🌻【認知症実例】不安・不眠・徘徊に苦しむ82歳女性が漢方薬「加味帰脾湯」で劇的回復!
🔗 シリーズ一覧:漢方とリハビリで回復した高齢者実例
| シリーズ回数 | 記事タイトル | リンク先URL |
| 第1回 | 🌻【認知症実例】不安・不眠・徘徊に苦しむ82歳女性が漢方薬「加味帰脾湯」で劇的回復! | https://kizuna-iyashi.com/2024/02/02/homemade-256/ |
| 第2回 | 🌻 【奇跡の実例】誤嚥性肺炎で寝たきりに…91歳男性が漢方「補中益気湯」とリハビリで自宅復帰! |
https://kizuna-iyashi.com/2024/02/09/homemade-257/ |
| 第3回 | 🌻 【実例】骨折後の寝たきり、敗血症後の衰弱から自力歩行へ!80代女性を救った漢方「補中益気湯」 | https://kizuna-iyashi.com/2024/02/16/homemade-258/ |
| 第4回 | 🌻 【最終回実例】心不全・脳梗塞後の重度衰弱から自力歩行へ!漢方薬がリハビリ効果を倍増 | https://kizuna-iyashi.com/2024/02/23/homemade-259/ |
🌻【認知症実例】不安・不眠・徘徊に苦しむ82歳女性が漢方薬「加味帰脾湯」で劇的回復!
認知症の進行に伴う不安、不眠、徘徊(はいかい)といった症状(BPSD)は、ご本人だけでなく、介護するご家族にとっても大きな負担となります。
今回は、80歳で認知症を発症し、急速に症状が悪化して苦しんでいたDさん(82歳女性)が、漢方薬の治療で劇的に回復し、自宅で生活できるようになった実例をご紹介します。
1. 突然悪化したDさんの認知症症状と、それまでの治療
Dさんは60歳頃から糖尿病と高血圧の治療を続けていました。
80歳頃から物忘れが目立ち始め、徐々に進行。そして81歳頃から症状が深刻化しました。
-
眠れない
-
漠然とした不安感やイライラが強い
-
認知症の中核症状(記憶障害や判断力の低下など)が進行 →→→ 【補注*1】
これらの症状(BPSD)を抑えるため、近所の精神科で抗不安薬や抗認知症薬を処方されましたが、残念ながら目立った効果はありませんでした。
82歳の夏頃には、徘徊が始まり、さらに食欲不振から急激に衰弱。同年9月、協和中央病院の漢方外来で入院治療を始めることになりました。
2. 入院時のDさんの状態は?(漢方的診断)
入院時のDさんは、身長147cmに対し体重は40kgと、ひどく痩せて衰弱していました。
医師は、Dさんの全身状態を西洋医学的な検査に加え、漢方医学的な視点からも詳しく診察しました。
📌 漢方医学的な診断のポイント
漢方では、Dさんの症状や身体の状態を詳しく診察した結果、以下のように診断されました。
-
顔色が青白く、手足が冷えている:病気の性質は「寒(かん)」
-
皮膚がひどく乾燥している:体に必要な栄養(血)が不足した「血虚(けっきょ)」の状態 →→→【補注*2】
-
脈や腹部の緊張が弱い:体力や生命エネルギー(気)が衰え、心身が緊張している状態
つまり、Dさんは心身の栄養もエネルギーも不足し、極度に衰弱し、強い不安と不眠に苦しんでいると診断されたのです。
3. 症状を劇的に改善させた漢方薬「加味帰脾湯」
漢方治療では、西洋薬(抗認知症薬など)はそのまま継続し、衰えた「気」と「血」を補い、不安を鎮める漢方薬を新たに処方しました。
💊 漢方治療の切り札
-
加味帰脾湯(かみきひとう) →→→【補注*3】
🩺 服薬後の経過
| 経過 | Dさんの変化 |
| 服薬 1週間目 | 表情が穏やかになり、ぐっすりと眠れるように。 |
| 服薬 1カ月後 | 徘徊が減少。会話や着替えなどの中核症状にも多少改善が見られ、話が通じやすくなった。 |
| 服薬 2カ月後 | 食欲が回復し、体重が増加。貧血も改善。 |
Dさんは体力が回復し、活気を取り戻したことで、無事に退院することができました。
退院後も通所リハビリテーションなどを利用できるようになり、同居のご家族の介護負担は著しく軽減したそうです。
4. なぜ効いた?「加味帰脾湯」の4つの作用
「加味帰脾湯」は、衰えた心と体を立て直し、不安を解消するために、大きく4つの作用でDさんの回復を支えたと考えられます。
| 作用 | 漢方的な表現 | 効果の具体例 |
| 1. 意欲回復 | 補気(ほき)作用 | 人参などの生薬で、エネルギー不足を補い、意欲を回復させた。 |
| 2. 食欲安定 | 補脾胃(ほひい)作用 | 胃腸の働きを高め、食欲を安定させ、栄養状態を回復させた。 |
| 3. 貧血改善 | 補血(ほけつ)作用 | 竜眼肉(りゅうがんにく)や当帰(とうき)で「血」を補い、貧血や栄養状態を回復させた。 |
| 4. 不安解消 | 精神安定・清熱(せいねつ)作用 | 酸棗仁(さんそうにん)などで精神を安定させ、焦燥感(イライラ)を鎮めた。 |
これらの作用により、不眠、不安、焦燥感が解消され、栄養状態も回復したことで、Dさんは身体活動性を取り戻すことができました。
また、漢方薬が既存の抗認知症薬の作用と相まって、認知症の中核症状に対する効果も増強した可能性も考えられています。
💐 まとめ:介護ストレスが爆発する前に漢方薬の可能性を
暴言、暴力、多動、そしてこの実例のような精神不安、不眠、徘徊まで、認知症のBPSDの振れ幅の大きさは、ご家族に深刻な介護ストレスをもたらします。
漢方薬は、認知症の症状を直接抑えるだけでなく、「気力」や「体力」といった心身の根本的な衰弱に働きかけることで、リハビリへの意欲向上や、西洋薬との相乗効果も期待できます。
もしもあなたが介護ストレスを抱えて苦しんでいらっしゃるなら、介護ストレスが爆発しないうちに、ぜひ漢方薬の専門家に相談してみてはいかがでしょうか?
【補注】専門用語の解説
-
*1: 認知症の中核症状:認知症の病気によって直接起こる症状のこと。記憶障害(新しいことが覚えられない)、見当識障害(時間や場所が分からない)、遂行機能障害(計画を立てて行動できない)などがあります。
-
*2: 気虚(ききょ)・血虚(けっきょ):漢方医学の概念。
-
気虚:元気の源となる生命エネルギーの不足。
-
血虚:皮膚や臓器を作る栄養(血)の不足。皮膚の乾燥や貧血、体力低下などが起こります。
-
-
*3: 加味帰脾湯(かみきひとう):心身が疲れ、血色が悪い人の、貧血、不眠症、精神不安などの改善に用いられる漢方薬。
-
*4: BPSD:認知症に伴って現れる行動・心理症状のこと。不安、不眠、徘徊などがこれにあたります。
-
*5: 漢方医学的な診断の所見:Dさんの診断に用いられた具体的な情報。
-
脈診:脈が沈んで弱く、病気が体の深いところにあると診断。
-
舌診:舌の苔が薄く白いのは、疾病の始まりを意味します。
-
腹診:腹部の筋肉の緊張が弱く、精神的な緊張も示され、心下痞鞕(みぞおちの抵抗感)などから消化器や心臓に関連する問題が推測されました。
-
📚 謝辞・情報源
-
症例報告:「不眠、不安が顕著な認知症に加味帰脾湯が有効であった1例」玉野雅裕 ほか(「脳神経外科と漢方」2018年)
-
漢方のお医者さん探し:漢方・漢方薬に詳しい医療機関(病院・医院・医師)を検索できます。(https://www.gokinjo.co.jp/kampo/)
-
日本脳神経漢方医学会:脳神経領域における漢方療法に関する研究を行っている学会。(https://nougekampo.org/)
以上




