特養の費用・訪問リハビリ・オムツ代も控除に!介護で使える税金控除をやさしく解説【確定申告】
介護の費用、申告すれば戻ってくることがあります
特養の費用、訪問リハビリ、毎日のオムツ代も「条件を満たせば」税金が安くなります。
今年も確定申告の時期が近づいてきました。
令和6年分の申告受付は 2月17日〜3月17日。
介護にかかるお金の中には、申告すれば税金が安くなるもの がいくつもあります。
難しそうに見えますが、知っているだけで負担が大きく変わる制度ばかりです。
まずは「何が対象なのか?」をやさしく整理します。
1.まず確認!「障害者控除」で税金が安くなる人とは?
特養入所、訪問リハビリ、認知症の介護などで
毎月の費用が大きくなっているご家庭は、まずここをチェック。
身体障害者手帳がなくても、以下の2つがあれば「障害者控除」の対象になることがあります。
▼障害者控除の対象(条件)
-
65歳以上
-
認知症や寝たきり等で、主治医意見書の“日常生活自立度”が基準を満たす
-
市区町村から「障害者控除対象者認定書」を発行された方
この制度を使うと、所得税・住民税の課税される金額が減り、結果として税金が安くなります。
① 認定される自立度ランク(基準)
厚労省の基準では、以下のランクが対象になります。
▼認知症高齢者の日常生活自立度(対象ランク)
-
Ⅲa・Ⅲb(中度)
-
Ⅳ・M(重度)
▼障害高齢者の日常生活自立度(対象ランク)
-
B1・B2(中度)
-
C1・C2(重度)
ランクの意味は以下(※補注で専門的定義にリンクを残しています)。
例:Ⅲa=日中の症状で生活に支障、Ⅳ=介護が常に必要、M=専門医療が必要、など
②「障害者控除」とは?
税金計算の際に「所得」から差し引ける金額のことで、次のように大きな差があります。
▼控除額(所得税)
-
障害者控除:27万円
-
特別障害者控除:40万円
-
同居特別障害者控除:75万円
※住民税の控除額は自治体により異なります。
③ まずやること
あなたのお住まいの市区町村から届く
「障害者控除対象者認定書」 を確認してください。
届いていない場合は
介護保険課(介護認定係) に相談すれば発行してもらえる可能性があります。
また、主治医意見書が基準に満たない場合でも、
医師の診断書で認定されるケースもあり ます。
2.特養や老健に支払った費用は「医療費控除」になる場合があります
介護施設の費用はすべて医療費控除になるわけではありません。
でも、“看護・医学的管理”に相当する部分は控除対象になる と国税庁が明確に定めています。
施設によって控除できる金額が異なるため、わかりやすく整理します。
▼対象となる介護施設と控除額の目安
① 特別養護老人ホーム(特養)
-
対象:介護費・食費・居住費の 1/2(半額)
-
根拠:看護・医学的管理に相当する部分として扱われるため
② 介護老人保健施設(老健)
-
対象:全額(1/1)
-
理由:医療系サービスが充実している施設のため
③ 介護療養型医療施設・介護医療院
-
対象:全額
※ 理美容代・日常生活費・特別サービス費用は対象外
※ 領収証に「医療費控除対象額」が記載されていることが多いので要確認
※ 高額介護サービス費がある場合は差し引いて計算します
3.在宅介護サービスでも医療費控除が使えるものがあります
訪問看護・訪問リハビリなど、医療系サービス は医療費控除の対象です。
▼医療費控除できる主な居宅サービス
-
訪問看護
-
訪問リハビリ
-
通所リハビリ(デイケア)
-
居宅療養管理指導
-
介護予防の同等サービス
-
短期入所療養介護(医療系ショート)
など
▼併用したときだけ控除の対象になるサービス
-
訪問介護(生活援助を除く)
-
通所介護(デイサービス)
-
認知症デイ、地域密着型デイ など
※ 医療系サービスを使っていることが前提となる点に注意
※ 自己負担分の交通費が対象になる場合あり(例外あり)
4.オムツ代も医療費控除になります(証明書があればOK)
自宅で使用するオムツ代も、医師の「おむつ使用証明書」 があれば医療費控除の対象になります。
▼必要な書類
-
おむつ使用証明書(医師作成)
※自治体によっては主治医意見書の写しでも代替可 -
領収書(使用者本人の名前が明記されているもの)
寝たきりで6ヶ月以上介護が必要な場合など、医療目的の使用と認められれば控除されます。
自治体ホームページから申請書をダウンロードし、主治医に記入してもらいましょう。
5.1か月の介護費が上限を超えたら「高額介護サービス費」で戻ってきます
介護保険では、所得に応じて月額の上限(1〜3割負担の限度額)が決まっています。
上限を超えた部分は 申請すれば払い戻し があります。
▼上限額の例(代表的な区分)
-
生活保護:15,000円
-
住民税非課税で年金収入+所得が80万円以下:15,000円(個人)
-
課税所得380万円未満:44,400円
-
課税所得380〜690万円未満(65歳以上がいる世帯):93,000円
-
課税所得690万円以上:140,100円
※ 家族で複数人が介護サービスを使っている場合は「世帯で合算」されます
※ 申請期限=サービス利用から 2年以内
※ 一度申請すると翌月以降は自動振込になる自治体が多い
▼最後に:介護者こそ、お金の仕組みを味方につけてください
税金や制度の話は本当にややこしいですが、
これらはすべて “あなたの負担を減らすための制度” です。
知らないだけで、戻ってくるはずのお金を受け取れないケースがとても多くあります。
どうか遠慮せずに申告してほしい。
そして、戻ってきたお金で 少し息抜きができますように。

(Mabel Amber, who will one day/Pixabay)
▼補注(参考リンク)
※本文を読みやすくするため、専門的な定義や原資料は補注にまとめています。
-
国税庁「障害者控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm -
国税庁「医療費控除(施設サービス)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1125.htm -
国税庁「医療費控除(居宅サービス)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1127.htm -
国税庁「寝たきりの者のおむつ代」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/54.htm -
高額介護サービス費(国税庁解説)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/010131/03/05.htm -
自立度の基準(健康長寿ネット:認知症・寝たきり度)
https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/kaigo-hoken/
以上








