約8人に1人が慢性腎臓病!特に高齢者に多い、この生活習慣病をご存じですか?

約8人に1人が慢性腎臓病!特に高齢者に多い、この生活習慣病をご存じですか?

約8人に1人が慢性腎臓病!特に高齢者に多い、この生活習慣病をご存じですか?(CouleurによるPixabayからの画像)

NPO 法人 日本腎臓病協会協和キリン株式会社が、慢性腎臓病(CKD)に関するアンケート調査を実施。慢性腎臓病は、脳卒中、心臓病、認知機能障害とも関係があり、1,330 万人の患者がおり、特に高齢者では有病率が高いとされています。 2021年11月に実施された最新の調査結果と予防・改善対策をご紹介します。

この調査は20 歳~ 50 歳代の一般市民1,606名を対象に、慢性腎臓病(CKD)に関する認知度について、インターネットによる全国アンケート調査として実施。その結果は以下の通りです。

約8人に1人が慢性腎臓病!特に高齢者に多い、この生活習慣病をご存じですか?

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☆「慢性腎臓病」についてどの程度知っていますか?

  • 50代:症状を含めよく知っている 8.7%、 病名だけ知っている 59.3%
  • 40代:症状を含めよく知っている 10.8%  病名だけ知っている 47.4%
  • 30代:症状を含めよく知っている 11.5%  病名だけ知っている 37.2%
  • 20代:症状を含めよく知っている  8.2%   病名だけ知っている 38.6%

☆次の中から「生活習慣病」と思うものを選んでください

  1. 糖尿病     74%
  2. 高血圧性疾患  58%
  3. 肝硬変     38.9%
  4. 脳血管疾患   28.6%
  5. 慢性腎臓病   27.4%

以上のように、病名だけ知っている方が多い状況で、慢性腎臓病が「生活習慣病」との認識も3割弱です。

約8人に1人が慢性腎臓病!特に高齢者に多い、この生活習慣病をご存じですか?

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では、慢性腎臓病とはどのような病気で、罹ってしまうとどんな影響があるのでしょうか?

1.腎臓の働き

腎臓は腰の辺りに左右に1個ずつあり、そらまめのような形をした、握りこぶしくらいの大きさで、1個が150gほどの小さな臓器です。この小さな臓器が、毎日200ℓもの血液をろ過して、老廃物を尿として体外に排泄し、体の中をきれいに保っています。

さらに腎臓は、体液の量や浸透圧・血圧の調整を行ったり、ナトリウム・カリウム・カルシウムなどのミネラルや酸性・アルカリ性のバランスを保ったり、他にも血液を作るホルモンを分泌する、骨を健康に保つ、と健康維持のために多方面にわたって働いています。

2.「慢性腎臓病(CKD)」とは

年をとると腎機能は低下するので、高齢者になるほど「慢性腎臓病(CKD)」に罹りやすくなります「慢性腎臓病(CKD)」とは、腎臓の働き(GFR*)が健康な人の60%以下に低下する(GFRが60mℓ/分/1.73㎡未満)か、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を言います。

腎臓の働きが低下するまで自覚症状が現れませんが、進行すると、むくみ・貧血・倦怠感・息切れ・夜間尿など、さまざまな症状があらわれます。

◎水分が体にたまる…むくみ(浮腫)、高血圧、低ナトリウム血症、肺水腫
◎老廃物が体にたまる…尿毒症(食欲低下、吐き気、嘔吐、意識混濁、けいれんなど)
◎電解質が体にたまる…高カリウム血症、高リン血症
◎血液に酸がたまる…呼吸が速くなったり、電解質バランスが崩れる
◎ホルモン異常…貧血、骨がもろくなる、高血圧 

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腎機能の低下とともに、老廃物が蓄積し、カルシウム・リン代謝に異常を来すと、動脈硬化や血管石灰化が進みます。同様に高血圧のコントロールが悪化すると、心血管への負担が増大し、心肥大・動脈硬化を進展させます。

また、心筋梗塞や脳卒中、大動脈瘤の患者さんでは、腎動脈が狭窄する事もあり、腎臓自体にも動脈硬化などがおこる事があります。その結果、腎機能が悪化し尿中に異常な量のタンパク質が検出されます。腎臓病と循環器病は互いに影響し合って悪化させている悪循環の関係にあります。

    GFR*: 単位時間あたりに腎臓の糸球体という部分で濾過される血液の量を、GFR(糸球体濾過量)と言う。このGFRにより、腎機能の機能評価を行う。一般的には年齢と血清クレアチニン(Cr)値から推定した「推算GFR(eGFR)」が用いられる。

健康な人で、GFRは100mL/分/1.73㎡前後だが、たんぱく尿などの腎障害がなくとも、60mL/分/1.73㎡未満が持続していれば慢性腎臓病(CKD)と診断される。さらにGFRが低下すると慢性腎臓病(CKD)の重症度が進み、透析や心臓病などの心血管疾患の危険性が高まる。末期腎不全(15mL/分/1.73㎡)では透析治療などの準備が必要。

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3.予防・改善の方法

慢性腎臓病(CKD)の初期には、ほとんど自覚症状がないため、貧血、疲労感、むくみなどの症状が現れたときには、病気がかなり進行している可能性もあります。予防の第一歩として、定期的に尿検査や血液検査を受けましょう。

さらに、あなたの腎臓を守るための「8ゴールデンルールを、世界腎臓デーのホームページからご紹介します。

  1. 理想体重を維持し、運動を習慣づける習慣づけられた運動は、理想的な体重を維持し、血圧を下げ、慢性腎臓病のリスクを減らすのに役立ちます。
  2. 塩分摂取量を減らす塩分摂取量を減らすことは、理想的な体重を維持し、血圧を下げ、糖尿病、心臓病、および慢性腎臓病に関連するその他の状態を予防するのに役立ちます。
  3. 血糖値をチェックして管理す:糖尿病患者の約半数が腎臓障害を発症します。しかし、糖尿病がうまく管理されていれば、これを予防/制限することができます。血液検査と尿検査で腎臓機能を定期的にチェックしてください。
  4. 血圧をチェックして管理する高血圧は腎臓に損傷を与える可能性があります。糖尿病、高コレステロール、心血管疾患などの他の疾患がある場合に特に起こりやすくなります。血圧を適切に管理することでリスクを軽減できます。
  5. 適切な水分量を摂取する:個人の水分摂取量の適切なレベルは、運動、気候、健康状態、妊娠、授乳などの多くの要因によって異なります。腎臓や心臓、肝臓の病気がある場合は、水分摂取量を調整する必要があるかもしれません。あなたの状態に適した水分摂取量について医師に相談してください。
  6. 喫煙しない:喫煙は腎臓への血流を遅くします。腎臓に到達する血液が少なくなると、腎臓機能が低下する可能性があります。喫煙はまた、腎臓がんのリスクを約50パーセント増加させます。
  7. 市販の抗炎症/鎮痛剤を定期的に服用しない非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)/鎮痛剤(例:イブプロフェンなどの薬)などの一般的な薬は、定期的に服用すると腎臓に害を及ぼす可能性があります。
  8. 「高リスク」因子が1つ以上ある場合は、腎機能をチェックする

   糖尿病を患っている
   高血圧症を患っている
   肥満
   家族に腎臓病患者がいる

以上のように、食事や運動などの生活スタイルを見直せば、腎臓病リスクを減らすことが出来ます。腎不全や心筋梗塞・脳卒中のリスクを減らすために、「8ゴールデンルール」をぜひともお試しください。

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☆日本腎臓病協会と協和キリン ~慢性腎臓病(CKD)の疾患認知度に関するアンケート調査を実施 ~http://chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/viewer.html?pdfurl=https%3A%2F%2Fj-ka.or.jp%2Fnewsinfo%2Fbfce01b8a3079ea1b02e6007ed469bfdc095bba7.pdf&clen=533101&chunk=true

☆NPO 法人 日本腎臓病協会https://j-ka.or.jp/

☆協和キリン株式会社https://www.kyowakirin.co.jp

☆世界腎臓デー https://www.worldkidneyday.org/

☆世界腎臓デー 「8 Golden Rules」https://www.worldkidneyday.org/facts/take-care-of-your-kidneys/8-golden-rules/

以上

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