土佐雲竜顔料染(とさうんりゅうがんりょうぞめ)って何?

絆のワークショップで使う「土佐雲竜顔料染の和紙ってなんですか?」とご質問を頂きました。ところが、小津和紙の店頭で、薄さと色合いが気に入って決めただけで、わたしもこの和紙を知りませんでした。

そこで「土佐和紙」を検索し、1985年に「土佐和紙」の振興を図るために開設された、「いの町紙の博物館」の存在を知りました。土佐和紙の全てを知り尽くしていらっしゃるこの博物館に、お尋ねしました。

この「土佐雲竜顔料染(とさうんりゅうがんりょうぞめ)」は、「土佐和紙」の中の「雲竜紙」を「顔料」で「」めた和紙という意味になります。

土佐和紙(とさわし)は、1000年以上の歴史を誇る和紙です。江戸時代には幕府への献上品として保護・育成され、土佐藩の特産品となったそうです。和紙としての特徴は、薄くて丈夫。 中でも土佐典具帖紙(とさてんぐじょうし)は 「かげろうの羽」とも呼ばれ、厚さは0.03~0.05ミリ。世界中の手漉き和紙の中で、一番薄い和紙だそうです。

雲竜紙(うんりゅうし)は、三椏(みつまた)あるいは楮(こうぞ)の地紙に、手ちぎりした楮の長い繊維を散らせて雲形文様をあらわしている紙だそうです。均一で平面的なコピー用紙やレポート用紙などとは異なり、特に繊維がつくる文様が、手触りやぬくもりを醸し出してくれます。

土佐雲竜顔料染の和紙で作る絆アート

土佐雲竜顔料染の和紙で作る絆アート

顔料(がんりょう)とは、 着色に用いる粉末で、水や油に溶けないものの総称です。この顔料には2種類あり、ベンガラ塗りやべんがら格子でおなじみの弁柄(べんがら)などの鉱物系の無機顔料(むきがんりょう)と、天然の藍などの有機顔料(ゆうきがんりょう)があります。 この顔料は、日光などによる変色が比較的少ないものが多いそうです。つまり、時を経ても美しい色合いを保ちやすいという訳です。

ちなみに染料(せんりょう)とは、液体に溶いて染めるタイプで、 化学染料と楊梅(やまもも)の木の皮などから煮出し抽出した天然染料が あるそうです。

(そめ)。この「土佐雲竜顔料染」の最後の部分のですが、和紙の染め方にも2種類があります。先染めは、 紙を漉く前に原料繊維を先に染めるタイプ。後染めは、和紙を漉いてから染めるタイプです。 この先染め・後染めには、用途に応じて、顔料も染料も使います。

このようにして作られた「土佐雲竜顔料染の和紙」は、薄くて温もりがあり、美しい色合いを保ちやすい素晴らしい和紙です。この土佐雲竜顔料染の和紙に描かれた下絵は、川の流れの文様で、人生の流れや時の流れを象徴しています。だからこそ、ご自身の過ぎし日々を振り返り、大切な方を想いながら「絆アート」を作って頂く特別な時間を味わえます。

「いの町紙の博物館」 
〒781-2103高知県吾川郡いの町幸町110-1 TEL.088-893-0886 FAX.088-893-0887   http://kamihaku.com/

小津和紙   
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-6-2 小津本館ビル  TEL. 03-3662-1184  FAX. 03-3663-9460   http://www.ozuwashi.net/

4月の絆のワークショップのお申し込みはこちら 
https://kizuna-workshop3.peatix.com/

土佐雲竜顔料染の絆アート

土佐雲竜顔料染の絆アート

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