朗報!遠赤外線低温サウナがフレイルを改善します

朗報!遠赤外線低温サウナがフレイルを改善します

朗報!遠赤外線低温サウナがフレイルを改善します(승삼 오によるPixabayからの画像)

東京都健康長寿医療センターの杉江正光医員らの研究グループが、 運動を行う事が困難な高齢者のフレイル対策として遠赤外線低温サウナプログラムが有効であることを、発表なさいました。日本老年医学会が発行する英文誌「Geriatrics & Gerontology International」のWiley Online Libraryから内容をご紹介します。https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/ggi.14003

まず「フレイル」をおさらいします。

フレイルとは、加齢とともに運動機能や認知機能などが低下し、いくつかの慢性疾患などの影響も重なって、日常生活を自立して維持できる機能が衰え、心も体も弱まり衰えた状態を指します。多くのご高齢の方々は、このフレイルを経て要介護状態へ進むと考えられています。

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朗報!遠赤外線低温サウナがフレイルを改善します(Marjon Besteman-HornによるPixabayからの画像)

英国のデ・ モントフォート大学が、「英国加齢縦断研究(ELSA)」に参加した50歳以上の男女を対象に、8,780人を12年間追跡した調査データから、フレイルの発症について解析しています。その結果、65歳以上の高齢者の約10%がフレイルであることが判明。

さらに、加齢はフレイルのもっとも大きい危険因子ですが、肥満と喫煙習慣がフレイル転落へ拍車をかけることも明らかになりました。https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/p-ssi102419.php

 

つまり、フレイルを避けるためには肥満の場合は体重を減らし、運動を取り入れ、禁煙し、健康的な食生活を送ることが必要と説かれています。膝や腰が痛い方や、もう体力が衰えていて運動ができないご高齢の方はどうすれば良いのでしょうか?

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朗報!遠赤外線低温サウナがフレイルを改善します(MrGajowy3によるPixabayからの画像)

答えは、遠赤外線低温サウナプログラムです!

東京都健康長寿医療センターの杉江正光医員らの研究では、地域在住で66~93歳の高齢者67人(女性49人、男性18人)を対象に週2回、3か月間、遠赤外線低温サウナ(FILTS)プログラムを受けていただき、プログラム実施前後の心身的状況(フレイル 26人、プレフレイル*① 41人)を比較しました。(*①は、最下段の注記を参照)

その結果、遠赤外線低温サウナ(FILTS)プログラム*②後、通常の歩く速さ、ピーク時の酸素摂取量、老年期うつ病の検査数値、健康関連の生活の質、およびいくつかの老人症状(冷え・浮腫み・慢性的な痛み・息切れ・尿漏れ・皮膚のトラブル)の重症度が改善されました。(*②は注記を参照)

プレフレイル41名のうち、7名(17.1%)が健常へ戻り、32名(78.0%)がプレフレイルのままで、2名(4.9%)が悪化してフレイルになりました。フレイル26名の参加者のうち、11名(42.3%)がプレフレイルに改善し、15名(57.7%)がフレイルのままでした。

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朗報!遠赤外線低温サウナがフレイルを改善します(CouleurによるPixabayからの画像)

効果が認められた遠赤外線低温サウナプログラムとは、どのような内容なのでしょうか?

この遠赤外線低温サウナプログラムでは、60°Cに維持された遠赤外線ドライサウナ(Onkan-rebalance OR-1507; Digi-Tech Corporation、富山県高岡市)が使用されたそうです。参加者は15分間座ったままサウナに入り、その後、暖かい毛布で覆われた状態で仰向けに横たわり30分間休憩します。

すべての参加者は、遠赤外線低温サウナプログラムの前後に体重を測定し、汗による体重減少よりも多くの水を飲むように指示されています。遠赤外線低温サウナプログラムは、週2回のセッションで3か月間、合計24回のセッションで構成されていました。

 

遠赤外線低温サウナプログラムなら、お体の不自由な方でも、体力のない方でも参加できそうです。加えて、老人症状(冷え・浮腫み・慢性的な痛み・息切れ・尿漏れ・皮膚のトラブル)が良くなれば、生活の質が向上します。

遠赤外線低温サウナプログラム

遠赤外線低温サウナプログラム(東京都健康長寿医療センタープレスリリース「虚弱高齢者のフレイル対策に遠赤外線低温サウナが有効」より転載)

今回の調査は参加者の数が少なく、男女の差も明確ではなく、偏りもあるかもしれません。けれど効果が認められたのですから、今後の更なる研究と遠赤外線低温サウナプログラムの普及に期待します。

以上

 

謝辞:東京都健康長寿医療センターの高齢者健康増進センター原田和昌副院長、杉江正光医員らの研究グループ皆様と共同研究なさった(一社)日本健康寿命延伸協会の皆様に感謝し、研究の更なる進展に期待いたします。

《出典》

★地域在住高齢者の老人症候群と虚弱に対する遠赤外線低温サウナプログラムの効果 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/ggi.14003

★<プレスリリース>「虚弱高齢者のフレイル対策に遠赤外線低温サウナが有効」https://www.tmghig.jp/research/release/2020/0901-2.html

★Study suggests interventions against frailty https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/p-ssi102419.php

★地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター https://www.tmghig.jp/

《注記》

*①プレフレイル:筋力や活動量が低下したフレイルの前段階。一般的に用いられるフレイルの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断されます。

詳細は健康長寿ネットの「フレイルとは」をご参照ください。https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html

*②遠赤外線低温サウナ(FILTS)プログラム:このプログラムで使用した、遠赤外線低温サウナの機器は通常の遠赤外線低温サウナ機器と異なり、サウナ器には体を囲う四面全てに遠赤外線パネルが配置されており、加えて、位置の高低に関わらず、温度が60度で設定できる特殊な遠赤外線低温サウナ機器だそうです。

共同研究なさった日本健康寿命延伸協会にてサウナの店舗を運営しており(完全予約制)、産業化も進めているそうです。この遠赤外線低温サウナ(FILTS)プログラムや遠赤外線低温サウナに関するお問い合わせは、日本健康寿命延伸協会のホームページからお願いします。https://ahle-j.com/

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朗報!遠赤外線低温サウナがフレイルを改善します(Ellen ChanによるPixabayからの画像)

 

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