今だからこそ天災も人災も乗り越えられる、慈愛の力を信じようと思います。
今年も、東日本大震災に思いをはせる「3.11」が巡ってきました。
今年の元日に発生した能登半島地震の記憶が鮮やか過ぎて、2011年の東日本大震災を忘れがちです。
けれど復興庁によれば2024年2月1日現在で、東日本大震災で避難なさっていらっしゃる方が、まだ2万9千人もいらっしゃいます。応急仮設住宅や公営住宅や民間賃貸住宅に避難なさっている方は、1万856人。病院などで暮らしている方が、111人。
13年の歳月が過ぎても、親族・知人の家に身を寄せている方々が1万8,361人もいらっしゃいます。
復興問題はあっちもこっちも山積みで、能登半島の復興はこれからです。一方、2月下旬から千葉県東方沖の地震活動が活発で、さらに大地震が起きるのでは?と不安です。天災の被害で苦しんでいらっしゃる方がどんどん増えているような気さえします。また海外に目を転じれば、戦争に襲われたウクライナやガザで、戦死者が増えるばかり・・・
それでも悲観に走るのではなく、わたしたちの慈愛の力を信じたいと思います。戦争を引き起こすのは人間ですが、被災地でボランティアに励むのも、人間です。募金に応じるのも私たちです。
天災に不意打ちされることは、防げないでしょう。戦争は人災ですが、私たちにはこの人災さえも防げません。けれど、小さな善意を分かち合ったり、小さな支援を贈ることはできます。傷ついている人たちや苦しんでいる人たちに手を貸したい、助けたいと感じる人間の能力こそが、幸せを作り上げる原動力だと感じます。
悲しみや苦しみが降り注ぐ世の中だからこそ、人が備えている慈愛の力を信じたいと思います。
東日本大震災や能登半島地震などすべての天災・人災で亡くなられた方々のご冥福を祈り、避難生活を強いられている全ての方々のご多幸とご健康を心から祈ります。 浅海直二郎商店店主