インフルエンザと肺炎のワクチン接種がアルツハイマー病発症リスクを低減!
あなたのご両親は、インフルエンザと肺炎球菌の予防接種は受けていらっしゃいますか? なんと、インフルエンザと肺炎のワクチン接種が、アルツハイマー病発症のリスク低下に関連しているとの新たな研究結果が発表されました!この研究について、ご紹介します。https://jp.prnasia.com/story/47977-3.shtml
1.季節性インフルエンザのワクチンがアルツハイマー型認知症の発症率を下げる可能性
テキサス大学ヘルスサイエンスセンター・ヒューストン校のマクガバン・メディカルスクールの医学生、Albert Amran氏らのチームは、9066件の米医療記録データセットを調査しました。その結果、以下のことが判明。
- 1回のインフルエンザワクチン接種がアルツハイマー病の有病率の低下に関連
- ワクチン接種を受けている人の中でも、より頻繁に接種している人はアルツハイマー病の有病率がさらに低い
- インフルエンザの予防接種を毎年受け続けている人は、アルツハイマー病のリスクがより低い
- インフルエンザワクチンとアルツハイマー病のリスクとの間の予防効果の関連性は、若年時に最初のワクチン接種を受けた人が最も強い
- 60歳で初めてインフルエンザの予防接種を受けたことが確認されている人は、70歳で初めて予防接種を受けた人より効果が大きい
ただし、『体内での作用の理由や仕組みなど、予防効果の生物学的メカニズムを探るにはさらなる研究が必要』とのことで、ワクチン接種がアルツハイマー病のリスクを低下させる仕組みや原因はまだ不明です。
2.肺炎ワクチンが高齢期のアルツハイマー病リスクを下げる可能性
デューク大学社会科学研究所老化生物人口学研究ユニット(BARU)准研究教授、Svetlana Ukraintseva医学博士らのチームは、65歳以上の心臓血管健康研究参加者5146人について、肺炎球菌ワクチン接種を行い、季節性インフルエンザのワクチン接種をした場合としなかった場合の肺炎球菌ワクチン接種とアルツハイマー病リスクの関連性を調査しました。その結果、以下のことを発見しています。
- 65歳から75歳までに肺炎球菌ワクチン接種を受けるとアルツハイマー病の発症リスクが25-30%下がる
- アルツハイマー病のリスクが最も大きく下がった(最大40%)のは、アルツハイマー病リスク遺伝子を持っていない方で肺炎のワクチン接種を受けた人
- 65歳から75歳までに肺炎やインフルエンザのワクチン接種を受けた人の総数とアルツハイマー病のリスク低下にも関連性はあった
Svetlana Ukraintseva医学博士はこう述べられています。
『75歳以前の肺炎ワクチン接種は、個々の遺伝子型にもよるが、高齢期のアルツハイマー病リスクを下げる可能性がある。こうしたデータは、肺炎球菌ワクチンが、とりわけ特定のリスク遺伝子の非保有者にとって、アルツハイマー病予防の有望な個別候補となる可能性があることを示唆している。』
アルツハイマー病の遺伝的危険因子があるかどうかは簡単には分かりませんが、上記の2つの研究からインフルエンザと肺炎のワクチン接種が、アルツハイマー病のリスクを低下させます!
厚生労働省によると、高齢者のインフルエンザ及び肺炎球菌予防接種の接種率はそれぞれ50.2%と37.8%だそうです。
この秋は新型コロナウイルス予防のみならず、アルツハイマー病の予防も兼ねてご両親に、65歳以上ならあなたにもインフルエンザと肺炎のワクチン接種を強く、お勧めします!
謝辞:Alzheimer’s Association International Conference(R)(アルツハイマー病協会国際会議(R))(Alzheimer’s Association International Conference )(AAIC(R))2020で発表された素晴らしい研究成果に感謝するとともに、研究のさらなるご進展を祈ります。
インフルエンザ、肺炎のワクチン接種とアルツハイマー型認知症のリスク低下に関連性:アルツハイマー病協会国際会議2020より https://jp.prnasia.com/story/47977-3.shtml
以上