高齢者虐待かな?と思ったら|家族介護の実例と地域包括支援センターへの相談ガイド【前編】
🌿― 地域包括支援センターに早めに相談しませんか(前編)―
🔎このシリーズについて
3月に公開した3部作のリライト版です。
家族介護に潜む「気づきにくい虐待」 を、
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前編:家族介護の中で起きる典型例
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中編:虐待に気づいた人の「気づきのサイン」
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後編:相談先・支援の受け方
の順に、スマホで読みやすい形で紹介します。
✔ 前編:家族の介護現場で起こりやすい“見えない虐待”
家の中で起きる高齢者虐待は、大事件ではなく、日常の延長線上で起きる「ありふれたこと」 です。
でも、そのまま放置すると、当事者はどんどん追い詰められてしまいます。
まずは、実際の家庭で起きた例から見ていきます。
1.母が父をひっぱたいてしまった理由
私の父はアルツハイマー型認知症。
デイサービスを利用しながら、母と二人暮らしでした。
父には 使用済みティッシュをポケットにしまう癖 があり、洗濯前に気付けなかった母は、何度も「洗濯物がティッシュまみれ」になる大惨事に遭っていました。
母は50代からリウマチを患い、いつも体のどこかが痛い状態。
そのため、怒りの沸点が非常に低く なっていました。
「何度言ったらわかるの!」
そう言って、父の頬を叩いてしまうことがありました。
しかし、母には虐待の自覚はありません。
母にとっては「夫婦喧嘩」「言うことを聞かない夫へのしつけ」だったのです。
さらに母自身も、ATM操作ができなくなったり、トイレの非常ボタンと水洗ボタンを間違えたりしていて、軽度認知障害が始まっていた可能性 もありました。
📌家族関係の中では、誰も「加害者」「被害者」だけではない
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痛みで余裕のない母
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理解や記憶が難しい父
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どうしていいかわからない私
全員が苦しく、誰も悪人ではありませんでした。
だからこそ、早めの相談が必要 なのです。
私は内緒でケアマネジャーに相談し、母のメンツを守りながら母をサポートしてもらえました。
「家族だけで抱える限界」に気づいた瞬間でした。
2.地域包括支援センターには守秘義務があります
「通報したら、相手にバレるのでは?」
という心配は不要です。
高齢者虐待防止法により、市区町村・地域包括支援センターには厳格な守秘義務があります。
例えばマンションの下の階で怒鳴り声が続いていて「大丈夫かな」と思って通報しても、
あなたが通報したことは本人にも家族にも絶対にわかりません。
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情報は外部に漏れない
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相談記録は厳重管理
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相談者を特定できる内容は一切伝えない
安心して相談できます。
3.虐待対応事例から“よくあるケース”を紹介
家族介護で起きる虐待は、
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長年の家族関係
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親子の確執
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経済事情
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依存関係
などが複雑に絡み合っています。
ここでは、よくある実例のひとつを紹介します。
● 80代女性Aさんの場合(介護放棄・放任)
(※神奈川県・青森県などの事例集より要約)
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Aさん:80代、1人暮らし
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娘3人は県外・市内にいても忙しく訪問なし
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認知症の疑いがある状態
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自宅は不衛生で、近隣から火事・ネズミの苦情
Aさんはゴミ出しの曜日を間違えたり、入浴できない状態が続き、住環境は悪化。
しかし娘たちは「母は言うことを聞かない」「好きにさせてください」と突き放していました。
📌ケアマネジャーの粘り強い働きかけ
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娘たちへのこまめな連絡
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重要情報は手紙でも送付
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Aさん本人には民生委員と訪問継続
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配食サービスの導入に成功
その結果、3姉妹が初めて協力し合い、Aさんはグループホームへ入所。
安全な生活を取り戻しました。
ここにも、「家族には虐待の自覚がない」 という特徴があります。
4.家族介護の虐待は“10倍以上”多い現実
厚労省調査では、
家族・親族からの虐待は、施設職員による虐待の10倍以上 とされています。
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養護者による虐待:17,100件
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施設職員による虐待:1,123件
(令和5年度)*補注*1
家庭内は外部の目が届きにくく、
異変に気づけるのは、
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ご近所の方
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配達員
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美容師
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親戚
など、生活の周辺にいる人たちのことが多いのです。
5.何か「おかしい」と感じたら、相談してください
家族間の問題は、
感情のもつれ、恨み、介護疲れ、金銭問題 が絡み合い、
家族だけでは解決できません。
だからこそ、
専門家チーム(地域包括支援センター、市区町村窓口)に早めに相談することが、当事者全員を救う第一歩です。
👉 次回予告
中編(3月21日版)
「家族介護の4つの実例から学ぶ支援の受け方 」
後編 (3月28日版)「高齢者虐待のサイン12チェック」
をお届けします。
以上
補注
*1:「令和5年度 高齢者虐待対応状況」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_48003.html
参考資料
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厚生労働省「高齢者虐待対応 国マニュアル」
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神奈川県「養護者による高齢者虐待対応事例集」
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栃木県「高齢者虐待対応マニュアル」
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青森県「高齢者虐待対応事例集(改訂版)」
以上







