訪問介護サービスを利用できそうな方法を調べた検索の失敗例と成功例を紹介します!
9月16日のブログでご紹介したように、「訪問系サービス」を利用していない方が70%という数字が気になりました。それで「訪問系サービスを皆様が知らないのでは?」「訪問系サービスを調べにくいのでは?」と疑い、実際に検索してみました。予想通り検索方法が分からず1時間かかって失敗し、その後、やっと検索に成功した方法をご報告します。
1.介護サービスを検索するための設定
今までは母親が、一人暮らしで介護サービスも使わず、元気に暮らしていた。が、コロナで足腰が弱ってしまい、座敷で転んで怪我をし、入院してしまった。母は、退院後はまた自宅で暮らしたいと望んでいる。
かなり弱ってしまった母の希望を叶えるため、他県に住んでいる娘、山田花子さんが遠距離介護を始めることを決意した。まずは母に介護認定を受けてもらい、介護サービスを利用したい。介護度はまだわからないが、平日に母の排泄介助に通って欲しい。自宅に手すりもつけたい。事業所もケアマネジャーも何も分からないが、このようなサービスを利用出来る事業所とケアマネージャーの候補リストを作りたい。
2.今回調べた地方自治体
東京都A区です。東京23区で一番要介護認定率が高かったので、一番多くの方が利用なさっているのではと考えました。
ではこれから、山田花子さんが東京都A区に住んでいるお母様に合った介護サービスを提供してくれる事業者とケアマネジャー候補を探した方法をお知らせします。
3.失敗した検索方法
⇒厚生労働省の「介護事業所・生活関連情報検索」から「生活支援等サービスを検索する」で調べた
『このホームページでは、全国約21万か所の「介護サービス事業所」の情報が検索・閲覧できます。皆様の「事業所・施設選び」を支援いたします。』と書かれていますが、山田花子さんは実家近くの介護事業所の名前を知りません。
厚生労働省のホームページに『まずは、このホームページの「全国地図」から、お住まいの都道府県を選択(クリック)して下さい!』と書いてあるので、全国地図から東京都を選ぶと8項目が表示されます。(自動的に東京都のホームページ「介護事業所・生活関連情報検索」に遷移しています)
〇介護事業所を検索する
〇地域包括支援センターを検索する
〇住まい(サービス付き高齢者向け住宅)を検索する
〇生活支援等サービスを検索する
〇有料老人ホームを検索する
〇認知症に関する相談窓口を検索する
〇医療機関を検索する
〇薬局を検索する
山田花子さんは訪問介護サービスを利用できる事業所を探したかったので、「生活支援等サービスを検索する」をクリック。
⇒ すると画面の表題が「施設検索(生活支援等サービス検索)」に勝手に変更され、あいうえお順に地名が並んでいました。
「施設検索」の言葉に違和感を感じながらも、A区にチェックを入れ、画面最下段の「サービスを選択」ボタンをクリック。
あ行のA区の名前の後に(0)と表示されていたので嫌な予感がしましたが、的中。
A区の「施設検索(生活支援等サービス検索)」画面に切り替わり、以下の項目が全部ゼロでした。
〇見守り・安否確認 (0)
〇配食(+見守り・安否確認) (0)
〇家事援助 (0)
〇交流の場・通いの場 (0)
〇介護者支援 (0)
〇外出支援 (0)
〇多機能型拠点 (0)
〇その他 (0)
データの更新日時の記載もないので、更新されていないのか、バグなのか不明です。
ただし、同じ「あ行」の板橋区には(77)の表記があり、試しに選択して板橋区をクリックすると、情報がありました。 見守り・安否確認 (2)と 交流の場・通いの場 (75)が表示され、選んでクリックするとこのサービスを提供する事業者の情報が表示されました。
納得のいかない山田花子さんは、検索画面を東京都の「介護事業所・生活関連情報検索」戻りました。
警告です!希望するサービスを利用できる事業所を探したいと望んでも、「生活支援等サービスを検索する」をクリックすると失敗します。
東京都の「介護事業所・生活関連情報検索」は、一番大きな「介護事業所を検索する」ボタンをクリックしないと、ほぼ、たどり着かない設定になっています。ご注意ください。
4.成功した検索方法1
⇒ 「介護事業所・生活関連情報検索」の「介護事業所を検索する」をクリックし、「本人家族に合ったサービスを探す」で探す
東京都の「介護事業所・生活関連情報検索」画面に戻りました。
⇒ 一番上にある「介護事業所を検索する」をクリック。
⇒ すると画面が切り替わり、「新着情報」と「🔍キーワード検索」、「🔍他の条件で探す」の3項目が現れます。
🔍キーワード検索(事業所名、市町村名等を直接入力)
🔍他の条件で探す
◎本人家族に合ったサービスを探す
◎目的や場所に合わせて介護事業所を探す
◎詳しい条件で探す(ケアマネジャー等)
そこで山田花子さんは、「本人家族に合ったサービスを探す」をクリック。
⇒ するとひと回り小さいポップアップ画面が現れ、3択になります。
「サービスを利用する方はどちらに該当する方ですか?」
〇要支援1又は2
〇要介護1~5
〇わからない
「わからない」をクリックするとその欄が黄色に変わり、「確定して次へ」ボタンをクリック。
⇒ 画面が下に動き、「ご利用を希望するサービスはどんなサービスですか?」※複数選択可 と表示されて選択肢が7つ表示されます。
〇介護の相談にのってもらう
〇自宅に訪問して介護してもらう
〇施設等に通って介護してもらう
〇施設等に短期間宿泊して介護してもらう
〇訪問・通いや短期宿泊を組み合わせて介護してもらう
〇施設等に入所して介護してもらう
〇福祉用具(車いす・ベッド等)を利用する
「自宅に訪問して介護してもらう」をクリックするとその欄が黄色に変わり、「確定して次へ」ボタンをクリック。
⇒ 画面が下に動き、「休日のサービス利用は希望しますか?」と表示されて選択肢が2つ表示されます。
〇希望する
〇希望しない
山田さんは困りましたが、両方は選べません。仕方なく仮に「希望しない」をクリックするとその欄が黄色に変わり、「確定して次へ」ボタンをクリック。
⇒ 画面が下に動き、「サービスをうけたい地域を選択してください。」と表示されて選択肢が3つ表示されます。
〇地図から探す
〇市区町村名から探す
〇お住いの住所から探す
「市区町村名から探す」をクリックするとその欄が黄色に変わり、「確定して次へ」ボタンをクリック。
⇒ 画面が下に動き、「以下の市区町村名から地域を選択してください。」と「あ行」~「ま行」のタブが並び、「あ行」を選ぶと、13市町村名が並んでいます。A区にチェックを入れて、「上記リストから選択した地域で確定する」ボタンをクリック。
↓
確認のため「探す条件を変更したい場合は・・・探す条件に変更がない場合は下の「検索する」をクリックしてください。」と表示され、「🔍検索する」ボタンをクリック。
⇒ やっと、情報に辿り着きました!
「291件の該当があります」と表示があり、下に太字で事業所名が表示され、以下の項目がコンパクトに一目で確認できます。
〇所在地
〇受け入れ情報更新日
〇サービス提供地域
〇営業時間(平日・土曜日・日曜日・祝日・定休日・留意事項)
〇公表日・公表年度・電話番号・事業所番号・ホームページへ飛ぶボタン
〇詳細情報を見るボタン
特に右下ブルーの「詳細情報を見る」をクリックすると画面が切り替わり、その事業所の細かい情報が分かりやすく並んでいます。
〇事業所の概要(運営状況、サービス内容、利用料、従業員情報、利用者情報、介護報酬の加算状況、その他)
〇事業所の特色(受け入れ可能人数、サービスに関する自由記述、質向上への取組、処遇改善の内容、従業員の男女比、従業員の年齢構成、従業員の特色、利用者の男女比、利用者の年齢構成)
〇事業所の詳細(法人情報、所在地など、従業員の勤務形態や資格など、介護サービスの内容など、利用料など)
〇運営状況(運営状況の円グラフチャート、利用者の権利擁護、質の確保への取組、相談・苦情等への対応、外部機関などとの連携、事業運営・管理、安全・衛生管理等、従業員の研修等)
〇その他
特にこの「詳細情報を見る」ボタンはとても優秀です。
*事業所の運営状況が円グラフチャートで表示されいるのは、7項目の評価が一目で平均以下か平均以上か判別できます。
*従業員の資格や勤務形態もクリックすれば表示されるので、「全員女性で、40代と50代なんだ」とか「常勤が8割で、兼務が2割か」など理解できます。
*情報更新日も明記されていますので、安心です。また、事業所の所在地から地図を開くことも出来るので、地図で場所を確認することも可能です。
*物件探しのアプリと同じで、「お気に入りに追加」や「比較対象に追加」ボタンもあります。
5.成功した検索方法2
⇒ 「介護事業所・生活関連情報検索」の「介護事業所を検索する」をクリックし、「目的や場所に合わせて介護事業所を探す」で探す
念のため、「目的や場所に合わせて介護事業所を探す」 から検索するとどうなるかを調べてみました。
「介護事業所・生活関連情報検索」の「介護事業所を検索する」をクリック。
⇒ 「目的や場所に合わせて介護事業所を探す」をクリック。
⇒ すると画面は変わり、「受けたいサービスを選択してください」と7つの選択肢が表示され、下には「サービスを受けたい地域を選択してください」と3つの選択肢が表示されます。
「受けたいサービスを選択してください」
〇介護の相談にのってもらう
〇自宅に訪問して介護してもらう
〇施設等に通って介護してもらう
〇施設等に短期間宿泊して介護してもらう
〇訪問・通いや短期宿泊を組み合わせて介護してもらう
〇施設等に入所して介護してもらう
〇福祉用具(車いす・ベッド等)を利用する
「サービスを受けたい地域を選択してください」
〇地図から探す
〇市区町村名から探す
〇お住いの住所から探す
上記のそれぞれを選んで「🔍検索する」ボタンをクリックすれば、同じ検索結果にたどり着きます。「目的や場所に合わせて介護事業所を探す」をクリックして検索すれば、選択項目が少ないです!
サービスを受けたい曜日が不明な方は、この方法であれば「休日のサービス利用は希望しますか?」の質問に困って立ち往生しないで済みます。
6.最適な検索方法
初めて東京都の介護サービス探すかたは、「介護事業所・生活関連情報検索」の「介護事業所を検索する」をクリックし、「目的や場所に合わせて介護事業所を探す」から探してください。最短時間で情報にたどり着きます。
次回は、東京都の「介護事業所・生活関連情報検索」画面から「介護事業所を検索」⇒「🔍詳しい条件で探す(ケアマネジャー等)」で検索した様子をお届けします!
☆厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/readme/
☆東京都「介護事業所・生活関連情報検索」https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/13/index.php
☆「介護離職や自宅から施設介護へと選択を迫られる、在宅介護の限界点をご存じですか?」https://kizuna-iyashi.com/2022/09/16/homemade-180/
以上