ご両親はお薬を指示通りに服用できていますか?お困りなら、薬剤師訪問サービスがあります!
あなたのお母様やお父様は、処方された薬をちゃんと服用できていらっしゃいますか?あっちこっちで処方されると、1日2回食後服用に1日1回食中服用など、いろいろな服用方法が混ざって薬の管理も大変です。指示通りに服用できているか、確認なさったことはありますか?飲み忘れている薬はありませんか?もしもお困りなら、これから紹介する方法をお試しください。
1.「薬剤師訪問サービス」をご存じですか?
薬剤師さんが、薬を処方した医師の指示に基づいて患者さんのお宅を訪問し、服薬の指導や支援、服薬の状況や保管状況の確認・残っている薬の確認などを行うサービスがあります。(*1)
そしてこのサービスは医療保険でも利用できます。もちろん介護保険でも利用できますが、要介護認定の申請をしていなくても大丈夫です。
日本調剤のホームページ「薬剤師訪問サービスの流れ」(*2)によれば、以下のように対応してくださるそうです。
『患者さまのお薬の使用状況・効果・副作用や体調・生活状況などを確認し、ご家族にもヒアリングを行います。
これは、患者さまの症状や生活状況などに合ったお薬を使用し、治療効果を高めるためです。
患者さまの状況を確認した上で、医師にお薬の種類や用法・用量などの変更を提案することもあります。
その後、今回処方されたお薬のご説明・お渡しをして、次回の訪問日を確認します。』
薬剤師さんにこのように丁寧にケアしていただければ、安心です。
2.薬剤師訪問サービスを利用できる条件
日本調剤のホームページ(*2)には、以下の利用条件が挙げられています。
・通院、来局が困難な方(歩行困難、認知機能の低下等で介助が必要 など)
・薬剤師訪問サービスが必要な方(自宅でのお薬の使用や管理に不安がある など)
・薬剤師訪問サービスが必要であると医師が認め、薬剤師に対して訪問指示があること
・薬剤師訪問サービスのご利用に対し、患者さま(ご家族)の同意があること
また、東京都薬剤師会が運用しているホームページ「東京都在宅訪問薬剤管理実施可能薬局検索システム」(*3)には、以下のように書かれています。
『病状が重い、歩行が困難又は認知症が進んでいるなど通院が困難なため在宅で療養を行っている患者が多くなっています。 こうした患者さんで
①薬の整理ができない
②薬が飲みづらい又は飲んでくれない
③飲み忘れが頻繁
④何に効く薬かわからない
⑤一日中ウトウトしている・味が分からなくなったなどでお困りの患者さんの居宅を薬局の薬剤師が訪問して薬学的管理及び指導を行う業務を訪問薬剤管理指導業務といいます。
医師、訪問看護師、介護ヘルパー、ケアマネジャーと情報を共有し、チームで患者さんの支援に取り組みます。
もちろん医療保険又は介護保険の給付対象となります。』
3.薬剤師訪問サービスの利用料金の目安
こんなに便利で心強いサービスは、いくらかかるのでしょうか?
ご利用されている保険やお住まいの状況等により、薬剤師訪問に係わる費用が変わります。あくまで目安ですが、日本調剤のホームページからご紹介します。
自己負担1割の場合の、1回の訪問サービスにかかる薬剤師訪問費用
☆個人宅などで患者さまが1人※1の場合
- 介護保険※2 518円
- 医療保険※3 650円
※1:同居する同一世帯の利用者が2人以上いる場合、患者さまごとに650円かかります(自己負担1割の場合)。
※2:麻薬等の特別な薬剤が使用されている場合や持続注射療法を行なっている場合、在宅中心静脈栄養法を行なっている場合などは、別途加算があります。
※3:以下の場合は別途加算されます。(自己負担1割の場合)
① 経管栄養で人工呼吸器等を使用されている患者さまで、18歳未満の場合
② 患者さまが6歳未満の場合
③ 医療用麻薬持続注射療法を行なっている場合
④ 麻薬等の特別な薬剤が使用されている場合
⑤ 在宅中心静脈栄養法を行なっている場合
あくまで目安ですが、高額に感じますか?それとも服薬管理の煩雑さを考えれば、お手頃でしょうか?
4.服薬管理が必要なら、主治医に相談なさってみてください
鍋を焦がしたとか、約束を忘れて友だちから連絡が来れば、異常に気が付きます。けれど、頂いた薬を指示通りに服用しているかどうかは、調べないと発覚しません。
血圧の薬やコレステロールの薬の飲み忘れ状態をそのままにしておくことは危険です。
また1日1錠の薬を1日に何回も服用したり、2~3種類の中のある薬だけ飲み忘れたり・・・
認知症が進行すると、薬を飲むべき時を忘れたり、すでに薬を飲んだと誤って記憶していることもあります。
さらに高齢になると肝臓で薬を分解する能力や、薬を腎臓から身体の外へ排出する能力が低下するので、副作用が現れやすくなります。
また、高齢者は身体の中の水分の割合が少なくなり、脂肪の割合が多くなるため、脂肪にとける薬が身体の中にたまりやすくなります。その結果、薬が効きすぎて、副作用が現れやすくなります。
そのため、吐き気、めまい、消化不良などの副作用から、自己判断で薬を勝手に中止している場合もあります。
まずは、薬を指示通りに服用しているかどうか、確認なさってください。問題があれば、主治医に相談してください。
症状や状況によって、貼り薬や舌の下や口腔内で速やかに溶ける薬に変更することで解決できるかもしれません。
薬の整理ができなかったり、飲み忘れが頻繁で困っていらっしゃるなら、主治医、あるいはかかりつけ医に「薬剤師訪問サービス」を利用したいと相談なさってみてください。
薬を正しく服用して、ご家族がより良い時間を過ごせるよう祈っています。
補注
*1:「在宅訪問薬剤管理指導ってなあに?」東京都薬剤師会 https://www.toyaku.or.jp/pharmacist/mission/coaching.html
*2:「薬剤師訪問サービスの流れ」日本調剤 https://www.nicho.co.jp/pharmacy/homecare/service/
*3:「東京都在宅訪問薬剤管理実施可能薬局検索システム」東京都薬剤師会 https://zaitaku-toyaku.jp/about.html
以上