ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)(Jonas JovaisisによるPixabayからの画像)

アイペット損害保険株式会社が、ペットのための防災対策に関するアンケート調査の結果を3月4日に発表しました。この調査によると、「災害を想定してペットに関する防災対策をしている」と回答したのはわずか2割。3月19日のブログ「ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(前編)」の続きをお届けします。

設問「あなたは、最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるか知っていますか?」に対し、「知っている」方は23.7%「知らない」方が76.3%でした。そこで、次の質問です。

☆ペットと一緒に避難生活を送ることを想定した場合、あなたは避難先でのペットに関する心配事はありますか?《犬飼育者565名、猫飼育者476名》

  1. 「他人や他のペットとのトラブル」 犬飼育者の63.2% 猫飼育者の60.7%
  2. 「慣れない場所でのトイレ」    犬飼育者の58.1% 猫飼育者の68.3%
  3. 「ペットの食料の備蓄量」     犬飼育者の49.6% 猫飼育者の51.3%
  4. 「体調不良」           犬飼育者の48.1% 猫飼育者の53.6%

自由回答でも、「吠えること」「鳴き声」「迷惑をかけること」など、周囲への配慮に関する心配事などが並んでおり、避難生活における心配事は、犬・猫飼育者共通のようです。

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)(KevinsphotosによるPixabayからの画像)

さらにこのアンケート調査では、現状のコロナ禍において災害が発生した場合、避難所に多くの人が密集するリスクを回避するため、安全面に十分配慮した上で「分散避難」なども検討する必要を想定しています。そこで、「避難所以外にもペットと一緒に避難できる避難先、ペットの預かり先は確保しているか」を尋ねたところ、確保していると回答した飼育者は、約15%でした。

☆避難所以外で、ペットと一緒に避難できる避難先や預かり先はどこですか?《犬飼育者106名、猫飼育者49名》

  1. 「親戚・知人宅」     犬飼育者の57.5% 猫飼育者の63.3%
  2. 「車中避難」       犬飼育者の37.7% 猫飼育者の26.5%
  3. 「在宅避難」       犬飼育者の30.2% 猫飼育者の28.6%
  4. 「かかりつけの動物病院」 犬飼育者の24.5% 猫飼育者の26.5%

このあとは、5位ホテル、6位ペットホテルと続き、自由回答では、「仕事先」「ペット専用の避難場所」「テント」などがあがりました。

☆避難所以外で、ペットと一緒に避難できる避難先や預かり先について、今後どのような選択肢を検討しますか?《犬飼育者459名、猫飼育者427名》

  1. 「在宅避難」       犬飼育者の46.0% 猫飼育者の48.0%
  2. 「車中避難」       犬飼育者の41.4% 猫飼育者の40.7%
  3. 「親戚・知人宅」     犬飼育者の34.9% 猫飼育者の37.7%
  4. 「かかりつけの動物病院」 犬飼育者の24.6% 猫飼育者の24.6%

5位ペットホテル、6位ホテルと続き、自由回答では「愛護団体」「保護団体」「犬の訓練所」「別荘への疎開」などでした。

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)(Suhas RawoolによるPixabayからの画像)

今回初めて知ったのですが、環境省が平成30年に「人とペットの災害対策ガイドライン」を発表し、ここで「飼い主とペットが原則一緒に避難すること」が明示されています。

そこで犬あるいは猫を飼っていらっしゃる皆様にこのアンケート調査ではガイドラインの原則についても質問しています。

☆あなたは環境省発行の「人とペットの災害対策ガイドライン」においてペットは飼い主との「同行避難」が原則であると伝えられていることを知っていますか?

《犬飼育者565名》

  1. 「知っている」 20.0%
  2. 「知らない」  80.0%

《猫飼育者476名》

  1. 「知っている」 10.1%
  2. 「知らない」  89.9%

《全体1,041名》

  1. 「知っている」 15.5%
  2. 「知らない」  84.5%

2020年より全体では、1.8ポイント下がり、8割以上が「知らない」ようです。特に猫飼育者では、9割近くが「知らない」と回答しており、室内飼いが推奨される猫の避難については、「在宅避難」という選択肢への意識が高いようです。

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)(Joshua ChoateによるPixabayからの画像)

また2022年には義務化施行されるマイクロチップは、災害時の迷子対策として有効といわれています。マイクロチップの装着有無についてもこの調査で尋ねています。

☆現在あなたのペットは、マイクロチップを装着していますか?

《犬飼育者565名》

  1. 「装着している」  32.6%
  2. 「装着していない」 67.4%

《猫飼育者476名》

  1. 「装着している」  16.8%
  2. 「装着していない」 83.2%

《全体1,041名》

  1. 「装着している」  25.4%
  2. 「装着していない」 74.6%

2020年に比べ、犬・猫ともに装着している割合が5ポイント以上増えました

☆マイクロチップの装着目的をお聞かせください

  1. 「装着されていたペットを迎え入れた」53.0%
  2. 「装着を義務だと感じたから」    22.3%
  3. 「迷子防止」            17.4%
  4. 「災害時への対策」           6.1%
  5. 「その他」               1.1% 

長引くコロナ禍で、新たにペットを迎え入れた方も増えていると言われています。2022年のマイクロチップ装着の義務化施行も、既に飼育している方は努力義務に過ぎません。まだマイクロチップを装着なさっていない7割から8割の方々は今後、どうなされるのでしょうか。あなたはどうなさいますか?

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)(Rashed RanaによるPixabayからの画像)

最後に、青森県の先進的な取り組みを紹介します!

ペットの防災コンテンツ 青森県の避難所情報を共有
「みんなで作る!人とペットの避難所MAP FOR AOMORI」https://www.ipetclub.jp/fun/aomori-bousai/map/

このホームページは、青森県とアイペット損害保険株式会社が共同し、突如訪れる災害に備えて、ペットと同伴避難が可能か調べて登録し、いざという時に役に立つ青森県民用のMAPをみんなで作ろうというものです。(同行避難と同伴避難の違いは、このホームページでご確認ください)

また、「同行避難」についての解説や「(ペット用の)キホンの防災」など役立つ情報が満載です。大切なパートナーを災害時も守れるように、この「みんなで作る!人とペットの避難所MAP FOR AOMORI」のご一読をお勧めします。

《参照》

*ニュースリリース「ペットのための防災対策に関する調査」https://www.ipet-ins.com/info/26780/

*環境省発行の「人とペットの災害対策ガイドライン」(平成30年発行)https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002/0-full.pdf

*ペットの防災コンテンツ 青森県の避難所情報を共有「みんなで作る!人とペットの避難所MAP FOR AOMORI」https://www.ipetclub.jp/fun/aomori-bousai/map/

以上

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)

ペットのための防災対策をおこなっている人は、わずか2割(後編)(Dog FuriendlyによるPixabayからの画像)

 

 

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