5人に1人は認知症になるらしいから、認知症疾患医療センターで検査を受けよう!(続)(7/7)
「落ち着きがなくなった」「怒りっぽく、頑固になった」「簡単な片付けや洗濯物のとりこみなのに、時間がかかるようになった」「同じ服ばかり着て、だらしない恰好や季節外れの格好をするようになった」などに心当たりはありませんか?1日も早く、認知症に特化した認知症疾患医療センターで検査を受けることをお勧めします。
最終回は、㉒香川県・㉓福岡県(北九州市と福岡市を含む)・㉔大分県・㉕宮崎県の認知症疾患医療センターとかかりつけ医の探し方を紹介します。
なお、認知症疾患医療センターの概略と基幹型認知症疾患医療センター22か所については「5人に1人は認知症になるらしいから、認知症疾患医療センターで検査を受けよう!(1/3~3/3)」https://kizuna-iyashi.com/2024/09/20/homemade-288/ をご覧ください。
㉒香川県:『認知症疾患医療センター』(2024年8月21日掲載) https://www.pref.kagawa.lg.jp/choju/support/support/list01.html#kadai
認知症疾患医療センターでは、認知症に関する悩みや心配事についての相談を受け付けています。相談や通院がしやすいように、県内6箇所の病院を認知症疾患医療センターとして指定しています。
画面を下にスクロールすると、6医療機関の病院名とホームページアドレスとリンク・相談受付日時・外来診療日時・連絡電話番号などが見やすくまとめられています。
「受診の際は、原則、かかりつけ医からのFAX紹介予約システムをご利用下さい。」と明記している病院もありますので、受診方法は各病院のホームページなどをご確認ください。
☆かかりつけ医の探し方:
*『認知症専門医療機関』(2023年4月10日掲載) https://www.pref.kagawa.lg.jp/choju/support/support/list03.html
病院がある市区町村名・病院名・住所・TEL・診療科・初診時の対応などが一覧にまとめられています。電話予約が必須な病院も、直接来院可の病院も混在しているので、必ずご確認ください。
精神科、脳神経外科、神経内科、心療内科のいずれかの診療科をかかげる医療機関で、専任の日本老年精神医学会又は日本認知症学会が定める専門医が常勤する医療機関です。さらに、認知症の診療を行うことが可能で、認知症の鑑別診断が可能な医療機関が選ばれています。
*『もの忘れ相談医名簿』(令和6年4月1日現在) https://www.pref.kagawa.lg.jp/choju/support/support/list02.html
この名簿には、もの忘れ相談医が所属する医療機関の市町名・医師氏名・所属する病院名・住所・電話番号がまとめられています。
適切な認知症診断の知識・技術や家族からの話や悩みを聞く姿勢を修得するための研修を修了した内科等の医師の名簿です。
*『市町地域包括支援センター』(令和6年4月1日現在) https://www.pref.kagawa.lg.jp/choju/support/support/list04.html
市町名・支援センターの名称・所在地・電話番号・FAX番号が一覧になっています。
㉓福岡県:『福岡県認知症医療センター(指定病院一覧)』(2024年8月30日更新) https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/ninchisyouiryoucenter.html
福岡県では、認知症に関する専門医療相談を受けるとともに、地域における保健医療・介護関係者の連携を推進し、認知症の適切・迅速な医療体制の構築を図るため、認知症医療の専門医療機関として認知症医療センターを指定しています。
11医療機関の病院名とホームページへのリンク・所在地・電話番号・研修会等開催情報がまとめられています。
紹介状がない場合、選定療養費7,700円(消費税込み)が加算される病院もありますので、受診方法は各病院のホームページなどでご確認ください。
*北九州市にお住いの方は『北九州市認知症疾患医療センター』(2024年8月22日更新) https://www.city.kitakyushu.lg.jp/ho-huku/file_0352.html
地域型2か所、連携型3か所の病院名とホームページへのリンク・住所・電話番号・受付日時などが記載されています。
かかりつけ医からの紹介状が必要と明記している病院もありますので、受診方法は各病院のホームページなどでご確認ください。
*福岡市にお住いの方は『福岡市認知症疾患医療センター』 https://fukuoka-city-dementia-center.jp/center/
認知症に関する鑑別診断、周辺症状と身体合併症への急性期治療、専門医療相談を実施するとともに、地域保健医療・介護関係者への研修や連携を通じて、地域における認知症疾患の保険医療水準の向上を目指しています。
2医療機関の病院名とホームページへのリンク・住所・電話番号・FAX番号が記載されています。詳細は、各病院のホームページでご確認ください。
かかりつけ医から初診患者専用「予約センター」へ初診予約するシステムの病院もありますので、受診方法は各病院のホームページなどでご確認ください。
☆かかりつけ医の探し方:
*『かかりつけ医認知症対応力向上研修修了者名簿( PDF:953KB)令和5年7月27日更新』 https://www.fukuoka.med.or.jp/var/rev0/0048/4173/12372713200.pdf
「認知症かかりつけ医」は、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了者(*3)であり、認知症診断の知識・技術や家族からの相談に対応できるかかりつけ医で、サポート医、医師会、地域包括支援センター等との連携協力を担います。
この名簿には、認知症かかりつけ医が所属する病院名・医師の氏名・住所などが26ページにまとめられています。
*『認知症サポート医養成研修修了者名簿 [PDFファイル/722KB]』https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/227747.pdf
厚生労働省の要綱に基づく認知症サポート医養成研修を修了し、認知症の診療に習熟し、かかりつけ医等への助言その他の支援を行い、専門医療機関や地域包括支援センター等との連携の推進役となる医師です。(*2)
この名簿には、認知症サポート医の氏名・所属する病院名・診療科目・住所・TELが16頁にまとめられています。
*福岡市医師会『認知症相談医名簿』(令和6年7月25日現在) https://www.city.fukuoka.med.or.jp/citizens/dementia/soudanimeibo/#top
区ごとにわけて、「認知症相談医」が所属する病院名・相談医の氏名(☆は認知症サポート医資格も兼任)・ 診療科目・住所・TEL・FAXが一覧表にまとまっています。
「認知症相談医」とは地域での認知症相談に応じ、認知症スクリーニング、初期診断や専門医療機関での鑑別診断後、通院で認知症治療を受け入れることが可能な医師です。福岡市が、福岡市医師会と連携し独自に設置しています。
*『地域包括支援センター一覧(令和6年4月1日時点) [PDFファイル/393KB]』https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/728121_62135350_misc.pdf
地域住民すべての心身の健康の維持、生活の安定、保健・福祉・医療の向上と増進のために必要な援助、支援を包括的に担う地域の中核機関です。
一覧には、地域包括支援センター名・住所・電話番号・FAX番号などが7ページにまとめられています。
*福岡市にお住いの方は『診療に関する電話相談窓口のご案内』https://www.city.fukuoka.med.or.jp/citizens/consultation/
福岡市医師会では、市民の皆さまからの病気や医療、診療に関するご相談を電話でお受けつけしております。なお、サービス向上のため通話は録音をさせて頂き、相談時間はお一人様、原則30分以内となりますのでご了承ください。
- 曜 日:月・水・金曜日(休日・お盆・年末年始を除く)
- 時間帯:15時~17時
- 電話番号:092-852-1539
※上記以外の曜日・時間帯は対応できませんのでご了承ください。 - 対応者:看護師
*福岡市にお住いの方は『認知症に関する各区保健福祉センター相談窓口』https://fukuoka-city-dementia-center.jp/center/
福岡市の各区の認知症の相談窓口を担当する課の名称と電話番号が表になっています。電話相談の受付日時などは、各区のホームページなどでご確認ください。
㉔大分県:『認知症疾患医療センター』(2023年11月21日更新) https://www.pref.oita.jp/soshiki/12300/ninchisyosikkaniryousenta.html
県が指定した8機関の医療機関名とホームページへのリンク・所在地・専用電話を一覧にまとめてあります。
初診時には事前に地域連携への連絡が必要な病院もあります。受診方法は、各病院のホームページなどでご確認ください。
☆かかりつけ医の探し方:
*『大分オレンジドクター(もの忘れ・認知症相談医)』(2019年5月1日更新) https://orange-oita.jp/checkups/facility-list/8cafb889-fc53-4730-9c99-b60b77c6212f?area=beppu
この画面で、市区町村名やキーワードで「オレンジドクター」を探せます。例えば、別府市を選んで「🔍絞り込む」ボタンを押すと、画面の下に該当する情報が表示されます。医師名・所属する医療機関名・住所・電話番号です。
大分県では、認知症の早期診断・早期支援体制の充実を図るため、認知症医療の研修を修了した医師を「大分オレンジドクター(もの忘れ・認知症相談医)」として登録し、相談しやすい体制を築いています。
*『県内地域包括支援センター所在地等一覧(R6.4.1現在)』https://www.pref.oita.jp/uploaded/life/2240165_4107578_misc.pdf
この一覧には、市町村名・支援センターの名称・住所・電話番号・FAX番号・メールアドレス・ 担当地域が一覧にまとめられています。
地域包括支援センターは、高齢者の総合相談窓口です。
*『認知症地域支援推進員』https://orange-oita.jp/consultations/detail/f6e249b5-d888-4612-ad19-b621b0968c1b
認知症かもしれないが、どこに相談したらよいかわからない・・・など、お住まいの認知症地域支援推進員にご相談ください。
「認知症地域支援推進員」は地域包括支援センターなどに配置されています。
*『大分県高齢者総合相談センター(シルバー110番)』https://kaigorental.nayami123.info/entry36.html
高齢者や、高齢者を抱える家族をサポートする大分県の公的な相談機関です。
高齢者福祉、介護保険、医療などの心配事、悩みごとなど総合的な相談に応じてくれます。
㉕宮崎県:『宮崎県認知症疾患医療センターについて』(2024年7月17日更新) https://www.pref.miyazaki.lg.jp/iryokaigo/kurashi/koresha/ninchisho_center.html
県が指定した5医療機関の医療機関名・住所・電話番号などの情報が表にまとめられています。(病院のURLやリンクはありません)
受診方法は、各病院にお問い合わせください。
☆かかりつけ医の探し方:
*『みやざきオレンジドクター名簿(PDF:194KB)(令和6年3月15日更新)』https://www.pref.miyazaki.lg.jp/documents/23572/23572_20240315161119-1.pdf
「認知症サポート医」や認知症患者への対応に意欲を持つ「かかりつけ医」を「みやざきオレンジドクター」として登録・公表し、身近でわかりやすい認知症の相談窓口を担います。
この名簿は地区順に、オレンジドクターの氏名・所属する病院名・オレンジドクターの診療科・住所・電話番号が16ページにまとめられています。
*『かかりつけ医認知症対応力向上研修修了医療機関一覧(PDF:131KB)』(作成日時不明)https://www.pref.miyazaki.lg.jp/documents/33978/33978_20240123102353-1.pdf
多くの「かかりつけ医」の医師達が、「かかりつけ医認知症対応力向上研修」を修了し、地域での認知症の相談窓口となっています。この一覧は、研修を修了した医師が所属する医療機関です。
一覧は、かかりつけ医が所属する病院名・住所・電話番号・病院がある地区名の情報が、14ページに市町村順でならんでいます。
*『認知症サポート医養成研修修了者一覧(公表同意者)(PDF:107KB)』(作成日時不明)https://www.pref.miyazaki.lg.jp/documents/33978/33978_20240129103505-1.pdf
「認知症サポート医」とは、認知症の人が普段受診する「かかりつけ医」等への助言やアドバイスを行なったり、専門医療機関や各地域医師会、地域包括支援センター等との連携の推進役となる医師です。
この一覧は、市町村別に地区名・「認知症サポート医」の氏名・所属する病院名・住所・電話番号が5ページにまとめられています。
*『地域包括支援センター一覧(令和5年7月1日現在)』https://www.pref.miyazaki.lg.jp/iryokaigo/kurashi/koresha/naruhodo_a6.html
各種保健福祉サービスや介護保険サービスに関する総合的な相談や、高齢者への虐待の防止などの相談・支援を行なうとともに必要な情報提供を行なっています。お気軽に居住地の地域包括支援センターへご相談ください。
一覧には、各地域包括支援センターの名前・所在地・問い合わせ電話番号がまとめられています。
都道府県ごとの地域型や連携型の認知症疾患医療センターの情報は、以上です。一部地域のレカネマブ治療の情報は、自治体のホームページに掲載されたもののみを紹介しています。ご了承ください。
また、22都道府県の基幹型の認知症疾患医療センターは、9月20日ブログ・9月27日ブログ・10月4日ブログをご覧ください。
「同じ商品を何度も買ってくる」とか「日付が時間がわからなくなる」など認知機能が低下して、正常とも認知症ともいえない状態のことを「軽度認知障害(MCI: Mild Cognitive Impairment)」と言います。MCIの方の約半数は5年以内に認知症を発症します。が、この段階から運動などの予防的活動や治療を開始することで正常に戻る可能性があります。(*4)
1日も早く専門医を受診することが早期発見・早期対応!あなたの未来を変えてくれます。どうか「しっかりしてよ」「何やってる」と叱咤激励を繰り返すのではなく、まずは検査を受けてみてください。ご幸運を祈っています。
補注
*1:認知症抗体医薬「レカネマブ」(レケンビⓇ点滴静注)について:『アルツハイマー病の原因に働きかけて病気の進行自体を抑制する薬としては、国内で初めて承認された薬です。2週間に1度、約1時間ほどかけて点滴で投与します。
アルツハイマー病による認知症が軽度である時期、および、アルツハイマー病による軽度認知障害の方が治療対象となり、検査(脳脊髄液検査またはアミロイドPET検査)により脳にアミロイドβがたまっていることを明らかにする必要があります。
この薬の使用により、認知機能障害の悪化が有意に(18ヶ月で27.1%)抑制されたことが報告されています。
副作用としては、使い始めの初期に、注射したときに頭痛、寒気、発熱、吐き気などが現れることがあります。
また、特に使い始めて数ヶ月以内に、脳が腫れたり、脳に少量の出血が生じたりするなどの報告があります。そのため、専門医療機関での注意深い観察、評価が必要とされています。』厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000089508_00005.html
*2:「実施主体は都道府県および指定都市。国立長寿医療研究センターは厚生労働省より委託を受け、認知症サポート医養成研修を実施しています。
高齢者が慢性疾患などの治療のために受診する診療所等の主治医(かかりつけ医)に対し、適切な認知症診断の知識・技術、家族からの話や悩みを聞く姿勢を習得するための研修を実施しています。
また、かかりつけ医への研修・助言をはじめ、地域の認知症に係る地域医療体制の中核的な役割を担う医師として、認知症サポート医の養成を進めています。」長寿医療研修センター https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/kenshu/27-1.html
*3:「かかりつけ医認知症対応力向上研修:高齢者が日頃より受診する診療所等の主治医(かかりつけ医)に対し、適切な認知症診療の知識・技術や認知症の人本人とその家族を支える知識と方法を習得するための研修を実施することにより、認知症サポート医との連携の下、各地域において認知症の発症初期から状況に応じた認知症の人への支援体制の構築を図る。」 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000121151.pdf
*4:「軽度認知障害(MCI)で早期発見・早期対応を:
認知症のように普段の生活に支障をきたすほどではありませんが、記憶などの能力が低下し、正常とも認知症ともいえない状態のことを「軽度認知障害(MCI: Mild Cognitive Impairment)」と言います。MCIの方の約半数は5年以内に認知症に移行するといわれています。MCIの方のうち、すべてが認知症になるわけではありませんが、この段階から運動などの予防的活動を開始することで、認知症の進行を遅らせることが期待されています。
認知症ではなさそうだと思っても、以前よりもの忘れが増えている、もの忘れの程度がほかの同年齢の人に比べてやや強いと感じたら、念のために専門医を受診することが早期発見・早期対応につながります。」『こころの情報サイト』国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=WwE9LLpYbVZTIDMI
以上