漢方外来が開設されている全国の大学病院一覧(1/2)
お待たせいたしました、漢方外来を開設している全国の大学病院の情報をお届けします。特に大学病院を選んだ理由は、受診する場合は現代医学的治療と漢方治療の良さを組み合わせた統合医療が好ましいと考えたからです。今回は、北海道・東北地方と関東地方の23病院、来週11月24日は北陸地方、近畿・東海地方、四国・中国地方、九州・沖縄地方の24病院の情報をお届けします。この情報があなたのご参考になれば幸いです。(地域別、五十音順、2023年11月11日現在)
◎北海道・東北地方
*1「秋田大学医学部附属病院 漢方外来」
https://www.hos.akita-u.ac.jp/departmentlist/kanpogairai.html
『診療内容:秋田大学医学部附属病院では,「健康な心と病気になりにくい身体を作り,いわゆる健康創成の立場で治療を実践すること」を理念として漢方外来を開きました。
ここでは,西洋医学に加え漢方を専門に学んだ医師により,脈診・舌診・腹診など東洋医学の伝統的な診断方法に基づいて,個々の患者様に最も適した伝統的な漢方薬による治療を行っております。治療時に処方される漢方薬は保険適用となっているエキス剤がほとんどなので,経済的負担も少なく安心して専門家の治療が受けることができます。
また,疾患の種類や程度によっては秋田大学医学部附属病院の様々な診療科と連携し,各分野の専門家とともに治療を進めて行きます。どうぞお気軽にご相談下さい。』
*2「東北医科薬科大学 若林病院 漢方外来」
https://www.hosp.tohoku-mpu.ac.jp/wakabayashi/department/kanpou/index.html
『漢方の得意分野としては、冷え症や疲れやすいといった体質の改善のほか、月経痛や月経前症候群、更年期障害などの女性特有の症状や、慢性化したさまざまな身体の症状が挙げられます。また、悪性腫瘍(がん)やアトピー性皮膚炎などに対しても、現代医学による治療と併用して補助的に漢方薬を使うことが可能です。最近は、新型コロナ感染症後も続く咳などの症状の改善にも、漢方薬は効果を発揮しています。
漢方薬による治療をご希望の方がいらっしゃいましたら、気軽にご相談ください。』
*3「東北大学病院 漢方内科」
https://www.hosp.tohoku.ac.jp/departments/d1108/
『診療内容:漢方内科では、漢方薬治療と鍼灸治療を行っています。日本の伝統医学である漢方・鍼灸の特徴は、自然界も含めた包括的な視点で人を診るということです。当科では、現代医学では対応しきれない領域に伝統医学を活用する統合医療を目指しています。』
*4「福島県立医科大学附属病院 漢方内科」
https://www.fmu.ac.jp/byoin/new/sinryoka/kanpou.html
『詳細案内:
1、 患者さんの病態について漢方の診断法(望診 聞診 問診 切診[手で触れて診察をすること])を行い、証を把握し、漢方薬を処方いたします。
2、 当面、顆粒などの漢方製剤(エキス剤)のみの診療ですが、生薬を用いたより高度な漢方治療が必要な場合には、ご希望も伺い、会津医療センターへの紹介など、連携して対応いたします。
3、 西洋医学だけでは十分な効果が得られない疾患や西洋医学的治療における副作用のため治療継続が困難な患者さんにぜひ受診いただきたく思います。
4、 紹介状(院内または院外)が必要です。』
◎関東地方
*1「北里大学病院 漢方外来」
https://www.kitasato-u.ac.jp/khp/section/department/kanpoug.html
『漢方外来は、内科総合外来で診療を行なっています。当院は特定機能病院の承認医療機関です。受診には診療所・病院からの紹介による受診を原則としております。当院の受診を希望される場合は原則として、他の医療機関(かかりつけ医)からの紹介状が必要となります。』
*2「群馬大学医学部附属病院 総合診療科(和漢診療部門)」
https://hospital.med.gunma-u.ac.jp/?page_id=15128
『東洋医学(漢方)と西洋医学の融和を目指した医療を実践するため、総合診療科と共に外来を行っております。漢方と西洋医学の中から患者さんにとって最善と思われる方法を選択し診療させていただきます。
主な対象疾患:
*西洋医学の診断で異常がないと言われるが体調がすぐれない方(虚弱、冷え性、倦怠感など)
*西洋医学の治療の補助治療として(アレルギー性疾患、癌、消化器・呼吸器疾患など)
*女性の性周期に関連する体調不良(月経困難症、月経前症候群など)』
*3「慶應義塾大学病院 漢方医学センター」
https://www.hosp.keio.ac.jp/annai/shinryo/kampo/
『特色:平成5年、慶應義塾大学病院に「現代医学のなかで漢方治療をより良く生かす」を理念として漢方医学センター診療部が開設されました。現在では患者数も増え、最先端の医療と身体全体にやさしい漢方治療とを同時に受けられる数少ない施設としての地位を確立しています。
そこでは西洋医学に加え漢方を専門に研修した医師より、脈診・舌診・腹診など漢方医学の伝統的な診療方法に基づいて、個々の患者さんに最も適した伝統的な漢方薬による治療を行っております。
服用の簡便なエキス剤が主ですが、伝統的な煎じ薬を出すこともあります。いずれも保険が適用となりますので、経済的負担が少なく専門家の診療が受けられます。』
*4「国際医療福祉大学熱海病院 漢方内科」
https://atami.iuhw.ac.jp/clinic/kanpounaika.html
『漢方治療は、患者様を全人的に診て柔軟に対応できる長所を持っています。日本の漢方医療の特徴は明治期以来、別個の免許ではなく西洋医学の単一の医師免許によって現代医学との融合により発展してきたことにあり、国際的にも特徴的であるといえます。そこで、漢方薬と現代医薬を組み合わせて治療効果を高めることも可能です。
また、心身の不調に対して漢方治療を取り入れることによってQOL(生活の質)の向上が期待できます。漢方薬の薬理活性は必ずしも強くはないのですが、特徴的な点として酸化ストレスの解消や、心身機能のサポート効果などがあります。
当科では、現代医学の高度先進的医療を提供する院内の各診療科の専門領域の医師と連携し、さらに総合内科的診療を背景にして漢方診療を行っています。漢方内科診療の対象となる患者様は、標準的治療にさらに上乗せ効果をはかりたい方や、多彩な心身両面にわたる症状を伴っている方などとなります。』
*5「埼玉医科大学病院 東洋医学科」
https://www.saitama-med.ac.jp/hospital/division/department/integrated_medicine/
『当科は1984年に当時の第2内科に東洋医学部門として設立され、以降諸先輩方が鍼灸・漢方薬治療の両輪で今日まで牽引してくださいました。数ある日本の大学病院の中で、本学のように鍼灸と漢方薬治療の両者を兼ね備えた診療体制を東洋医学科として有するのは、ごくわずかに限られております。
漢方薬治療:冷え、易疲労など機能的疾患(器質的な異常がないため良い治療方法が見つけにくい疾患)、現代医学だけでは十分な治療方法のない疾患、治療方法はあるが副作用やアレルギー体質などで治療が困難、複数の病気を抱え診療科が多岐にわたり治療が困難な例など、もう一つの治療方法として、現代医学との併用も含めて対応いたします。
鍼灸治療:Bell麻痺、Ramsay Hunt 症候群、片頭痛、緊張型頭痛、非特異的腰痛、腰部脊柱管狭窄症、頚椎症、神経障害性疼痛(帯状疱疹後神経痛など)、突発性難聴、機能性消化管疾患(機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群)、シェーグレン症候群、がん・がん治療の副作用による諸症状、過活動膀胱、月経困難症、不妊症』
*6「埼玉医科大学 かわごえクリニック 東洋医学(はり・漢方)外来」
https://www.kc.saitama-med.ac.jp/departments/dep02/index.html
『当科で研究実績のある疾患・症状
*慢性の痛み(頭痛、腰痛、肩こり、関節痛)
*神経痛・しびれ(腰部脊柱管狭窄症など)
*力が入らない(顔面神経麻痺、四肢の脱力など)
*がん・がん治療に伴う諸症状(痛み、しびれ、食欲不振など)
*難聴・耳鳴り(突発性難聴など)
*脳卒中後遺症(疼痛・痙性麻痺)
*神経難病の諸症状(筋肉のつっぱり、こわばりなど)
*膠原病の諸症状(リウマチ、シェーグレン症候群)
*冷え症、月経困難症、不妊症などの婦人科疾患
*便秘や胃の不快感などの胃腸症状
*精神・神経症状(うつ症状、不眠症など)』
*7「順天堂大学医学部附属順天堂医院 総合診療科 漢方外来」
https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/sougou/senmon.html
*8「昭和大学病院 東洋医学科」
https://www.showa-u.ac.jp/SUH/department/list/oriental_med/
『診療科紹介:西洋医学が得意とする疾患・病態がある一方で、不定愁訴・慢性化した症状・多くの病態・症状の重複などは漢方医学が力量を発揮しやすい分野です。当外来は「現代医療の診療を尊重し、その上で漢方医学の利点を生かした治療を行うことをモットーとしています。すなわち現代医療のなかで漢方治療の効果をよりよく生かす」という基本姿勢で診療に励んでいます。』
*9「千葉大学医学部附属病院 和漢診療科」
https://www.ho.chiba-u.ac.jp/hosp/section/wakan/index.html
『当科が対象とする患者さんは次のような方々です。
①西洋医学的異常はないが、体調が優れない方。冷え症、めまい感、虚弱体質など。
②西洋医学の治療で十分な効果が得られない方。アトピー性皮膚炎、花粉症など。
③西洋医学的診断が付いているが有効な治療法がない方。例えば、慢性腎不全で透析には至らないが、次第に悪化傾向にある、など。
④病気が見つかり、治療を受けたのに相変わらず症状が残っている方。
⑤がんの化学療法などでつらい副作用が出て困っている方。』
*10「筑波大学附属病院 漢方外来」
https://www.hosp.tsukuba.ac.jp/outpatient/special/herb.html
『診療案内:ストレスからくる不調、高齢者にみられる精神症状や身体症状には、漢方治療が有効なことがあります。 このような不調でお悩みの方のために本外来は開設されました。
外来では、まずあなたの身体の漢方医学的特徴についてチェックし、そのうえで漢方医学的治療を行います。』
*11「東海大学医学部付属 東京病院 漢方外来」
https://www.tokyo-hosp.tokai.ac.jp/department_list/naika/chinese_medicine/
*12「東海大学医学部付属病院 東洋医学科」
https://www.fuzoku-hosp.tokai.ac.jp/service/toyo/
『診療内容:
漢方医学はおよそ1500年前に中国から日本に伝わり、独自の発展を遂げた日本の伝統医学です。現在の日本では保険診療で約160種の生薬と147種類の漢方エキス製剤、1 種類の漢方軟膏製剤を用いることができま す。
当院では大学病院の充実した機能を生かして、最先端の現代医療と専門的な漢方医学とを同時に実施できるため、多くの患者様の健康に広く貢献できるものと自負しています。また、当院では医療技術職員として 鍼灸師が常勤しており、鍼灸治療を併用することができる点も大きな特色です(自費診療)。現在、患者数は月間約500名、鍼灸治療は約150名で推移しており、院内他科や地域の医療機関からの紹介を中心に診療を 行っています。
主な対象疾患:
漢方医学においては心身一如の考え方に基づき、心と体のさまざまな症状を治療対象としています。もちろん現代医学的な診断・評価は非常に重要ですので、必要があれば当科で西洋医学的な検査を実施したり、院内他科の専門医と連携させていただいたりすることもあります。内科、婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科、整形外科、精神科などの多くの領域の疾患が漢方治療の適応であり、現代医学的な治療が奏功しない症状でお悩みの場合には是非一度ご相談ください。』
*13「東京医科大学病院 漢方医学センター」
https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/kampo/
『漢方医学センターの特長:現代医学的治療と漢方治療の良さを組み合わせた医療を統合医療と呼んでいますが、統合医療によってより良い治療効果が発揮されると考えています。同様の理由から、基本的に院内紹介制を取らせていただいております。まずは各診療科の主治医にご相談ください。』
*14「東京慈恵会医科大学附属病院 総合診療部 漢方外来」
https://www.hosp.jikei.ac.jp/diagnosis/department/schedule_101.html
『専門外来では、初診患者さん(紹介状をお持ちでない方)の診察をお受けしておりません。初診の方は、まず一般外来で診察いたします。ご理解とご協力をお願いいたします。
漢方外来の診察場所は、総合診療部です。漢方診療をご希望の患者さんは総合診療部(内線3295)にてご予約頂きますようお願い申し上げます。』
*15「東京女子医科大学附属 東洋医学研究所」
https://www.twmu.ac.jp/hospital/IOM/
『東京女子医科大学附属東洋医学研究所は、漢方外来(保険)と鍼灸外来(自費)を併設した、日本でも稀少な医科大学附属施設です。
東洋医学では「心身一如」、ココロとカラダは密接に関係していると考え、心身全体のバランスを整える治療をします。当研究所では、東洋医学と西洋医学を併用した全人的な診療によって、一人ひとりの体質や自覚症状に合わせた漢方診療・鍼灸治療を行っています。
頭痛、疲労・倦怠感、慢性疾患などの心身全体へのアプローチ
月経に伴う諸症状や更年期症状の悩み
健康増進(冷え性、虚弱体質)
加齢に伴う症状(フレイル)
病後、術後の体力回復』
*16「東邦大学医療センター 大橋病院 漢方外来」
https://www.ohashi.med.toho-u.ac.jp/sinryo/kanpo.html
『漢方外来は2005年4月から開設された新しい診療部門です。
漢方は大きく分けて、漢方薬の使用による薬物療法と、鍼治療による生体への直接的刺激療法があり、その基本理念は体質調整,体質改善にあります。また現在、医療の中心的役割を担っている近代的西洋医学とは相反するものではなく、両者を相互主体的に応用することにより、疾患への適応範囲が広がり、治療効果もより増大するものと考えています。』
*17「東邦大学医療センター 大森病院 東洋医学科」
https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/oriental_med/
『診療内容:1号館2階東洋医学科外来(漢方・鍼灸外来)で診療を行っております。
大学病院における難治疾患を含む病に対して、さまざまな角度から総合的に診断を行い、東洋医学的な診断を行います。現在は漢方エキス剤、保険内の煎じ薬の治療です。
さらに病態に応じて、大学病院における、理論に基づいた高度な鍼灸外来と特殊外来を併せて、東洋医学的治療(漢方・鍼灸)の効果を上げております。また、他科と密接な連携を取りながら、診療を進めております。』
*18「日本医科大学付属病院 東洋医学科」
https://www.nms.ac.jp/hosp/section/oriental-medicine.html
『東洋医学科では、西洋医学的な診断・治療に加え、保険適用となっている各種のエキス剤をはじめ、生薬そのものを用いた湯液治療を中心にさまざまな疾患に対応しております。また必要に応じ、日本医科大学付属病院のさまざまな診療科を紹介し、各分野の専門家とともに治療をすすめております。どうぞお気軽に御相談ください。』
*19「日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学外来」
https://www.itabashi.med.nihon-u.ac.jp/division/general
『東洋医学外来:
・漢方医学的な診断に基づき,患者さんひとりひとりに合った漢方治療を行います
・患者さんご自身の症状の改善とQOL(生活の質)の向上習慣の改善をめざす「個の医療」を大切にします
・現代の西洋医学で診断や治療に難渋する疾患や,診断のつかない症状についても治療が可能な場合があります
・疾患と関係ないと思われている症状との関連性を見つけ,生活習慣の改善を通して健康を取り戻すことを目指す養生(ようじょう)の指導も行っております(一部の医師のみ)
・当病院の各専門の診療科との連携医療を十分に行って,現代西洋医学と併用治療を行うことも可能です
診療体制:
東洋医学外来は,漢方医学的な診察にもとづいて漢方薬を用いて患者さんの治療を行う診療科です。
漢方薬を用いた治療をお子様からご高齢の方までお受けいただけます。特に疾患の制限はございません。個別のケースについては直接お問い合わせください。
原則として予約診療です。東洋医学外来に電話で診療の予約をする,あるいは直接,来院されて予約をすることが必要です。診察前にはアンケート用紙に症状などに関する記入をお願い致しています。
なお,当院は特定機能病院のため医療機関からの紹介状の持参をお願い致します。 』
◎北陸地方
*3「富山大学附属病院 和漢診療科」
◎近畿・東海地方
*2「大阪大学医学部附属病院 漢方内科」
*6「神戸大学医学部附属病院 漢方内科」
*10「三重大学医学部附属病院 漢方医学センター」
◎四国・中国地方
*1「愛媛大学医学部附属病院 漢方外来」
*3「高知大学医学部附属病院 総合診療部 高度先進医療・特殊治療」
*4「島根大学医学部附属病院 漢方外来」
*6「広島大学病院 漢方診療センター」
◎九州・沖縄地方
*2「鹿児島大学病院 漢方診療センター」
*3「九州大学病院 漢方外来」
*4「福岡大学病院 総合診療部」
北陸地方、近畿・東海地方、四国・中国地方、九州・沖縄地方の詳細情報は、次週11月24日にお届けします。
以上