🌙【後編】認知症の昼夜逆転・不安症状をやわらげる|家庭で今日からできる実践ガイド
前編では専門医の受診先や、音楽療法・運動療法のエビデンスを紹介しました。
後編は 「家でできる具体策」 をわかりやすくまとめます。
(前編も合わせてどうぞ:サイト内検索で「認知症 昼夜逆転 前編」を入力)
1️⃣ 擬似的再現療法(SPT)で「不安」をなだめる
擬似的再現療法(Simulated Presence Therapy) は、家族の声・映像をあらかじめ録音しておき、混乱や不安が強いときに再生して安心感を与える方法です(*1, *2, *3)。
✅ こんな時に
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「(実家へ)帰らなきゃ」と夜中に歩き出す
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夕方〜夜に興奮・暴言が増える(夕暮れ症候群)
🎬 作り方(スマホでOK)
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家族の呼びかけを録画(30〜60秒×数パターン)
例)「お母さんは大切な家族です。今は夜なので、週末に一緒に実家へ行こうね」 -
落ち着くBGMを小さく(環境音やピアノ)
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繰り返し再生できる端末を寝室近くに常備
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効いたパターンを記録(日誌アプリ等)して“その人に合う言葉”を最適化
💡 ポイント:理屈で説得しない/「好き」「安心」「一緒に」など感情語を中心に。
📌 注意:SPTは論文上「効果に限界もある」とされていますが(*3)、無料で安全・深夜でも使えるなど家庭実装の利点が大きく、試す価値があります。
2️⃣ 家で続けやすい「昼夜逆転」対策:4つの柱
A. 🌞 朝の光を“毎日”浴びる(体内時計をリセット)
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朝30分の散歩、難しければカーテン全開で朝日を浴びる
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目的:視交叉上核(SCN=体内時計の中枢)を外界の光に同調させる(*4)
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ひとこと:認知症では光反応が鈍りやすいため“強め・長め”の朝光が有効
B. 🚶 日中の活動量アップ(夜の睡眠圧を高める)
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デイサービスを増やす/散歩・体操・趣味をルーティン化
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午前の自然光+軽い運動で体温リズムが整い、夜に眠りやすく
C. 🛏️ 寝室の「環境づくり」(温度・湿度・光・音・寝具)(*5–*8)
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温度:夏26℃以下/冬16℃以上 湿度:通年50〜60%
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寝床内:32〜34℃、湿度50%前後が理想(湯たんぽで冷え対策)
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光:就寝前は100〜200lx→就寝時は30lx以下・暖色/ブルーライトは回避
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音:図書館レベルの静けさ。耳栓・防音カーテン・ホワイトノイズも活用
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寝具:季節に合わせて吸放湿性/保温性が高いものを
D. 🌿 寝る前の「同じ順番」=ナイトルーティン(*9–*12)
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例: 足湯(就寝30〜60分前)→ハンドマッサージ→アロマ(ラベンダー少量)→消灯
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就寝・起床・食事の時刻を固定して、一日のリズムをブレさせない
📝 ワンポイント:“毎日同じ手順”が合図になり、体が自然に“眠りモード”へ。
3️⃣ 迷ったらこの順でチャレンジ(チェックリスト)
朝、光を30分以上
午前〜午後に散歩/体操(短時間でもOK、できれば毎日)
就寝2時間前から強い光・カフェイン・画面はオフ
寝室の温湿度と照度を見直す
SPT動画を2〜3種類つくって、効果を記録
4️⃣ 介護者が倒れる前に
夜間の徘徊や叫声は、家族の睡眠を直撃します。あなたの休息はケアの一部。
つらいときは、地域包括支援センター/かかりつけ医/認知症疾患医療センターに早めに相談を。
(前編の記事で受診先と制度リンクを紹介しています)
参考・補注(出典同一/表記簡略)
*1 Cochrane Library:Simulated presence therapy(2020)
*2 田中寛之ほか(2017)実践報告/作業療法 36巻2号
*3 BMJ Open(2016)SPTのシステマティックレビュー・プロトコル
*4 スイミンネット:視交叉上核(体内時計)
*5–*7 健康長寿ネット:快眠のための環境(温湿度・照度・色温度)
*8 Wikipedia:照度
*9 大正健康ナビ:就寝前ルーティン
*10 西宮回生病院:足浴のすすめ
*11 生活リハビリデイサービスりふり:ハンドマッサージ
*12 アロマと暮らす:睡眠時のアロマの選び方
この記事は一般的な情報提供です。症状が強い/急に増悪した場合は医療機関へご相談ください。
以上







