超簡単な認知症ガイド!発症から平均余命までをわかりやすく解説【前編】

📘 **超簡単な認知症ガイダンス・3部作**

▶ 前編:認知症の平均余命と進行スピードをやさしく解説
https://kizuna-iyashi.com/2024/05/10/homemade-270/

▶ 中編:中核症状とBPSDの違いをわかりやすく紹介
https://kizuna-iyashi.com/2024/05/17/homemade-271/

▶ 後編:4種類の認知症の特徴と「天からのギフト」という視点
https://kizuna-iyashi.com/2024/05/24/homemade-272/

超簡単な認知症ガイダンス!認知症の平均余命と主な症状をざっくりと紹介します。(前編)

(Jamie Nakamura/Pixabay)

高齢になると誰でも物忘れは増えますが、脳の細胞が病気によって早く失われてしまうと「認知症」になります。
ただ、老化による物忘れと認知症の境目がわかりにくいため、転倒・迷子・事故などのトラブルをきっかけに気づく方も少なくありません。

はじめて介護に触れる方向けに、
認知症の基本を“シンプルに”3回シリーズで解説します。
この前編では、認知症の発症年齢・平均余命・初期症状のめやすをまとめます。


1.認知症になりやすい年齢と平均余命

認知症は年齢とともに発症率が高くなります。

主な発症率のめやす

  • 65歳以上:16%前後

  • 80代後半:男性35%/女性44%

  • 95歳以上:男性51%/女性84% ★補注1

  • 糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病がある方はリスクが上昇 ★補注2

  • 難聴や歯周病も発症リスクと関連 ★補注3・4

平均余命のめやす(65歳以上で発症した場合)

  • 個人差が大きいが、ゆっくり進行することが多い

  • 発症から平均10年前後で最期を迎えることが多い ★補注5

  • 糖尿病・高血圧などを持つ場合は進行が早まることも


2.「若年性認知症」は別の病気として理解を

65歳未満で発症する若年性認知症は、年齢・進行スピードが異なります。

  • 発症年齢の平均:約51歳

  • 男女比:男性にやや多い

  • 平均余命:

    • 行動障害型…6~9年

    • 意味性失語型…約12年 ★補注6

※ このシリーズで扱うのは 65歳以上で発症する “老年性認知症” です。
若年性が疑われる場合はこちら:


3.認知症の進行段階は4つ

認知症は大きく 「MCI → 初期 → 中期 → 末期」 の流れで進行します。
ここでは、初期症状までを簡単に紹介します。


◆ ① 軽度認知障害(MCI)

“年齢相応の物忘れ”より少し気になる状態です。
生活は自立できますが、家族が「前より変だな?」と気づきやすい段階です。

よく見られるサイン

  • 予定や約束を忘れやすい

  • 同じ質問をくり返す

  • 時間の感覚がズレる

  • 財布や鍵の置き場所をよく間違える

MCIは「戻れる」段階

  • 食事・運動・生活習慣を整えることで、16〜41%が1年で正常に戻る

  • 何もしないと、10〜15%は1年以内に認知症へ進行 ★補注8

【参考】家族の会がまとめた「認知症のめやす」
https://www.alzheimer.or.jp/?page_id=2196


◆ ② 初期

“新しいこと”を覚えにくくなり、日常生活の小さなミスが増える時期です。

よく見られるサイン

  • 日付・曜日・予定を忘れる

  • 鍵・財布・眼鏡などの置忘れが増える

  • 同じ話をくり返す

  • ゴミ出しや薬の管理が難しくなる

  • 判断力が落ち、悪質商法に引っかかりやすくなる(詐欺・高額商品など)

家族が注意したいポイント

  • 「見当識」が少し弱まり、迷いやすくなる ★補注10

  • 本人も「自分はおかしい」と気づきはじめ、不安や怒りが強くなることも

  • 性格が強く出やすくなり、
     例:不安が強い人はさらに不安に/他責型の人は家族を責めやすくなる


◆ ③ 中期(ここでは概要のみ)

※ 詳細は中編で説明します。

  • 思考力・判断力が大きく低下

  • トイレの場所がわからなくなる

  • 料理・着替え・計算などが難しくなる

  • 徘徊、妄想、興奮などの**行動・心理症状(BPSD)**が出やすい ★補注11

  • 介護負担が最も大きくなる時期


◆ ④ 末期(前半~後半)

※ 詳細は後編で説明します。

  • 会話がむずかしくなり、体の機能が弱ってくる

  • 食事量が減り、感染症のリスクが上昇

  • やがて寝たきりに近づく

  • 最期が近づくと反応が乏しくなることも


次回(中編)について

中編では、認知症の「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」の違いと、時期ごとに出やすい症状をわかりやすく整理します。


補注

補注1:「認知症の有病率」東京都健康長寿医療センター研究所
https://www.tmghig.jp/research/topics/201703-3382/

補注2:「生活習慣病と認知症」日本内科学会雑誌
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/108/4/108_701/_pdf

補注3:「難聴と認知症の関連について」東京逓信病院
https://www.hospital.japanpost.jp/tokyo/shinryo/jibi/hearingaid.html

補注4:「歯周病と認知症」国立長寿医療研究センター
https://www.ncgg.go.jp/ri/labo/19.html

補注5:「認知症患者の寿命(余命)」朝日生命
https://anshinkaigo.asahi-life.co.jp/activity/ninchisho/column15/

補注6:「若年性認知症とは」三重大学医学部
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000738957.pdf

補注8:「軽度認知障害について」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/kibou_00007.html

補注10:「見当識障害」介護保険施設等運営指導マニュアル
https://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/8994_206382_misc.pdf

補注11:「行動・心理症状(BPSD)」社会医療法人甲友会
https://www.nk-hospital.or.jp/friends/191206/

超簡単な認知症ガイダンス!認知症の平均余命と主な症状をざっくりと紹介します。(前編)

(Takuyo/Pixabay)

以上

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