存症
新年早々、酒屋さんで見かけた光景に絶句しました。 よれよれのパジャマ姿でおしっこ臭い高齢男性が、お酒を買いに来ていたのです。
一見「認知症?」と思いましたが、店主曰く「いつものアル中のおじいさんだよ」とのこと。 実は今、こうした「高齢者のアルコール依存症」が深刻な社会問題になっています。
1. 最新データが示す「300万人の衝撃」
厚生労働省の最新調査(2025年9月発表)で、驚きの数字が明らかになりました。(「飲酒と生活習慣に関する調査」結果速報 https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001566498.pdf)
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依存症の疑いがある人:約304万人(過去1年間)
- アルコール依存症の疑い(生涯):約64.4万人
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「毎日飲む」割合が最も高い世代:
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男性:35歳以上
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女性:60歳以上
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特に女性の高齢層で飲酒頻度が高まっており、「隠れ依存症」のリスクが指摘されています。
2. なぜ高齢になって依存してしまうのか?
背景にあるのは、高齢期特有の「心の隙間」と「体の変化」です。
心の要因(喪失体験)
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定年退職: 役割を失い、時間を持て余す「ヒマ」が原因。
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孤立: 配偶者や友人との死別、独居の寂しさをお酒で埋める。
体の要因(酔いやすさ)
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加齢で体内の水分が減り、血中アルコール濃度が上がりやすくなる。
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肝臓の分解能力が落ち、「若い頃と同じ量」でも体へのダメージは数倍に。
3. 「老化」や「認知症」と勘違いしていませんか?
高齢者の依存症は、認知症と非常に見分けがつきにくいのが特徴です。
依存症に特有のサイン
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激しい感情: 急に怒り出す、暴言を吐く。
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身体の異変: 手の震え、フラフラしてよく転ぶ。
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作話(つくり話): 覚えていない空白の時間を、無意識に嘘で埋める。
認知症との大きな違い
最大の違いは、「お酒をやめれば回復する可能性がある」ことです。 アルコール性の認知機能低下は、断酒と適切な治療で劇的に改善するケースが少なくありません。
4. 家族ができること・やってはいけないこと
「親の酒癖」に悩む方が、今日から意識すべきポイントです。
〇 やるべきこと
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「病気」だと割り切る: 本人の意志の弱さではなく、脳の病気です。
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心配を伝える: 責めるのではなく「お父さんの体が心配」と伝えます。
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外に助けを求める: 保健所や地域包括支援センターに家族だけで相談に行く。
× やってはいけないこと(イネイブリング)
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尻拭いをする: 粗相の後片付けや、お酒を買い与えること。
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見守るふりをして監視する: 隠れて飲むようになり、事態が悪化します。
5. 解決への第一歩:治療と支援
「もう年だから治らない」と諦める必要はありません。実は、高齢者は若者よりも治療の成功率が高いというデータもあります。
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治療の基本は「断酒」: 減酒ではなく、きっぱり断つことが回復の近道です。
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窓口を利用する:
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精神保健福祉センター(依存症の専門相談)
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地域包括支援センター(介護との連携)
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自助グループ(断酒会など)(同じ悩みを持つ仲間との繋がり)
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高齢者の依存症は、家族だけで抱え込むと必ず共倒れしてしまいます。 「おかしいな?」と思ったら、まずは地域の相談窓口へ電話してみてください。
【今日のまとめ】 お酒を減らすのではなく、「専門家の力を借りて、家族の笑顔を取り戻す」。それが一番の親孝行かもしれません。
このブログが、お悩みの方の力になれば幸いです。
以上


