最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!

最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!

最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!(Алексей ГромовによるPixabayからの画像)

高齢者は、老化により末梢の感覚が鈍くなるので、足さきの怪我に気がつかず、加えて視力低下で足さきを見ても確認できない可能性があります。また、体や関節が固くなるので前屈しにくく、お腹の脂肪がじゃまになり、足の爪を自分で切れない状況に陥ります。最後まで自分で歩いてトイレに行けるように、ご家庭でできる足浴や足の体操を紹介します。

1.足浴は、バケツ・温度計・刺激の少ない石けん・柔らかい布・タオル・保湿剤・靴下を準備しましょう

足湯は全身が温まり、血行もよくなります。健康な足と足の爪を保つためには、足浴も毎日が好ましいそうです。

ケアを始める前に、イボはウイルスが原因で、水虫(白癬)はカビが原因ですケアするあなたが感染しないために、手袋・マスク・エプロン・フェイスシールド等もご用意ください。また、洗い流しに便利なお風呂場で行う時はお風呂場を事前に温めてください。

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最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!(wangyanweiによるPixabayからの画像)

  1. バケツに足首がつかる程度の深さまで、36~39℃のお湯をはります。5分くらい足を浸けてください。
  2. 石けんをよく泡立てて、やさしく片足ずつ洗います。足の裏だけでなく、足の指の間もしっかり開いて柔らかい布で洗います。白癬などで皮膚がむけている場合は、それ以上皮膚がむけないように丁寧に洗います。
  3. 洗い終えた足は、バケツの中に戻し、残りの足を丁寧に洗います。両足を洗い終えたら、残った石けん分をきれいに洗い流します。かけ湯のための別のバケツか、お風呂場で足のゆびの間まで丁寧に洗い流します。
  4. ひとまず、タオルかペーパータオルで足をつつみ、上から押さえるようにして水分を拭き取ります。特に足の指の間は注意して、水分を拭き取ります。
  5. 角質を削る場合は、軽石は皮膚へのダメージが強いので避けてください。「角質ファイル」という柄のついた道具があり、それがお勧めです。擦る方向は一方向に動かし、10秒程度で終わりにします。
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    最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!(340357によるPixabayからの画像)

  6. 爪を切る場合は、少しずつ優しく切ります。あるいは、爪やすりをつかってください。介護現場でも爪切りは出血等の事故が多いので、不安な場合はケアマネジャーへの相談をお勧めします。
  7. もう一度、肌に石けんや角質などが残らないように、すみずみまでゆっくりとお湯をながします。
  8. タオルやペーパータオルで水分をしっかりと吸い取らせます。同時に足に傷や変色やトラブルがないか観察します。
  9. 15分以内に保湿剤を塗って、足のサイズにあった吸湿性のよい素材で、ゴムがきつくない靴下をはかせます。

(参考資料:埼玉県国民健康保険団体連合会 「自宅でしてみよう!足と爪のケア」https://www.saikokuhoren.or.jp/pages/02_2103.html

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最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!(Oleg4m によるPixabayからの画像)

2.皮膚の色や爪の色など、観察・確認ポイントは9つあります

a.皮膚の色:足の皮膚全体が変色していないか、皮膚の一部が赤や紫などに変色していないかをチェックします。また、魚の目・タコ・イボなどができていないか確認します。皮膚に変色があった場合は、炎症や血管障害、出血、足白癬などを疑います。かかとやくるぶしに発赤があれば、低温やけどの可能性があります。

b.爪の色:健康な爪は毛細管血管が透けて見える薄いピンク色です。異常がある場合は、爪の一部や全部が、黒・赤・青・白・黄・緑などに変色します。

c.爪の長さ:爪が長すぎないか、短すぎないか確認します。長すぎると、他の足指を傷つけます。短すぎると、巻き爪や陥入爪の原因となってしまいます。

d.爪の厚さ:厚みが2ミリ以下であれば問題ありません。爪白癬に罹っていたり、サイズの合わない靴がこすれて、爪が厚くなる場合があります。

e.爪の形:健康で正常な爪は指に真っ直ぐ平らに生えています。斜めに爪が生えていないか、爪の端が内側に巻いていないか、上下に反り返っていないか、確認します。爪に異常があると痛みで歩けなくなることもあります。

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最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!(u_wdpwc1k8teによるPixabayからの画像)

f.足の形:足の形が正常が確認します。外反母趾や尖足に変形していないか、変形した部分が炎症を起こしていないかも確認します。

g.足の指の形:足の指がまっすぐ伸びているか確認します。

h.むくみ:足先から膝下くらいの範囲で、むくんでいないか確認します。むくみがあれば、むくむ時間帯やむくみは両足か片足か、慢性的にむくんでいるかなど確認し、主治医に相談します。むくみには重大な疾患が隠れている可能性が高いので、放置は厳禁です。

i.足先の冷えやしびれ足先が紫がかり、足が冷たい、休みながらでないと歩けない、じっとしていても足が痛いなどの症状がある場合は、足の血流障害の可能性があります。また、足のつま先が黒ずんできた場合は足先の血管が詰まってしまった可能性が高いので、直ぐに主治医に見てもらってください。放置は厳禁です。

(参考資料:一般社団法人日本フットケア・足病医学会 「自宅で出来る。簡単足のセルフケア方法」chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://jfcpm.org/news/20200508/footcare.pdf

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最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!(wangyanweiによるPixabayからの画像)

3.足にクリームを塗る時には、むくみを確認します。心不全や癌が原因でむくむ場合もあります。

皮膚も加齢に伴い乾燥しやすくなり、弾力を失います。この老化によって皮膚のバリア機能が衰えるので、しっかりと保湿を行ない、皮膚を守るケアが必要です。

*入浴後や足浴後、15分以内に市販の手足用クリームを塗ります

*水虫がある場合は、クリームの前に水虫薬を塗ります

*つま先から膝に向けて両掌につけたクリームを丁寧に塗ります。つま先から膝に向けて、血液やリンパを戻すイメージで優しく押し上げます

*足の裏、足の指、足の爪に周りにもクリームを塗りますが、足の指の間には塗りません

むくむと皮膚は薄くなり、光沢をもちます。内出血しやすいので、ゆっくりと撫でるようにクリームを塗ってください。

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最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!(DanceERBによるPixabayからの画像)

*むくみが悪化すると、足の静脈が血栓で詰まる可能性がります。また、心不全や癌などが原因でむくんでいる可能性もあります。急激なむくみは放置せず、主治医に相談なさってください。

むくんだ足には、温めるためにふくらはぎまで包み込む長さの靴下が適しています。素材は吸湿性の高い木綿や絹100%。高齢者の場合は、薄い皮膚を傷つけないように着圧でない靴下が最適です。

*むくみが無い場合も、靴下は怪我の防止になります。吸湿性のよい、足のサイズにあった靴下の着用がお勧めです。

*5本指靴下は、資料により意見が相違しています。脱ぎ着が難しいので、高齢者には5本指ではなく2本指靴下が良いという意見もあります。

魚の目・たこ・イボ・足白癬や爪白癬は皮膚科を受診なさってください。(皮膚科Q&A「イボとミズイボ、ウオノメとタコ、どう違うのですか?」https://www.dermatol.or.jp/qa/qa23/index.html

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最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!(Mabel Amber, who will one dayによるPixabayからの画像)

4.関節をほぐすと血行もよくなる、座ったままで出来る首・手首・足首まわし

【首まわし】

*椅子に深く腰掛けて、両足を軽く開いて体勢を安定させる

*首をゆっくりとまわす(右回しと左回しをそれぞれ3回ずつ)

*首をゆっくりと左右に倒す(左右を交互に3回ずつ)

【手首まわし】

*両手を体の前で組み合わせ、右から左へ、左から右へくねくねと動かす。(10~20回)

【足首まわし】

*片側の足を反対側の膝の上に乗せ、つま先を手でつかんで、ゆっくりと足首をまわす(それぞれ3回ずつ)

足首まわし

足首まわし

【足の指のストレッチ】

*椅子に座ったままの姿勢で、最初に足の指をぎゅっと曲げ、足の指を思いっきり開く。(10~20回)

足の指のストレッチ

足の指のストレッチ

他に、動画も紹介します。

☆KOTO活き粋体操 筋力トレーニング1足首運動(江東区公式チャンネル)時間:5:00 https://www.youtube.com/watch?v=ulL88WzcOz4

☆06誰でもできる!理学療法士が推奨するもう転ばないための転倒予防体操(独立行政法人国立病院機構東名古屋病院) 時間:5:33 https://www.youtube.com/watch?v=p1HR4lBgOB4 

最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!

最期まで自分でトイレに行けるように、フットケアや体操を身に付けよう!(Alexander Fox | PlaNet FoxによるPixabayからの画像)

参考資料:

☆看護ネット「転倒予防体操」(市民と看護職をつなぐコミュニティサイト)https://kango-net.luke.ac.jp/koureisya_kango/tentou_kossetu/taisou.html

☆介護総合情報サイトMY介護の広場「フットケアをはじめよう」https://www.my-kaigo.com/pub/individual/chiebukuro/foot/0020.html

☆『現場で使える介護フットケア便利帖』大場マッキー広美著、発行所:翔泳社ホームページ https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798157047

☆看護ネット 市民と看護職をつなぐコミュニティサイト 「フットケア」https://kango-net.luke.ac.jp/koureisya_kango/care/footcare.html

☆ロコモフレイル外来

転倒は、ロコモやフレイルになっている方によく起こります。国立長寿医療研究センターでは、転びやすい原因を含め、多方面の専門家により、トータルにお体の状態を評価して、どのようにするとより健康になるかをアドバイスする「ロコモフレイル外来」を開いていますので、ホームページをぜひご参照ください。

https://www.ncgg.go.jp/hospital/shinryo/senmon/locomo_frail.html

以上

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