認知症の家族が行方不明になったときの探し方7ステップ|警察・SOSネット・水辺の確認まで

📝 前編はこちら
👉 認知症の行方不明を防ぐ8つの予防策

万が一、あなたの認知症のご家族が行方不明になった場合の対処方法を紹介します!

(Petr Ganaj/Pixabay)

認知症があるシニアが行方不明になる件数は、2023年度に過去最多の1万9,039人
今年は2万人を超える可能性もあります(*1)。

前回の記事では「行方不明を防ぐ予防策」を紹介しました。
今回は、万が一 行方不明になったときに、すぐできる対処法をまとめます。


1.まずは警察にすぐ届け出る

万が一、あなたの認知症のご家族が行方不明になった場合の対処方法を紹介します!

(Kanenori/Pixabay)

行方不明時は、家族が自力で探す前に、即・警察へ

調査(*2)によると、発見者は

  • 一般市民 39.9%

  • 警察 25.9%
    で、家族が見つけたのはたった 8.9%

発見までの平均時間は6.6時間ですが、別研究(*3)では
9時間を過ぎると発見率が下がることがわかっています。

警察に提出するために、事前に準備しておくとよい情報

  • 写真

  • 当日の服装や持ち物

  • 身長・体重・特徴

これらが揃っていると捜索が早く進みます。


2.地域包括支援センターや市区町村に相談する

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(LiMa74/Pixabay)

 

自治体によっては、
**「徘徊SOSネットワーク」**が整備されています。

これは、行方不明者の情報を
行政・警察・地域住民で共有し、
すぐに捜索を開始する仕組みです。

登録していない場合は、警察へ提出した①〜③の情報が役立ちます。

もしネットワークが無くても、防災無線で住民に呼びかけてもらえることがあります。

一般市民の発見割合が最も高いため、
情報が広く伝わることは大きな力になります。


3.町内会・民生委員・よく行く店にも協力を依頼

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(kkw0812/Pixabay)

「9時間」を過ぎると発見率が低下し、
行方不明が5日を超えると生存率は0%(*3)。

とにかく 早く知らせ、早く探し始めることが重要です。

  • 町内会・自治会

  • 民生委員

  • よく行くコンビニ、スーパー

  • 駅の改札、交番
    など、多くの人の目がある場所へ協力を依頼しましょう。

年齢別の発見までの平均時間(*3)

  • 85歳以上:12.0時間

  • 75~84歳:13.3時間

  • 65~74歳:16.5時間(最も遅い)

比較的若く体力があるほど遠くへ行きやすく、見つかりにくいことがわかります。

自転車・車・公共交通機関の利用も想定して探すと発見につながります(*2)。


4.行動パターンから、行きそうな場所を絞る

万が一、あなたの認知症のご家族が行方不明になった場合の対処方法を紹介します!

(Schorsch/Pixabay)

認知症の徘徊は「無意味な歩行」ではありません。
大きく 2つのタイプがあります。

●タイプA:迷子型

  • 方向感覚(見当識)が低下

  • 同じ場所をぐるぐる回ることも

●タイプB:時空迷子型

  • 昔の自分に戻り、当時の行動を再現しようとする

    • 会社に行こうとする

    • 子どもを迎えに行くと言う など

時空迷子は、いつの時代に戻っているかで行き先が変わるため、捜索が難しくなります。

思い当たる場所をリストアップ

  • 生まれ育った家・昔住んでいた家

  • 若い頃の勤務先

  • 子どもが通っていた学校

  • 以前耕していた畑や田んぼ

  • よく行っていた公園や散歩ルート


5.2度目の行方不明なら、前回の発見地点を最優先で探す

万が一、あなたの認知症のご家族が行方不明になった場合の対処方法を紹介します!

(shell_ghostcage/Pixabay)

徘徊は繰り返しやすい症状です。
2回目なら、前回の場所の近くや同じルートを探すのが効果的。

愛知県警のデータ(*2)では、
名前・住所を言えなかった人が約3分の2

いつもの景色が「初めての場所」に見え、
不安で動けなくなっている可能性もあります。


6.発見場所の22%は、普段の範囲より遠い市町村内

万が一、あなたの認知症のご家族が行方不明になった場合の対処方法を紹介します!

(Thomas Becker/Pixabay)

発見場所の分布(*2)は以下の通りです。

  • 普段より遠い市町村内:22%

  • 県内でさらに遠方:21.1%

  • 普段の移動範囲より遠い:15.9%

  • 自宅付近:11.4%

  • 県外:2.4%

想像以上に遠くまで歩いているケースが多く、
事故や転落などのリスクも高まります。


7.必ず水辺を早めに確認する             

万が一、あなたの認知症のご家族が行方不明になった場合の対処方法を紹介します!

(osa2/Pixabay)

死亡発見例の50%が水辺(河川・用水路・ため池など)(*2)。

行方不明時は、
水場 → 田畑 → 公園・空き地 → 山林 → 線路
の順で早めに確認してください。


8.事前対策が命を守る ― GPS・QRコードの活用を

万が一、あなたの認知症のご家族が行方不明になった場合の対処方法を紹介します!

(Ingeborg/Pixabay)

行方不明になった後は、できることが限られます。
だからこそ 事前の備えが命を守る最重要ポイント

  • GPS機器(*4)

  • 見守りシール(*5)

  • QRコードの伝言板システム(*6)

これらを衣類・靴・持ち物に貼るだけで、
発見までの時間を大幅に短縮できます。

特にQRコードは
持病や服薬情報も伝えられるため、
低血糖や薬切れなどの事故も防げる可能性があります。

春(3~5月)は行方不明が最も多い季節

特に午後〜夕方にかけて発生しやすいため、
気を付けながら、美しい春の時間をお過ごしください。

万が一、あなたの認知症のご家族が行方不明になった場合の対処方法を紹介します!

(Nicky/Pixabay)

補注

*1:「令和5年における行方不明者の状況」警察庁生活安全局人身安全・少年課 令和6年7月 https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/R05yukuefumeisha.pdf

*2:愛知県国立長寿医療研究センター「認知症高齢者の徘徊対応マニュアル」(認知症高齢者の徘徊対応マニュアル改訂版(自治体向け)https://www.pref.aichi.jp/soshiki/chiikihoukatu/ninchisho-pamphlet.html

*3:桜美林大学老年学総合研究所「認知症高齢者の徘徊・行方不明・死亡に関する研究」JSSP学会誌 学会講演集 https://plaza.umin.ac.jp/~safeprom/pdf/JssP10(1)SuzukiPaper.pdf

*4: GPS:らくらくホンやスマートフォンなどのGPS機能を使って、ご家族をはじめ大切な方の居場所を検索するサービス。 徘徊防止GPSで検索するといろいろな商品がでてきます。

*5:「見守りシール:行方不明になった認知症の方が早期にご自宅に戻れるよう、横浜市では、個人情報を守りながら身元を特定できる「見守りシール」を配布しています。」https://www.city.yokohama.lg.jp/kenko-iryo-fukushi/fukushi-kaigo/koreisha-kaigo/ninchisyo/ninchisyo-sodan/sos.html

*6:QRコード:「どこシル伝言板」というQRコードを使った身元照会システム。この伝言板では、ラベルやシールに表示されたQRコードをスマホなどで読み取ってネット上の専用伝言板にアクセスし、そこで家族とやり取りができる仕組みになっている。QRコードを身に着けている本人の個人情報はいっさい開示されないが、「耳が遠い」、「糖尿病」といった症状は見ることができる。 

「徘徊高齢者 QRコード」で検索すると、いろいろな商品が出てきます。

以上

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