【2026年最新】春は認知症が進む?季節の変わり目に起きる「せん妄」の原因と見分け方
あれは、父が介護付き老人ホームに入居していた頃のことです。
ある夜中、突然暴れ出し、
家具のガラスで手を切る騒ぎになりました。
昨日まで普通に会話していたのに――。
確か、春の初めでした。
私はそのとき、
「認知症が一気に進んだのでは」と思いました。
でも、あとで知ったのです。
それは“せん妄”だったかもしれない、と。
1.せん妄(Delirium)とは?
せん妄(Delirium)とは、
急に現れる、一時的な意識や認知の混乱状態のことです。
とくに
・高齢者
・認知症のある方
に起きやすいとされています。
見た目が認知症の悪化にそっくりなため、
「急に進んだ?」
「もう元には戻らない?」
と家族が不安になることも少なくありません。
ですが、せん妄と認知症はまったく別のものです。
2.認知症とせん妄の違い
いちばん大きな違いは、「始まり方」です。
■ 認知症
・ゆっくり進む
・意識は基本的に安定
・長期的に続く
・原因は脳の変性
■ せん妄
・数時間〜数日で突然
・意識が変動する
・数時間〜数週間で改善することが多い
・脱水、感染、薬などが原因
せん妄は回復が期待できる状態です。
ただし、放置すると悪化し、入院が必要になることもあります。
▶ 参考
マイナビ看護師
https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/career_skillup/20241123-2175031
3.「春にせん妄が増える」は本当?
研究では、
せん妄に季節差がみられたという報告もあります。
一方で、
「統計的な明確な差はなかった」という研究もあります。
つまり、
春だけ必ず増える、と断言はできません。
▶ 参考
PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15374025/
ですが、春は――
・寒暖差が激しい
・生活リズムが変わる
・花粉症など体調不良が起きやすい
こうした要因が重なりやすい時期です。
体に負担がかかることで、
せん妄の引き金になる可能性は十分あります。
4.せん妄が起きやすい状況
せん妄は「季節」そのものより、
体のストレスが重なることで起こります。
主なきっかけ
✔ 脱水
✔ 発熱・感染症(尿路感染、肺炎など)
✔ 入院や引っ越しなど環境の変化
✔ 睡眠不足
✔ 薬の副作用
✔ 強い痛みやストレス
春は
🌦 気温差
🏠 生活変化
📅 花粉症
が加わり、
自律神経や睡眠リズムが乱れやすいのです。
5.認知症と間違えやすい症状
せん妄の特徴は「急激な変化」です。
🔹 昨日と別人のように混乱
🔹 時間や場所が分からなくなる
🔹 幻覚や妄想
🔹 昼夜逆転
🔹 ぼんやりしたり、逆に興奮したりする
「昨日は普通だったのに…」
この急な変化が最大のサインです。
6.認知症がある人は、なぜ起きやすい?
認知症があると、
脳の「予備力」が低下しています。
そのため、
少しの脱水
少しの発熱
でも、意識や認知が大きく揺らぐことがあります。
さらに、せん妄を繰り返すと
その後の認知機能低下に関連する可能性も指摘されています。
▶ 参考
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9415264
7.家族ができること
せん妄は
予防と早期発見が鍵です。
できることは、実はシンプルです。
✅ 水分をこまめにとる
✅ 規則正しい生活
✅ 日中は日光を浴びる
✅ 発熱・感染は早めに受診
✅ 薬の変更時は様子をよく観察
突然の混乱を見ると、
家族は本当に怖くなります。
けれど、
いちばん苦しいのは
ご本人かもしれません。
「いつもと違う」
その小さなサインを見逃さず、
医療機関に早めにつなぐこと。
それが、春を穏やかに乗り越える一歩になります。
以上

