認知症の興奮・暴力に「抑肝散」が効いた実例 | 介護の不安を解消する漢方薬

🏥 救急搬送後の大暴れがピタッと治まった!認知症の興奮・暴力に「漢方薬」が効いた実例

「認知症の治療はもう手がない」と諦めていませんか? 介護に疲れてしまったあなたへ。実は、心臓病で入院し、大暴れして治療を拒否した患者さんが、ある漢方薬で劇的に落ち着き、無事に退院できた実話をご紹介します。

キーメッセージ: 漢方と西洋薬の併用を得意とする医師は少ないですが、適切な治療に出会えれば、患者さんの症状は改善し、あなたの介護も必ず楽になります。

😱 命に関わる緊急事態!心不全で入院したPさんの異変

今回ご紹介するのは、88歳の女性Pさんの事例です。

Pさんは、持病の慢性心不全(心臓の働きが弱くなる病気)が急に悪化し、救急車で入院することになりました。

入院後、認知症の症状が「大暴れ」に

ただでさえ重い心臓病に加え、Pさんはアルツハイマー型認知症を患っていました。

新しい環境(病院)に入ったストレスから、認知症のBPSD(周辺症状)が爆発してしまいます。

  • 点滴の管を自分で引き抜く!

  • 酸素マスクを外して暴れる!

  • 治療を激しく拒否!

救命のための治療を妨害するような行為が続き、医療スタッフも手を焼く、まさに命に関わる危機的な状況でした。


Gemini_救急治療室で、点滴の管を自分で引き抜き、酸素マスクを外して大暴れしている80代後半の女性を必死に助けようとしている医者や看護師たちのイメージ写真

Gemini_救急治療室で、酸素マスクを外して大暴れしている80代後半の女性を必死に助けようとしている医者や看護師たちのイメージ写真

🧐 暴れる原因はどこに?漢方専門医による「体質」の分析

西洋医学的な治療(心不全の薬など)を進めつつ、Pさんの担当医は、漢方医学の視点も取り入れました。

漢方では、単なる病名(認知症、心不全)だけでなく、患者さんの体全体のバランス体質を見て治療法を決めます。

Pさんの漢方医学的な「不調のサイン」

Pさんの体を細かく診察すると、暴れたり興奮したりする原因となる様々なサインが見つかりました。

サイン(症状) 漢方での解釈(一言で) 体の具体的な状態
イライラ、まぶたのピクピク 肝(かん)」の乱れ ストレスや自律神経の乱れで、気が高ぶっている状態。
胸や脇腹の張り 胸脇苦満 ストレスや炎症で、気の流れが詰まっている状態。
お腹の筋肉が硬い 腹皮攣急 緊張しすぎて、体がガチガチになっている状態。
脈が弓の弦のように細く緊張 弦脈(げんみゃく) ストレスや気の滞りが強い証拠。

Pさんの状態は、漢方でいう「裏熱虚証」(裏証:病が体深部や内臓に、熱証:興奮・炎症性の症状、虚証:体力が弱っている)と判断されました。(👉補注:*2)

簡単に言えば、「体力が落ちていて心臓は弱っているのに、精神的なストレスで気が上向きに暴走している」状態だったのです。(👉補注:*3, *4)


Gemini_漢方薬治療について専門医から説明を受けている家族のイメージ写真

Gemini_漢方薬治療について専門医から説明を受けている家族のイメージ写真

🌟 劇的な効果!たった一晩で落ち着いたPさんを救った漢方薬

この漢方医学的な診断に基づき、Pさんに処方されたのが「抑肝散(よくかんさん)」という漢方薬です。(👉補注:*5)

「抑肝散」は、その名の通り「高ぶった感情(肝)」を「抑える」作用があり、認知症の興奮や不眠に対して使われることが多い薬です。

漢方薬を飲んだ直後から変化が

  1. 漢方薬を服用したその夜から、興奮状態がピタッとおさまり、静かに!

  2. 暴れることがなくなったため、点滴や酸素吸入などの西洋医学的な治療がスムーズに行えるように!

  3. 命を脅かしていた心不全の症状も劇的に改善し、Pさんは無事に快復・退院されました。

専門医の解説:「抑肝散」が効いた理由

この症例を報告した医師は、「抑肝散は、高ぶった気を鎮めると同時に、全身の気や血の巡りを改善する多面的な作用がある」と考察しています。

「暴れる原因(高ぶった気)」を根本から抑え、「心身の状態(自律神経)」を整えるという、漢方薬の複合的な力が、Pさんの命を救い、心不全の治療を成功に導いたのです。

👩‍🦱 介護に悩むあなたへ:諦めないでください

Pさんの事例のように、西洋医学だけでは難しかった症状でも、漢方薬の力で劇的に改善するケースは存在します。症状が改善すれば、患者さん本人の苦痛が減り、介護しているあなた自身の負担も軽くなります。

しかし、課題もあります。

心不全や糖尿病などの持病も深く理解し、その上で漢方薬も最新の西洋薬も処方できる「認知症専門医」は、残念ながらまだ多くありません。

📌 あなたの地域で「漢方×認知症」の専門家を探すには?

諦める必要はありません。 適切な専門家を探すことが、穏やかな介護生活への第一歩です。

以下の機関が、専門家探しの糸口になります。

ぜひ、「漢方」と「認知症」の両方に精通した医師を検索し、相談してみてください。

🔗 【認知症と漢方薬シリーズ:専門医の症例解説】

  1. 救急搬送後の大暴れがピタッと治まった「抑肝散」の実例

  2. 寝たきり、食欲不振…認知症の「無気力」を治した「補中益気湯」の実例

  3. 昼夜逆転、冷蔵庫を空にする過食・・・認知症と糖尿病の悪循環を断った漢方薬の実例

📚 補注:知っておきたい専門用語

本文で簡略化した専門用語について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

  • *1:心拡大(しんかくだい):心臓の収縮力が低下し、心臓の部屋が徐々に大きくなった状態です。

  • *2:八綱分類(はっこうぶんるい):漢方医学で体質と症状を分類する定義。Pさんは「裏証(内臓など体の深部)+熱証(興奮・炎症)+虚証(体力低下)」と判断されました。

  • *3, *4:気滞・肝鬱化火(きたい・かんうつかか):体内のエネルギー「気」の流れが滞り(気滞)、精神的なストレスが原因でそれが熱(火)に変わって高ぶりすぎた状態。興奮、暴力などBPSDの原因と考えられます。

  • *5:抑肝散(よくかんさん):神経が高ぶり、怒りやすい、イライラなどがある方の不眠症、神経症、小児の夜泣きなどに使われる代表的な漢方薬です。

【出典・謝辞】

本記事は以下の症例報告に基づき作成しました。

玉野雅裕先生をはじめこの研究に携わった先生方、ご協力なさった患者さんや職員の皆さま等全ての皆様に感謝するとともに、漢方薬がシニアの健康長寿によりいっそう役立つよう、先生方の益々のご活躍・ご発展を祈念します。

以上

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