1日3時間を立ったまま過ごすと、1週間で平均750kcalのカロリーを余分に消費できる!

あなたは週に5日、1日30分程度の適度な運動をなさっていますか？　コロナ太りは解消できましたか？　わたしはダイエットの効果が出ず、スーツが着れなくて困ってます。そこで、『週5日、3時間立って過ごせば、年間10回のマラソンを実行するのと同じくらい効果的であり、寿命を2年延ばすことができる』という研究を紹介します。https://www.chhp.com/741/stand-three-hours-day-benefits-ten-marathons

英ユニヴァーシティ カレッジ ロンドンのマイク ルースモア博士は、こう主張なさっています。

• 低レベルの運動を取り入れた小さなライフスタイルの変更は、活動的な人々の生活を変え、心臓病のリスクを40％削減できる
• 高血圧と乳がんのリスクはほぼ半分になる
• 結腸がんのリスクは適度な運動をすることで60％以上減少する
• 運動は、向精神薬や専門的な行動療法と同じくらい効果的にうつ病を緩和し、アルツハイマー病を防ぐことができる
  

  1日3時間を立ったまま過ごすと、1週間で平均750kcalのカロリーを余分に消費できる!(Kerstin RiemerによるPixabayからの画像)

たとえば、2014年に英チェスター大学のジョン・バックリー教授（運動科学）らが実際にオフィスで行った実験では、3時間の立ち仕事で1日当たり150kcal余分にエネルギーを消費しています。（出典：ウォール・ストリート・ジャーナル）

この実験では会社で働く10人を対象に、1日3時間立ったまま仕事をこなしてもらい、それを5日間続けてもらう実験を行いました。被験者にはどれだけ動いたかを測定する加速度計を身に付けてもらい、心拍数と血糖値を連続測定する装置も装着してもらい詳細な数値を測定。

その結果、1週間に5日、1日3時間を立ったまま過ごすことで、1週間で平均750kcalのカロリーを余分に消費できることが判明しました。1年間では約3万kcalのカロリーを多く燃焼し、3.6kgの体重を減らすことができる計算になります。1日9時間座ったまま過ごした場合に比べ、糖尿病のリスクが12％、心臓病のリスクが47%、低下することも判明しています。

加えて、立ったまま過ごす時間を増やすと、肩こりや背中の痛みの対策にもなるそうです。

立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常の動作を支える筋肉は、大腿の前面にある「大腿四頭筋」、お尻にある「大臀筋」、お腹にある「腹筋群」、背中の「背筋群」です。これらの筋肉は重力に対して立位の姿勢を維持する働きをします。1日3時間立って過ごすことは、加齢の影響を受けやすいこれらの筋肉を鍛え、全身の若々しさを保つことにもつながります。

人間の体は立つことを前提に作られており、座った状態を維持することは体にとって負担です。そのため座ったまま過ごす時間が長いと、背骨に大きな負荷がかかり、肩こり、背中の痛み、座骨神経痛などが起こりやすくなるという訳です。

「立った姿勢では体重は筋肉に分散しますが、座ると背骨の自然なカーブが歪み、背中の筋肉に負担がかかります。英国では、労働者の8割は体に慢性的な痛みを感じていますが、デスクワークの時間が長く、体に無理な負担がかかっているのが要因です」と、バックリー教授は説明する。また教授らは、「２時間が健康の「分岐点」です。２時間を超えると、立っている時間が１時間増えるごとに、病気や死亡のリスクは軽減されます」とも主張なさっています。

スタンディングデスクを仕事に取り入れた人の間では「疲れにくくなった」「肩こりや腰痛が和らいだ」という声も多いそうです。ウォーキングも散歩もストレッチもサボってしまう私ですが、立ちながら資料を読んだり、メールを読むことから始めようと思います。あのスーツをもう一度着るために！

《参照》

★Dr Mike Loosemore: Stand up for 3 hours a day for benefits of ten marathons　https://www.chhp.com/741/stand-three-hours-day-benefits-ten-marathons

★職場の座り過ぎに注意、2～4時間立つのが健康上理想　https://jp.wsj.com/articles/SB10679346927304483289404581262601881093730

（ウォールストリートジャーナル2015 年 9 月 29 日のこの記事を読むには有料会員登録が必要です）　　

以上