🚻【前編】シニアの便秘・下痢・便漏れの基礎知識|原因・注意サイン・受診の目安
「最近、便のトラブルが増えた…」「下痢と便秘をくり返す」
シニアに多い 便秘/下痢/便漏れ のしくみと原因、受診の目安をやさしく解説します。
(中編=便漏れの原因と治療/後編=専門治療が受けられる病院案内)
1️⃣ 排便のしくみ(超シンプル解説)
食べたものは――
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口→食道(約25cm)→胃:強い酸でドロドロに。
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十二指腸:胆汁が胃酸を中和、膵酵素で栄養素に分解。
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小腸(5〜6m):1日あたり約9Lの“食事+消化液”から、約7Lの水分と栄養を吸収。
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大腸(1.6〜2m):残り約2Lが入り、水分がさらに吸収 → 便を形成。
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S状結腸→直腸:朝の目覚めや食後の反射で直腸へ。直腸の神経が脳に便意を通知し、排便へ。
🔎 重要ポイント
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直腸・肛門の感覚/運動を司る神経と、肛門括約筋などの筋肉が連携して初めて“もれない”排便が成立。
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神経伝達の障害や筋肉の機能低下があると、便漏れにつながります。
2️⃣ シニアの便秘:タイプ別の原因と特徴
順天堂の便秘外来でも患者は年々増加。便秘は大きく4タイプに分かれます。
◆ 機能性便秘(病気が原因ではない)
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弛緩性:大腸のぜん動低下 → 便が滞留し水分吸収が過剰 → 硬便/排便困難(高齢者・寝たきりに多い)
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直腸性:我慢の習慣で直腸が拡張し便意低下 → 便秘(寝たきり・便意我慢が多い人)
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痙攣性:同じ部位でけいれん → 便が進まない/腹痛を伴う
◆ 器質性便秘(消化管の病気が背景)
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大腸がん・腸閉塞・炎症性腸疾患など。緊急性や重症のことも。
◆ 薬剤性便秘
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抗うつ薬、抗コリン薬、咳止めなどでぜん動が抑制。
◆ 症候性便秘(全身疾患に伴う)
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糖尿病、甲状腺疾患、脳血管障害、パーキンソン病、自律神経障害、膠原病 など。
🚩 受診の目安(便秘)
体重減少/血便/貧血/50歳以上で新規の便秘/親族に大腸がん――は要精査。内科・消化器内科で相談を。
3️⃣ シニアの下痢:定義・要注意サイン
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便の水分量:通常60〜70% → 80〜90%で軟便〜泥状便、90%以上で水様便。
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期間:〜2週間=急性下痢/4週間〜=慢性下痢。
🚨 すぐ受診したいサイン
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これまでにない激しい下痢
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血便(鮮血/黒色タール便を含む)
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嘔気・嘔吐・発熱を伴う
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排便後も腹痛が続く/症状が悪化
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同じものを食べた人も同症状(食中毒の疑い)
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脱水の兆候(口や皮膚が乾く、尿が少ない・濃い)
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心臓病・糖尿病・腎臓病など持病がある場合は早めに受診
4️⃣ 急性下痢の主な原因(思い当たるものは?)
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食べ過ぎ・飲み過ぎ(脂質・アルコール・香辛料・人工甘味料・サプリのMg/食物繊維)
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感染症/食中毒(O157、ノロ、サルモネラ、病原性大腸菌、寄生虫など)
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生活習慣(ストレス、冷え)
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体質(アレルギー、乳糖不耐症)
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薬の副作用(抗生物質、降圧薬、便秘薬、鎮痛薬、胃薬など)
⏳ 4週間以上続く下痢は慢性化。大腸がんなど重い疾患が隠れることもあるため、放置しないで受診を。
5️⃣ シニアの下痢は「脱水」に要注意
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下痢は水分・電解質(Na/K)を喪失。シニアは体内水分が少なく脱水しやすい。
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経口補水液/スポドリを少量こまめに。
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「飲むとまた下痢が…」と控えるのは危険。命を守るために補水を優先。
👀 観察ポイント:口腔・皮膚の乾燥、尿量・色、ふらつき、倦怠感、発熱。
まとめ/次回予告
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便秘・下痢は年齢とともに増加。
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赤信号サイン(血便・体重減少・貧血・長引く下痢など)は早期受診を。
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中編(6/6公開予定)では、便漏れ(便失禁)の原因と治療を詳しく解説します。
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後編では、専門治療が受けられる病院の探し方と受診のコツを紹介。
参考(出典の要旨)
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ユニ・チャーム排泄ケア研究所:高齢者の便トラブルの現状
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順天堂:便秘の基礎講座/便秘外来
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難病情報センター:クローン病
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おなかの健康ドットコム:血便・下血
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日本臨床内科医会:下痢の対処法
本記事は一般的な情報提供です。症状が強い/急に悪化した場合は医療機関へ。
以上










