3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』(SilviaによるPixabayからの画像)

このお正月、3年振りの帰省で両親が「おばあさん」や「おじいさん」に変貌した姿に驚いたり、実家の様子に違和感を感じましたか?あなたが感じた胸騒ぎを忘れてしまう前に、この介護の指南書をお勧めします。

『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』著者:川内潤(かわうち・じゅん) 山中浩之(やまなか・ひろゆき)、2022年10月発行、発行:株式会社日経BP、定価1,600円+税、ISBN978-4-296-10884-8

この本のサイズは、横13㎝、縦19㎝弱、厚さ2㎝で、343ページ。

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』(Sabine van ErpによるPixabayからの画像)

内容は、山中氏の遠距離介護の発端から5年間の体験談と「NPO法人となりのかいご」代表の川内氏による山中氏の対応や対処法に対する解説の組み合わせで、介護初心者へのアドバイスが介護の段階ごとに纏められています。

山中浩之氏は新潟で80歳のお母さんが独り暮らしをしている一人っ子で、日経ビジネスの編集者。科学ジャーナリスト松浦晋也氏の著作『母さん、ごめん。50代独身男の介護奮闘記』の編集担当だったので、介護の知識はありました。が、見ると聞くとは大違い。

介護の一歩となるはずの「包括支援センター」は電話が通じないし、申請に必要な「介護保険証」が見当たらない。

やっと週2回、1時間ずつヘルパーさんが訪問するようになって体調が回復したと安堵した5カ月後、山中氏のお母さんは突如倒れ、呂律も回らない状況に陥り、入院。

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』(Baruch RabinowitzによるPixabayからの画像)

さらにいくつかの障害を乗り越えて山中氏のお母さんが認知症高齢者向けのグループホームに無事に入居できた後も、山のような不用品の処理に家賃やNHKの受信料自動引き落としの停止し忘れなど・・・

山中氏の奮闘の5年間を9章に分けて、≪「まだ大丈夫」なうちにやっておくこと≫とか≪介護に入る前に誓っておくこと≫などポイントを解説する川内氏は、2008年に「となりのかいご」を市民団体として設立し、2014年にNPO法人化に伴い代表理事に就任。老人ホーム紹介事業、外資系コンサル、在宅・施設介護職員の経歴があります。この川内氏の指摘が正鵠を得ていて、素直に納得できます。たとえば以下の通りです。

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』(Sabine van ErpによるPixabayからの画像)

☆第1章のPOINT!≪「まだ大丈夫」なうちにやっておくこと≫

*「介護は治療ではなく、撤退戦」という意識を持つ

*「堂々と公的支援を受ける」とハラを据える

*親を担当する「包括」を探し相談しておく

☆第2章のPOINT! ≪親に会いに行く前に覚えておくこと≫

*老いた親を見ていればイラつくのは当たり前、と知っておく

*近くにいることは「親孝行」の必要条件じゃない

*「親孝行」が「呪い」にもなることを肝に銘じよう

☆第4章のPOINT! ≪介護に入る前に誓っておくこと≫

*「理想の生活態度」を親に押し付けない

*予想外の連続が介護。完全、完璧を求めない

*トラブルは起きるときは起きる、と大きく構える

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』(❄️♡💛♡❄️ Julita ❄️♡💛♡❄️によるPixabayからの画像)

☆第6章のPOINT! ≪親が施設に入ったら肝に銘じること≫

*介護のサービスと“おもてなし”は違う

*「つらければ会いに行かない」ほうが実は親にも優しい

*「人はいずれ死ぬ」という事実から逃げない覚悟を

☆第9章のPOINT! ≪親と同居している場合にすべきこと≫

*親と距離を取ることに「罪悪感」を持つ必要なし

*親に「困ってもらう」ことを恐れてはならない

*親と自分は別の「個人」だと認識しておく

これらのPOINTの詳しい解説は、この本をお読みください。

最後に、とても役立つチェックシート(45ページ掲載)を紹介します。これは川内氏が厚生労働省の基本チェックシートを参考に作成されたもので、介護の必要性を客観的に量ることが出来る優れモノです。(NPO法人となりのかいごのホームページからもダウンロードできますhttps://www.tonarino-kaigo.org/wp/wp-content/uploads/2020/01/checklist.pdf

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』

完全版は、『親不孝介護』かホームページでご覧ください

帰省の際に感じた胸騒ぎを忙しい毎日で忘れてしまう前に、『親不孝介護』のご一読を心からお勧めします。

☆NPO法人となりのかいごの情報サイト https://www.tonarino-kaigo.org/

☆日経BOOKプラス「親不孝介護 距離を取るからうまくいく」https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/22/09/20/00397/

以上

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』

3年振りの帰郷で「?」と感じたあなたに贈る介護の指南書『親不孝介護 ― 距離を取るからうまくいく』(Kieran MacAuliffeによるPixabayからの画像)

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